11/08/16 19:40:54.17 発信元:218.102.38.82
夏といったら海で泳いで砂に埋まってスイカ割り、これが王道。そんな訳で俺はその日、仲間と一緒に近場の海まで遊びにきていた。
南国のように青く澄み切った海ではないけど、そこそこ綺麗で気持ち良い。俺達はまず水着に着替えて次々に海に飛び込み、遊びまくった。
泳ぐのが苦手なAだけは、そうそうに昼寝をし始めたみたいだが。
「そろそろスイカ割ろうぜ!」
俺の号令とともに、あらかじめ持参したスイカにバット、はちまきでスイカ割りが始まった。
ちなみにAはまだ寝ている。砂の中に埋まって頭だけ出している様は何とも間抜けだったが、熟睡しているようなので起こすのはやめておいた。
「んじゃまず俺からな!」
言い出しっぺが一番乗り、ということで俺ははちまきで目隠しをし、砂の上に立てたバットを軸に十回転。
良い感じに目が回ってきたところで、俺はギャラリーの声を頼りにスイカを目指す。
「そのまま真っ直ぐ!」「何言ってんだよもっと右だ!」「ああっ、過ぎた過ぎた!」「戻って!」「そこそこ!」
くそ、どいつもコイツも勝手な指示飛ばしやがって。
明らかに嘘言ってるやつもいるはずだ、さてスイカは一体どの辺だ?
よろけながら歩く俺の足に、不意に丸いものが当たった気がした。
そうだ、此処だ!
俺はバットを振りかぶる。ギャラリーの声も大きくなった。
ようし見てろ、物の見事に真っ二つにしてやる!一、二の、三!
ガツン!!
目隠しを取ると、バットには赤い汁が付いていた。
どうやら上手く割れたらしい、足下の球体は予想通りぱっくりと真っ二つになり、中身を露出させていた。