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『日本書紀』に「民のかまど」の話がある。第16代仁徳天皇が難波の高津宮から外を見ると、かまどを炊く煙が見えない。
「民は食事を作ることもできないのか」と嘆いた天皇は3年間課役を免除するとともに、自らもぜいたくを絶ち、宮殿は荒れるに
まかせた。
▼3年後再び高殿に立つと、こんどは多くの煙が見え、天皇は「これで私も豊かになった」と満足する。「宮殿は荒れ放題
ですのに」と不満げな皇后に「民が豊かになるのが私が豊かになることだ」と答えた。この「民のかまど」の精神は歴代の天皇に
脈々と受け継がれてきたようだ。
▼昭和天皇は戦後間もなく全国を巡幸された。着ていかれる洋服がみすぼらしいと、周囲は新調を勧めたが「みな着るもの
にも不自由しているのだから」と、断られた。学校の板の間にゴザを敷き、黒いカーテンをかけお休みになったこともある。
▼今の天皇、皇后両陛下が、大震災の後に「自主停電」されているという話にも鼻のあたりがツーンときた。15日から
「第1グループ」の計画停電の時間に合わせ皇居・御所の電気を切っておられる。実際に停電にならない日も、予定通り
続けておられるそうだ。
▼天皇陛下は77歳のご高齢である。以前には前立腺がんの手術も受けられた。それなのに「寒いのは(服を)着れば大丈夫」と、
その間は暖房も使われない。ろうそくや懐中電灯を使いながら、暗い中で夕食をとられたこともあるという。
▼それほどまで国民に思いをはせておられる。そのことを知れば、被災地で苦難の生活を強いられたり原発の修復にあたったり
している人々にこれ以上にない励ましとなるだろう。身勝手な買いだめなど決してできないはずだ。
ソース(MSN産経ニュース、産経抄) URLリンク(sankei.jp.msn.com)