10/09/21 15:21:56 Iud+gXuh0
>>767
明石の君は、変わり者の父親の生き様もあって、低い身分とされてるけど
父方は太政大臣を出す家柄で、母方は宮家でもあるんだよね。
厳しい父だけれど、両親仲むつまじく、たっぷり愛情を注いで
育てられている。
父方からは邪険にされ、母親や肉親との縁も薄い紫の上は
源氏しか頼る人がいないから、悲劇的でもあったんだよね。
物語の中でも、明石の上は、教養と品性と美貌は随一とされていて、
最終的に国母となる桐壺の女御の母として認められるし
その中宮・皇后となる娘が生んだ皇子や皇女のお世話も任されて、
紫の上亡き後の源氏を支え、六条邸の中心となっていく。
穏やかな晩年を迎えて、静かに亡くなるわけで、どっちが勝ち組なのかと。
初恋への執着込みで愛されていた紫の上については、女性としては
非常に悲しい人生であるとする訳者や学者も多いし、一概に負け組とか
くくれないけれど・・・でも紫式部は明石の君の姿こそ、女性として
理想の幸せを見出していたと思うけどね。