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福島第1原発から放射性物質が放出されて続けている問題で、一貫して「安全・安心説」を唱えていると
受け止められている識者が、福島県放射線リスク管理アドバイザーの山下俊一・長崎大学教授だ。
1年間に許容される被曝量として「20ミリシーベルト」という数字が議論になるなか、
山下氏は「100ミリシーベルト以下のリスクは分からない」との立場を崩していない。
これが「リスクを軽視している」と批判を浴びており、NGOは、解任を呼びかける署名活動を始めている。
山下氏は、長崎市生まれの被曝二世。1991年から約20年間にわたって、チェルノブイリやセミパラチンスクでの
被曝者治療に携わっている。05年から2年間は、世界保健機関(WHO)のジュネーブ本部で放射線プログラム専門科学官を務めている。
福島県の放射線リスク管理アドバイザーには3月19日に就任し、県内の講演会で「放射能を『正しく恐れる』ことが大事」などと説いている。
山下氏に対して解任要求をしているのは、FoE Japanやグリーンピース・ジャパンなどの環境NGO。
6月10日に菅首相や佐藤雄平福島県知事に宛てた要請文の中で、(1)特に放射線量が高い地域において、
避難・疎開・夏休みの前倒しを促進すること(2)子どもを含む県民の内部被ばく検査の実施、など4項目を要求。
そのなかの一つに、山下氏の解任が入っている。
要請文では、「低線量被ばくのリスクを軽視し、『100ミリシーベルトまでは、妊婦も含めて安全』との言動を福島県内で繰り返しています」
と山下氏を批判。署名活動を7月6日まで展開するという。
山下氏の発言で主に批判が集中しているのは、「100ミリシーベルト」の評価と、住民を避難させる範囲についてだ。
例えば、5月3日に、福島第1原発から50キロ以上離れた福島県二本松市で行われた講演会では、山下氏は
「100ミリシーベルトで、5人くらいがんのリスクが上がることが、長年の調査結果で分かっている。
100ミリシーベルト以下は分からない。明らかな発がんリスクは観察されていないし、これからも、それを証明することは非常に困難」と発言。
「二本松は危険だから逃げろ」という声があることについては、「とんでもないこと」と反論。
「皆さん、現実、ここに住んでいるし、住み続けなければならない。広島、長崎もそうだったし、
チェルノブイリもそういう状況。そういう中で、明らかな病気は、事故直後のヨウ素による子どもの甲状腺がんのみ。
。このような現実をもって話している。国の指針が出た段階では、国の指針に従うのが国民の義務だと思うので、そのような内容でしか答えられない」
と発言し、「国の指針に従うのが国民の義務」という発言が、さらに地域住民の反感を読んだ模様だ。
その後も、山下氏は「100ミリシーベルト以下のリスクは確認出来ていない」との立場を崩しておらず、
5月24日発売の「週刊朝日増刊 朝日ジャーナル 原発と人間」の中では、「1回、100ミリシーベルト浴びると、例えば細胞に傷が100個できます。
1ミリシーベルト受けると細胞に傷が1個できます。100個の傷にはときどきエラーが起きますが、1個の傷は体がすぐ治します。
遺伝子は傷がついても治るという生物学的な生命現象が大前提としてあるので、僕は、微量の被曝には過敏になるな、と言っているんです」と主張。
「潮」11年6月号では、「原発の放射性物質によってがんにかかりうるといっても、がんは日本人の3人に1人がかかる病気だ。
確率論的に誰にでも起こりうる病気なのに、『放射線のせいでがんにかかる』と心配して生活を台無しにしても仕方がない」とも述べている。
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