11/05/05 09:44:50.20 発信元:202.229.177.38
絶賛好評発売中
『連続殺人鬼カエル男』URLリンク(mobile.7netshopping.jp)
C)宝島社
179:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/05 10:36:41.10 発信元:111.86.142.203
店員「知らんモンは知らんわ! 言いがかりはヤメろや。」
高木「‥‥。」
180:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/05 16:38:25.33 発信元:202.253.96.244
ペニス一郎「ユッケ弁当ください!」
181:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/06 00:04:55.61 発信元:124.146.175.5
その時、高木の携帯が鳴った。発信者の名前を見て高木は驚いた。「増田―?」
電話にでる高木。かけてきたのは紛れもなく増田刑事であった。「増田、おまえ生きていたのか?」「勝手に殺さないでくださいよ、ふざけて便所でシラス食ってたら滑って転んで頭強打しただけっスよ、念のため一週間ほど入院っスけど‥‥」
―シラスは署の冷蔵庫にあった物らしい。弁当屋に言いがかりをつけてしまった高木は烏龍茶を買って誤魔化して署に帰って行った。
182:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/06 02:53:27.89 発信元:111.86.142.204
高木「増田のヤロウ‥、恥かかせやがって! 覚えてやがれ。」
183:公募
11/05/08 19:26:51.89 発信元:124.214.254.138
都内某所
スネ夫「最近調子こいてる有名人挙げてみろや! 気が向いたら処理してやるよ。」
184:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/08 20:56:30.02 発信元:110.163.225.161
ぺニス一郎かな
185:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 04:44:23.32 発信元:202.229.177.10
とぼとぼと署に向かって歩く高木が署に着く手前、目暮警部が後ろから慌てた顔で戻ってきた。「お、高木、事件だ!事件発生だ!」事件の一報を受けた目暮は食事もそこそこにスッ飛んで戻って来たのだ。
「事件ですか?」「そうだ!しらす殺人事件だ!」「あ、増田の件なら奴が勝手にコケただけですよ」「ハァ、増田の件?何を言っておる。つい今し方起きたばかりの殺人事件だ!」
なにやら、人騒がせな増田の件とは別に只ならぬ事件が起きたようだ。高木も目暮に釣られるように早足で捜査一課の詰所に戻った。
186:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 05:00:34.38 発信元:202.229.177.11
一課の捜査本部からの正式発表によると
殺されたのはタレントのRIKACO。全裸にされているものの陵辱の痕跡は無いが、肛門付近に火傷の痕があり、火薬反応が有った。顔面に見事な蜷局を巻いた大便が乗せてあり鑑識の結果、人糞である事が判明。
死因は頭部を貫通する傷痕。至近距離からの銃殺と考えられる。死体の傍らには『ざまみろ糞アマ』と書かれた犯行声明文が置かれていた。そして現場に大量の、しらすが落ちていたのだ。
187:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 06:59:17.10 発信元:124.146.175.47
目暮と高木は捜査の基本である現場に出向いた。肝心なのは初動捜査である。
高木は驚いた。殺人現場は先程、高木が難癖をつけてしまった弁当屋から目と鼻の先の場所だったのだ。
死体は既に片づけられていたが、何か手がかりがまだ残されていないか?目暮と高木は慎重に目を光らせた。―おや?あれは‥‥。目暮が何かに気がついた。
188:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 07:11:40.93 発信元:124.146.175.47
見つけたのは弁当の空容器だった。これは釜揚げしらす弁当に使用される物だ。
「被害者のRIKACOとかいう女は芸能人らしいがどんな人物なんだ?」芸能に疎い目暮は高木に尋ねた。
「背が高くて常に上から目線で調子こいた発言するイヤミな女ですね。顔も本人は美形とでも思っているようですが、皺だらけで性格の悪さが滲み出てるが如く醜く歪んだ卑しい不快極まりない面です」高木が正確に答えると「フン」と目暮は鼻を鳴らした。
189:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 11:18:59.30 発信元:210.136.161.12
その弁当屋に聞き込みをする目暮と高木。高木の顔を見て嫌な顔する店員に構わず質問を繰り出す目暮。
目暮警部「今日、釜揚げしらす弁当を売った人間わかりますかな?」
