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ファイナル行きの条件が最も厳しかった羽生結弦が、まさにそのファイナル進出を決めることができた。
ただ、4Tの着氷が乱れて転倒し、サーキュラーステップシークエンスでも転倒するなど、演技ではミスも目立った。
それでも、16才の羽生はシニアのトップ選手に与えられる評価を受けた。
ミスをしても、2つの豪快な3Aを含む他のジャンプを、次々と決めたからだ。
ロミオとジュリエットというプログラムで羽生が見せた情熱的な演技と
最後まで流れの途切れないスケートは、より表現力にあふれた選手たちに混ざっても見劣りはしなかった。
「すごく疲れました」「でも日本に良い報告を持ち帰る事ができて幸せです」
記者会見の席で、２度全日本ジュニア王者に輝いた羽生は言った。
羽生は運にも恵まれていた。
フリー１位のフェルナンデスにわずか0.03点差で優勝したのだ。
「もうビックリです」
と、初めてのファイナル進出を決めた羽生。
「まだ実感がわかないけれど、ファイナルでは自信を持ってベストを尽くしたいです」