10/10/25 20:26:32
男性として男女共同参画に関わっていると、時々、男性差別と思えるようなものが気になってくる。それは、レストランの女性料金
とか女性限定メニューである。なぜ男性というだけで料金が高かったり、食べられなかったりするのか。
私より大食で大酒飲みの女性はたくさんいる。なのに、食べ放題の店などでは、男性は女性より高い料金を払わされる。
私は、女性限定と銘打ったメニューがあれば、必ず注文してみることにしている。成功率は約半分で、2軒に1軒は、いくら粘っても
ノーと言われる。
女性を呼び込みたいからとか、女性の方が収入が低いなどいろいろ理由はつけられているが、結局は、偏見に基づく一種の差別
である。男性優遇システムは批判されるが、女性が優遇されるシステムは批判されることなく残り続ける。
ただ、これは、法的には全く問題がない。労働の世界や公的サービスの領域で差別があれば違法だが、自由社会では、誰に
いくらで売るかを決めるのは売り手の自由である。だから、アメリカで、有色人種入店お断りといった店を法的に取り締まることが
できずに、有色人差別がなかなかなくならなかったのだ。
女性の方も、安くてよいと喜んでばかりいられないのは、「女性は経済力がなくて当然」という意識を間接的に広めることになる
からだ。「レディーズセット、男性もどうぞ」という店ばかりになることを切に願っている。
ソース(東京新聞 10/21 夕刊1面 「放射線」 中央大教授・山田昌弘氏)