10/10/26 16:55:11 fTGipsS30
>>248 ブログから一部抜粋
> 7. 「虐待することによって脳が変わってしまう。それが証明されている」
> 「実は脳を見てしまうと、この人が虐待するかどうかわかる」「扁桃体と海馬が虐待を受けた人は小さくなる」
> 「扁桃体と海馬は感情を司る場所なので恐怖を感じなくなり、相手のイヤだとか
> 怖がっているという所も感じ無くなる」
<不正確な理解&未確定の研究に基づく決め付け&拡大解釈:
脳だけ見ても何かが言えるわけではないし、単純化は難しい>
虐待を受けた子供の側頭葉(厳密にはSTG)の灰白質体積が「増える」という報告が今年の
Neuroimage論文にありました。
URLリンク(www.ncbi.nlm.nih.gov)
URLリンク(www.ncbi.nlm.nih.gov)
一方、確かに虐待を受けると扁桃体と海馬の灰白質体積が減少するという研究は結構あるんですが、
今年に入ってから「帯状回と眼窩野」、「前頭前野内側部」に体積減少が見られたという研究も出ており、
「恐怖を感じなくなる」というような説明は正しくないものと考えられます。
URLリンク(www.ncbi.nlm.nih.gov)
ところで、「脳を見れば将来虐待するかどうかわかる」というのは同様の記事見出しで
日経メディカルにも載った2008年のPLoS ONE論文のことだと思うんですが、
URLリンク(www.ncbi.nlm.nih.gov)
まず「逆推論」の問題があり、おまけにMEG単体でそこまで決定的なことはまず言えません
(MEGはデータの個人差が非常に大きい)し、そもそも研究結果自体が
「赤ん坊の顔を見て嬉しくなっているかどうかがわかる」という程度の話なので、
これを将来の虐待可能性に結びつけるのはあまりにも無理があります。
URLリンク(viking-neurosci.sakura.ne.jp)