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東日本大震災で出版業界が紙不足に苦しんでいる。
日本製紙連合会によると、出版物やチラシに使われる紙の2割弱を生産している
日本製紙の石巻、岩沼両工場と三菱製紙の八戸工場が津波で被災。
首都圏の紙倉庫でも荷崩れで多くの紙が使えなくなった。
出版用の紙の出荷が滞るなか、集英社は4日に予定していた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
「NARUTO」などコミック8点の発売を21日に延期。吉川弘文館も3月末に出すはずだった
「平城宮大極殿院(だいごくでんいん)の設計思想」の発売を延期した。
岩波書店は新書や雑誌「思想」第4号を、見た目は似ているものの普段とは違う種類の紙で印刷した。
製紙会社側では輸入を増やすなど紙の供給量確保に取り組んでいるが、「1、2カ月は何とかなっても、
その先のめどが立たない」(三菱製紙の広報IR室)という。新刊を出し続けることで資金を回している出版社も多く、
出版業界には「出版のペースが落ちれば経営に深刻な打撃となる」と懸念する声も出ている。
一方、被災地に本が届きにくくなるなか、マンガ誌では、期間を限定して掲載マンガをインターネットで
無料公開する動きが広がる。集英社は3月発売の「少年ジャンプ」2号分を公開。講談社の「少年マガジン」や
小学館の「少年サンデー」など追随する動きが相次いでいる。
医学書院、学研などは被災地で役立ててもらうとして、医学や子育ての実用書をネットで公開。
岩波書店は雑誌「科学」で過去に取り上げた原発関連の記事を公開した。
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