11/10/15 21:52:15.25
原価を構成する要素は大きく人件費と原材料費と付加価値に分かれる。
日本は円高だから世界共通の価値である原材料を割安で取得できる反面、
新興国と比べてもともとの最低賃金の額が高い(日本は東京でも一時間837円。タイでは
これからようやく一日800円に引き上げる)し、円高で他国の競合相手と比べると不利になる。
だから生産部門を海外へ移動してきた。
従来はノックダウン方式で部品や資材を日本で取得して生産地へ輸出する
方法を取ってたんだけど、そのコストを考えると「地産地消」した方が
安いっていうんでサプライチェーンにも海外転換を要求してきた。
つまりはわが国は貿易産業がGDPの大部分を占めており、国内での生産活動が活発で
それをアメリカを始めとしたTPP加盟国へ輸出するっていうビジネスモデルならば
賛成派の意見に耳を傾けてやらんことはないんだけど、
そうじゃなくて今企業が生産拠点を移動せざるを得ない弊害になってるのは
デフレ並びに円高だから関税がどうのこうのは筋違いなんだよ。
アメリカの失業率や預金率の高さを見ても今この時期のアメリカと
経済パートナーを結べると諸手を挙げて喜ぶ経営者連中がいることが
見識を疑う。
なぜならば経団連に加入できるような企業は国債にほんのわずかな
利率を付けるだけで起債できてそれを元手に海外戦略ができる
機会にあるはずなのにTPPの金融条項が適用されたらそんな
恵まれたチャンスをみすみす手放すことになるからだ。