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富山、福井両県の焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」でユッケを食べた客4人が死亡する集団食中毒事件が
起きたが、本場の韓国では、飲食店でのユッケの食中毒発生の報告例はないという。韓国では年に数回
行われている衛生当局による抜き打ち検査が食中毒防止の決め手になっているとみられ、「衛生基準」を
設けるだけで安全対策は業者任せにしてきた日本の厚生労働省にも事件の責任の一端はありそうだ。一方、
神奈川、富山、福井の3県警と警視庁の合同捜査本部は9日、業務上過失傷害容疑で、横浜市旭区の「焼肉
酒家えびす」横浜上白根店を家宅捜索した。捜索は7カ所目で、神奈川県内では初めて。
ソウル・東大門市場の西隣にある広蔵市場。「ヨギロー オセヨ(こちらへいらっしゃい)」。ユッケ専門の老舗
「チャメチッ」の女主人、金玉姫さん(58)の威勢のよい声が響く。30人も入れば満席の店だ。
ガラスの冷蔵ケースにユッケやレバー、センマイが並び、注文を受けると素早く盛り付け。細かく切ったナシを
皿に敷き、牛肉を載せ、卵黄をトッピングする。「肉の色が違うでしょう」と金さん。新鮮さが一番の決め手だ。
共同通信によると、金さんは解体されたばかりの肉が入る近くの「馬場畜産市場」から、その日に仕入れた肉を
出す。冷凍ものは扱わず、包丁やまな板の消毒も毎日欠かさないという。日本の事件は韓国でも報じられ、
金さんは「信じられない話。同業者として残念で仕方ない」と顔を曇らせた。
韓国では生肉を提供する際の特別な衛生基準はないが、年に数回、食品医薬品安全庁が抜き打ち検査を行う。
庁によると、昨年4月は全国1426店のうち45店が肉から細菌が見つかるなどしたため営業停止や罰金
処分などに。一方で、これまでユッケの食中毒発生の報告例はないという。
「検査では肉を買った領収書まで全て調べ、原産地の表示も確認します。(お客さんが安心できるので)
私たちにとっても良いことです」
姉と一緒に店を始めたのは30年以上前。今では日本人観光客の姿も増え、「『本当においしい』と喜んで
くれると、こちらも元気が出ます」と金さんは笑った。
日本では厚労省が、生食用の肉を流通させる場合、病原菌が付着する肉の表面を削る「トリミング」を行うことを
衛生基準として定め(1998年通知)、卸業者と飲食店の双方に実行を求めている。しかし、衛生基準には罰則
規定がなく、当局による検査も行ってこなかった。食品安全委員会が昨年4月、病原性大腸菌による感染症
発生が増えているとして、特に乳幼児とお年寄りは生肉を食べないように呼びかけるなど、政府内でも危険性は
十分認識されていたにもかかわらず、具体策は取られなかった。(1)衛生基準を守っていれば食中毒は防げる
(2)重症化した事例はなかった-というのが厚労省の言い分だ。一義的責任は飲食店にあるが、事が起きる
まで問題を放置していた厚労省の責任も重い。
問題の生肉をめぐっては、えびすの運営会社の「フーズ・フォーラス」(金沢市)が「生食用として仕入れた」と
主張しているのに対し、卸業者の「大和屋商店」(東京都板橋区)は「加熱処理用として出荷した」と説明。
言い分が食い違っており、捜査本部では押収したメールなどを分析し、取引の実態解明を急いでいる。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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