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●最高値は有明の2.91マイクロシーベルト
福島第1原発事故から3カ月余り。ついに、佐賀県唐津市内で採取した松葉から微量の放射性物質セシウムが検出された。
県の環境センターは福島原発事故の影響とみているという。
予想をはるかに超えて、放射能は広がっている。となると、東京都はどうなのか。
15日になってようやく、都は本格的な放射線量の測定を始めたが、日刊ゲンダイ本紙はそれに先立ち、
23区内の200カ所以上で放射線量を測ってみた。
調査は今月12、13日。ガイガーカウンターを持ち、被災地取材も経験している取材記者3人と日刊ゲンダイ本紙編集部で一斉調査し、
データを集計。その後、それぞれのガイガーカウンターで同じラジウムボールの線量を測り、誤差を修正して、表にまとめた。
似たような値で場所が近い場合は削除し、最終的に170カ所のデータにした。
測定にあたりルールを統一するため、元立教大学理学部教授の佐々木研一氏にアドバイスを求めた。
「地表と1メートルの2地点で測定するのが一般的です。ちなみに、地表と1メートル地点の数値が
2倍程度の違いであれば、その土地は均一に汚染されている。5倍程度違うようであれば、
その場所の直下が汚染されていると考えられます。測定は、ひとつの場所でまず1分かざし、
その後3分間で出た最高値、最低値、一番頻繁に出た数値から平均値を出すといいでしょう。
普通に生活しているうえで被曝(ひばく)する可能性のある場所と、放射線量が集まりやすい場所を調べます。
ポイントは、庭などの排水溝の出入り口、雨樋(あまどい)の最初に地面に触れるところ、
道路であれば側溝。泥は乾いているほうがより事実に近い数字が出ます。
また、公園の水のたまり場、粘土質が見えるところも測るべきです」
今回の調査方法と場所の選定は、このアドバイスに沿った。
●ホットスポットがあちこちに
さて、表を見ていただきたい。都内でも放射線量が高いのが葛飾区だ。水元公園では地上1メートルで
毎時0.30マイクロシーベルト前後。東屋下の縁石では毎時0.74マイクロシーベルト。
金町浄水場脇の民家の庭から車道側溝に水を流している排水口では、1.41マイクロシーベルトを記録した。
葛飾区役所は、区内数カ所の公園で地上1メートル付近の放射線量を測定。
「毎時0.12~0.28マイクロシーベルトで健康に影響を与えるレベルではない」と“安全宣言”を出しているが、
実際には、区の発表の最大20倍の放射線を放出する土があるのだ。
こうしたホットスポットは測ってみなければ分からない。
ただちに健康に影響が出る値ではないにせよ、その値を知っておくことは大事だ。
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