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東京電力福島第1原子力発電所1号機の事故は海外に大きな衝撃を与えている。日本の原発は世界的にみて最も安全に
設計されており、運用・管理も最高水準とされていた。それが米スリーマイル島原発、旧ソ連のチェルノブイリ原発に次ぐ炉心溶融
という最悪の事故に発展する懸念が出たことで、原発に対する信頼は大きく揺らぎそうだ。
ここ数年、原油高や気候変動問題を背景に、世界的に原発回帰の流れが強まっている。欧州ではかねて積極推進していた
フランスだけでなく、一時は新設を凍結していた英国や、地震が多発するイタリアなども推進に方針転換している。新興・途上国も
経済的判断などから原発新設を加速している。
過去のスリーマイルとチェルノブイリの事故後には世界的に原発見直しの機運が高まっており、今回の事故も各国に原発政策の
変更を迫る可能性が高い。特に、欧州では環境団体による反原発運動が根強いだけに、原発推進派は逆風にさらされそうだ。
事故があった原子炉は「沸騰水型原子炉」で、チェルノブイリやスリーマイルの原発とは異なるタイプ。黒鉛で中性子を減速する
チェルノブイリタイプより安全性は高いとされ、世界各国に広く普及している。
過去のふたつの原発の炉心溶融事故は運転員の誤操作などの人的ミスがかかわっており、運用面での管理を強化すれば再発
は防げると考えられていた。一方で今回は地震による衝撃が事故の引き金となり、原因は本質的に異なる。
地震は原発の最大のリスクのひとつとされ、日本の原発では世界最高水準の技術と施工で免震・制震対策が施されている。
にもかかわらず、炉心溶融の可能性がある事故を起こしたことで、世界の関係者に与える衝撃は大きい。
ソース(日本経済新聞)
URLリンク(www.nikkei.com)