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福島県内の温泉旅館やホテルが窮地に立っている。被災に加え、福島第1原発事故の「風評被害」で
予約キャンセルが続出。従業員らの減給やリストラでしのぐが、廃業に追い込まれるケースも。
「このままでは壊滅する」と悲鳴が上がっている。
詩人、高村光太郎が「智恵子抄」で詠んだ安達太良山。岳温泉が人気の「櫟平ホテル」(福島県二本松市)は
当初、3月分の予約がすべてキャンセルとなった。
1日に営業を再開。ところが、前日までの予約客は1人だけ。
阿部三枝子社長は「原発から60キロ以上も離れているのに…」と肩を落とした。
同ホテルが、従業員約70人に支給した3月分の給与は2月分の半分以下。
高卒の3人を内定通り採用するものの「給与など労働条件を見直さざるを得ない」という。
二本松市で100年以上続く老舗旅館「松渓苑」は、震災で客室や天井が激しく損傷。
風評被害による予約キャンセルが追い打ちをかけ、廃業を余儀なくされた。
佐藤俊夫社長は「『もったいない』とお客さまからの電話が殺到したが、これ以上は続けられない」と話すのがやっとだった。
従業員のリストラに踏み切る旅館も。いわき市常磐湯本町の「旅館こいと」では、37人の従業員を
10人以下に減らすことを決めた。小井戸英典社長は「退職金も払えない。
お客さまに『子どもを連れて行けない』といわれ、悔しい」と打ち明けた。
県内約650の温泉旅館が加盟する福島県旅館ホテル生活衛生同業組合の
佐藤精寿事務局長は「原発の風評被害に対し、国が早期に安全宣言を出さないと壊滅してしまう」と話す。
犠牲は増えるばかりだ。
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キャンセルの印で埋まった「櫟平ホテル」の宿帳
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