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有機ELテレビ、3月で日本撤退 ソニー「需要が一巡」
2010年2月16日3時2分
ソニーは、2007年12月に世界で初めて市場投入し、国内で1社だけ販売している
「有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビ」の国内出荷を、3月いっぱいで終える。
すでに生産は終了しており、ネットでの販売もとりやめた。
ソニーの撤退で、日本市場から有機ELテレビが消えることになる。
ソニーは撤退する直接の理由を「昨年4月施行の有害サイト規制法に基づき、
有害サイトの閲覧制限機能のないデジタル家電は今年4月以降出荷できなくなる。
有機ELテレビには、その機能を付けていない」と説明している。
閲覧制限機能を取り付けることも可能だが、
「有機ELテレビは発売から2年がたち、需要は一巡した」(広報担当者)と判断。
今後は手持ちの在庫分だけの販売となる。
ソニーは有機ELテレビを次世代の薄型テレビの「本命」と位置づけ、
07年12月に他社に先駆けて11型を発売。
最薄部が約3ミリという画面の薄さと映像の美しさが話題となった。
だが、11型で約20万円という価格は、同社の最新機種の40型液晶テレビが買えるほど割高。
米調査会社によると、世界累計販売台数は1万台以下という。
事業の採算が合わなかったことも、国内撤退を後押ししたもようだ。
ただ、有機ELテレビは「他社がまねできない、ソニーらしさの象徴」(ソニー幹部)。
北米や欧州、中南米など海外市場では販売を続け、研究開発も進める。