店員「みんなにススメてるけど買ってくれたのは2人だけですね。そのうちの1人は漫画家の松本零士さんですよ。間違いありません。」
190:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 12:41:05.98 発信元:111.86.142.203
目暮「なにぃ! 松本だぁ?」
高木「(何か‥悪い予感‥)」
目暮「高木‥」
高木「はい。」
目暮「松本零士を重要参考人として引っ張れ、今すぐに‥だ!」
191:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 16:37:14.80 発信元:202.229.177.28
松本零士は仕事部屋でウトウトしていた。昼飯後、ベッドに横になってマンガのアイデアなどを想像していたのだが、天日に干した布団の心地よさに少し眠ってしまっていたようだ。
そんな零士の午後の幸せなひとときを乱暴に階段を上がってくる足音と激しくドアを叩く音がブチ壊した。「―誰だ?いったい」
零士の疑問は来訪者の怒鳴り声で氷解した。「いるんだろ!松本零士!警察だぁ!」声の主はすぐ分かった。‥‥目暮の野郎だ。またろくでもないインネンを付けられるのだろうか?零士は露骨にうんざりした顔になり、腰をあげた。
192:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 23:12:55.48 発信元:111.86.142.203
目暮「居やがったか、このしらす野郎!」
松本零士「‥今度は何の用ですか‥」
目暮「お前、この近くの弁当屋でしらす弁当買っただろ!」
松本零士「それが‥どうか?」
高木「‥任意同行願います。」
193:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 03:55:53.94 発信元:124.146.174.161
一方、定休日だった鉄板焼店『boneーriver』の厨房では塩見味平が、せっせと仕込み作業をしていた。店の勝手口から1人の男が入ってきた。この店のオーナーである。
「今日は食材を確保できなかった。鶏ガラみたいな体で食肉には向かない代物だったし、ムカついたから顔に糞ひねっちゃったし‥‥。」入ってくるなり食材の調達係でもあるオーナーは言い訳っぽい口調で言った。
「大丈夫。在庫はたっぷりあるから」塩見味平は笑顔でオーナーに答えると、また黙々と仕込み作業に移った。
194:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 12:15:58.97 発信元:202.229.176.28
弁護士・成歩堂龍一にメールが届いた。発信者は漫画家の松本零士であった。
とある事情(前スレ参照)より、成歩堂は松本零士の顧問弁護士を引き受けていたのだ。松本が連絡をよこすのは大抵の場合、緊急事態だ。成歩堂はメールを読んだ。
『また目暮の野郎に、あらぬ疑いをかけられて連行された。至急、警察署まで助けに来て欲しい。松本零士』成歩堂龍一はため息を吐いた。成歩堂も目暮は大の苦手なのだ。だが、仕事なら仕方ない。成歩堂龍一は身支度を整え、警察署に向かった。
195:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 14:46:17.65 発信元:111.86.142.207
取調室
目暮「弁当屋で買ったしらすをどこへやった?」
松本零士「食べたに決まってるじゃないですか!」
目暮「ウソ付いてんじゃねぇ、吐け!」
松本零士「吐けと言われても‥もう消化‥」
目暮「俺はそう言うくだらんジョークが大嫌いなんだよ!」
196:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 18:28:29.60 発信元:202.229.176.56
「フン、漫画界の重鎮だの大御所だの言っても、あんな390円のシケた弁当食ってるようじゃ、生活苦しいんじゃないの?大先生よ。ヤマトと999以外たいしたの書いてないしなぁ」
目暮はわざと怒らせるような口調で零士を煽った。人間、腹を立てると口を滑らすものだ。しかし零士は目暮という男に心底あきれているのか何の反応もしなかった。
「生活苦でRIKACOに借金でも頼みに行ったんだろ!そしてアンタはヤマトと999しか描いてない才能枯れた年寄りに貸す金は無えよゴミ漫画家野郎!とかRIKACOに罵られてカッとなって殺した!違うか?」目暮はいつもの勝手な創作推理を零士にぶつけた。
197:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 22:13:46.98 発信元:202.229.176.53
松本零士「RIKACOなんてのに会った事も無いし、金に困ってもいないし、昼飯に何を食おうが勝手じゃないですかな?」
目暮警部「死体のそばに大量のしらすとしらす弁当が入っていたと思われる容器が落ちていたんだ。それをどう説明する?」
松本零士「‥‥現場の近くの弁当屋でしらす弁当と買ったというだけで何で疑われなきゃならんのだ?」
198:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/11 08:33:56.30 発信元:210.153.84.201
