11/03/15 02:00:42.18
東京電力福島第一原子力発電所で、1号機に続き、3号機でも爆発が起き建屋が吹き飛んだ。
2号機も炉心の冷却機能が停止した。異常事態が続くが、冷静に対処したい。
炉心内の放射性物質は、丈夫な圧力容器と、それを覆う原子炉格納容器に閉じこめられている。
政府と東電によれば、どの炉も、両方の容器に損傷はないという。
容器内部の圧力、温度データなどが、爆発の前後でほぼ一定に保たれていることが根拠だ。
爆発後に大量の放射能が放出されたことを示すデータもない。
微量の放射能は観測されているが、仮に被曝(ひばく)したとしても、病院のエックス線撮影の被曝量と
ほぼ変わらない。
地元自治体からは周辺半径20キロ・メートル圏の住民に避難指示が出ている。
圏外に避難すれば当面、放射能による健康への影響はない。
一連のトラブルは、津波で非常用電源が壊れ、炉心に水を送れなくなったことが原因だ。
圧力容器内の水位が下がり、炉心の核燃料が水面に露出して過熱した。
1、3号機では、一部の燃料が溶融したとみられている。2号機も溶融の恐れがある。
東電は、炉心冷却のため圧力容器内に海水を入れている。
これがうまく行かないと、炉心全体が溶融して圧力容器が損傷し、外部に放射能が漏出する恐れもある。
作業に手間取っているが、なんとしても冷却を成功させたい。
一連の作業では、発電所員や関係会社社員、応援の自衛官が負傷した。大量に被曝した社員もいる。
懸命に事態の悪化を食い止めようとしている。安全確保にも最大限、配慮してほしい。
原発を受け入れている他の自治体からは、原発の津波対策に不安の声も出ている。
政府は対策の再検討を急ぐべきだ。
インターネットなどでは、いたずらに不安を煽(あお)る情報が広がっている。
福島原発の職員などと称して、根拠のないデマ情報を流したりしている。注意したい。
首都圏などの商店、スーパーでは、日用品の買いだめが始まり、品不足が起きている。
海外でも、日本からの放射能飛来を懸念しての動きや、日本への渡航自粛呼びかけなど、過剰とも思える
反応が広がりつつある。
政府は、国内外に、正確な情報を迅速に提供し、不安解消に全力を挙げるべきだ。
▼YOMIURI ONLINE(読売新聞) [2011年3月15日01時43分]
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)