07/02/28 12:30:15
つぎにクロノグラフ機構ですがご存知のとうりカムによってコントロールされる
構造になっています。このカムもレマニアのようないくらか厚みのあるものではなく
薄い板を安価なプレスで打ちぬきこれを3枚重ねてピンを打ち込んで一体化しています。
このためここがバラけることもあります。また、ここで頻発するのがカムの位置が
ずれて操作不能になるケースです。このカムをとめているねじは非常に細く
短く、その割に大きくそしてごく薄い頭が付いており頻繁に壊れます。
通常のクロノでカップリングクラッチ、トランスミッションホイールに当たる部分は
細い棒の両端にごく小さな歯車を切ったものと、その片側を保持するこれも
安価なプレスで抜いた板が代用しています。通常のクロノではドライビングホイールと
トランスミッションホイール、トランスミッションホイールとクロノグラフランナー
のかみ込み深さを微調整するしかけがありますが7750にそんな高級なものはありません。
そしてこの両端に歯車(というよりかな)を切った棒の一端は地板の穴石に入って
その上のかなが4番と常時かみ合い、反対側の一端がカップリングクラッチに相当する
板によって動かされそのすぐ下のかながランナーとかんだり離れたりします。
当然地板側ではこのかな棒のほぞが穴の中でまっすぐになったり斜めになったりします。
30分計の送りはスライディングギアを使わずクロノグラフランナーについた
ごく薄く細いGの字、あるいはへの字型のばねが30分計の伝え車をG、への字の
角でひっかけてまわし、リセットの際にはここが伝え車をこすって回ります。
このため頻繁にクロノグラフを使用するとこのばねがへたって30分計を
送らなくなったりするトラブルが頻発します、ものによっては新品のうちから
おかしいのもあります。このばねを修正しようにも周りに土手があり
ここにこすれてはなんにもなりませんので非常にやっかいです。