10/08/12 13:56:17
<JPモルガン・チェース銀行 シニアFXストラテジスト 棚瀬順哉氏>
前日からきょうにかけては、株価が下落する中でドルと円が上昇するリスク回避の際の典型的な値動きだった。
米指標でも明らかになっていたが、FRBが景気をかなり悲観的に見ていることが
明確になり、米景況感の悪化懸念が裏付けられた形だ。
米株は調整があってもおかしくなかった。7月から8月初旬にかけての上昇が顕著だったためだ。
当時から米指標は弱含みだったが、米企業決算が強かったこと、欧州のストレステストで
財政問題への懸念が後退したことで、センチメントが改善して調整が表面化するのを打ち消していた。
それが一巡した現在は、米景気の弱さだけが残り、そのタイミングでFRBが景気認識を後退させたということだろう。
中国景気の減速懸念や欧州景気の先行き不安など、全般的に世界経済に対する不透明感は
高まっており、投資家のリスク回避姿勢が強まっている。
当面は米指標の行方に注目している。
ドルは株と金利の動きによって反応が異なるため見通すのが難しいが、
指標の弱含みが続けば株価の下落と金利低下が続き、リスク回避的に円が上昇する展開が続くだろう。
向こう1カ月でドル/円は史上最安値の79円が視野に入ると見ている。
日本の円売り介入の可能性は低いと考えている。
G7が一貫して中国による為替操作を批判する中、その一員である日本が介入を実施するのは困難なことに加え、
欧米経済が低迷する中では、米国もユーロ圏も通貨安志向を強めているため、
ドルやユーロに対する円売り介入の合意を取りつけることが以前に比べて難しくなっている可能性もある。
日本が外為特会にすでに巨額の含み損を抱えていることも、
一段の為替リスクを取ることに当局が躊躇(ちゅうちょ)する十分な根拠になる。
日銀が追加金融緩和に踏みきる可能性は排除できない。
しかし、日米の短期金利差がほとんどゼロに近い状況では、緩和が円相場に与える影響は限定的だ。
過去に日本が量的緩和で当座預金を積み上げた際もドル/円は下げ止まらなかった。
<みずほ総研 シニアエコノミスト 武内浩二氏>
効果は一時的かもしれないが為替介入しか円高を止める手段はないのではないか。
諸外国からの批判というプレシャーはかかるとしても、円独歩高となり、
ドル/円が急ピッチで80円に接近すればスムージングオペなどの形で為替介入はありうる。
このような状況になる以前に、日銀は円安に誘導するようなオペが必要だった。
9日と10日に開かれた金融政策決定会合でそうした手段を講ずるべきだったのではないか。
日経平均は足元9100円台に下落しており、為替相場によっては9000円を割り込む可能性もあるだろう。
ソース ロイター 12日
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