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「よく生まれてきてくれた。ありがとう」―。東日本大震災により青森県内の
ほとんどが停電中の12日早朝、八戸市の今(こん)己(み)知(ち)さん(32)が
元気な男の子を同市の八戸クリニックで出産した。余震が続き、電気がつかない
状況でのお産に不安を抱えていたが、医師や看護師の励ましに支えられて出産を
済ませた。母子ともに健康で、今さんは優しく抱っこしながら「きっとたくましい子に
なりますね」とほほ笑んだ。
当初の出産予定日を10日以上過ぎていた。11日の地震発生後は不安感から
おなかが張るなど予兆があった。陣痛が始まったのは12日午前3時ごろ。
「よりによってこんな時に…」。すぐに夫の車でかかりつけの病院に向かい、同4時すぎ
には分娩(ぶんべん)が始まった。
市内は停電中で真っ暗。病院内では胎児の心音を調べるモニターが使えず、暖房も
停止中で、今さんの頭に不安がよぎった。
ただ、そこは医師や看護師がフォロー。看護師が懐中電灯を照らし続け、モニターの
代わりに電池式の心音計を使用。新生児が低体温にならないようお湯を多く沸かしたり
タオルを何枚も重ねたりして、負担にならないよう工夫した。同5時38分、3310グラムの
男の子が産声を上げた。「この日に生まれてくる運命だったんでしょうね」と目を細める今さん。
名前はまだ決めていないが、元気で明るい子に育つような名前を考えるつもりだ。
男児を取り上げた同クリニックの小倉秀彦院長は「長い医師生活で初めての経験。
無事に出産を終えられてよかった」と話していた。
****2011/03/14 16:07 デーリー東北新聞社****
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▼画像 男児を優しい表情で抱っこする今己知さん=13日、八戸市の八戸クリニック
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