11/07/25 17:37:34.92
経済コラムマガジン
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山下俊一長崎大学教授という福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに対して、
グリーンピースなどの環境保護団体などが解任署名を集めている。
原因は山下教授が福島県の各地で「放射線は年間100ミリシーベルト、毎時なら10
マイクロシーベルトまでなら問題はない」とか「子供でもこの範囲なら、外で遊
んでも大丈夫」と説いて回っていることにある。たしかにAグループの学者のよう
に「1シーベルトでも健康被害がある」という主張と大きく隔たりがある。
教授は、WHO放射線プログラム専門科学官としてチェルノブイリ原発事故の調査も
行っているように、実践的な学者でもある。また原発事故の初期に放射性物質が
流れて行った所や、異常に高い放射線値を示す所からの避難を主張している。
つまり彼は「放射能を正しく恐れる」という立場である。このように教授は「低
線量の放射線ならむしろ健康に良い」といったCグループの学者ではなく、筆者の
分類では穏健なBグループの属している。
教授の言っていることは、ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告に沿ったもので
あり、別に変なものではない。しかし環境保護団体の目的は社会に反原発の雰囲
気を作り出すことである。そのためには福島の住人に放射能に対する不安や恐怖
感を持たせることが大事と考えるのだろう。それに対して「一定範囲の放射線は
大丈夫、安心して下さい」という教授の言葉は、彼等にとって邪魔なのである。
山下俊一教授は、被曝二世であり根拠ない差別で長い間苦しんだ一人と思われる。
今度は、福島の人々が同じ立場に立つと思うといたたまれないのであろう。しか
し反原発グループにとって、山下教授は最も目障りな存在と映ると筆者は見る。
つまり放射線防護に関する事項は、今日、もはや医学的な論争ではなく、まさに
政治闘争の種になっている。