高木刑事「松本さん。大事な事だから正確に答えて欲しいのですが、釜揚げしらす弁当はどこで食べて、弁当の容器はどうしました?」
松本零士「ん?弁当は仕事場で食ったよ。さっきアンタらに連行された場所だ。容器はゴミ袋に入れたな。まだ仕事場にあるんじゃないか?」
目暮警部「高木、何でそんな事を聞く?‥‥‥あ!」目暮はある『見落とし』に気づく。
199:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/11 10:12:06.59 発信元:202.229.176.32
「ほっともっとで、のり弁を買うとソースが付いてくるが、オリジンで、のり弁を買うと醤油が付くんだ。」目暮は何かを思いだしたように喋りだした。
「白身魚のフライなら普通は醤油だろ?ソースを付けてよこすほっともっとは納得がいかん。海苔の下のカツオ節もオリジンのは見事な削り節なのに、ほっともっとのは佃煮みたいに妙にしょっぱい落第点のカツオ節だ。ありゃ駄目だ!」
目暮警部は味はほっともっとよりオリジン弁当の方が上と見ているようだ。「まぁ、そんな事はどうでもいい、本題に入る‥‥。」目暮は捜査上での疑問点を語り始める。
200:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/11 21:17:13.07 発信元:124.146.175.9
「もし、あんたの言うように、弁当の空容器が仕事場に残っていれば、あんたの容疑は晴れる。今、捜査員をあんたの仕事場に向かわせた」目暮は松本零士に苦々しい口調で言った。
犯人は空容器を現場に残して立ち去っている。零士の仕事場からしらす弁当の空容器が見つかれば犯人は零士とは考えにくい‥‥‥
取り調べ室のドアが開き、入ってきた婦警が目暮に耳打ちした。「弁護士の成歩堂先生がお見えになってます‥‥。」
201:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 04:00:23.73 発信元:210.153.84.202
目暮警部「弁護士が来たみたいだ。まぁ、今日のところは、このくらいで勘弁してやろう‥‥。」
松本零士「なんでこの局面でそんな強い事言えんだよ。どう見ても俺、犯人じゃないだろ?」
目暮警部「いや、弁当の容器を2つ使ったトリックの可能性もある‥‥。」
202:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 05:35:29.62 発信元:124.146.175.10
松本零士の仕事場に向かった捜査員は零士の仕事場のゴミ袋から空の弁当容器を発見した。
「‥やれやれ、松本零士さんも気の毒な話だ。あの警部、少しおかしいからな。でもまぁ、これで松本零士の嫌疑は晴れたな‥」
と、捜査員はひとりごとを言うと、その足で弁当屋に向かった。釜揚げしらす弁当を買ったというもう1人の人物が気になったのだ。
203:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 12:01:35.11 発信元:210.136.161.12
捜査員「松本零士氏以外で釜揚げしらす弁当を買った人物について分かりませんか?」
店員「あぁ、防犯カメラ調べたら写ってましたよ。この人です。URLリンク(imepic.jp)」
捜査員「‥‥こ、これは!?」
204:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 15:50:52.87 発信元:111.86.142.208
♪~♪(ケータイ着信音)
目暮「目暮だ、何か解ったか?」
捜査員「松本さんの仕事場から空弁当箱が発見されました!」
目暮「で?」
捜査員「で?‥って‥。」
目暮「しらす弁当の空弁当箱だったのかと聞いているんだ!」
捜査員「それは‥‥」
目暮「確認してからもう一度電話しろ! プチ」
205:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 16:21:23.90 発信元:202.229.176.12
~第5章~
連続殺人鬼カエル男・再び
206:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 19:14:38.41 発信元:124.146.175.34
某日。午後7時。目暮警部はトリック博士邸に来ていた。「博士、また博士にご迷惑をおかけしました。弁護士の成歩堂は、告訴も検討する、なんていつになく強気で‥‥。」
先の釜揚げしらす弁当殺人事件での松本零士氏に対する不当な取り調べで目暮は糾弾されたのだ。それを陰から尽力し、丸く収めてくれたのはトリック博士だった。
「ホッホッホ、また松本零士氏絡みですか?目暮さん。あんまり何回も続きますと庇いきれませんぞ。ホッホッホ」出来の悪い弟子に少し呆れるように、且つ、愉快そうにトリック博士はいつものように笑った。
207:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 20:33:14.13 発信元:202.229.177.15
後日、目暮警部は埼玉県飯能市に向かう事になった。埼玉県警からの応援依頼があったのだ。
埼玉県飯能市で昨年末に発生した連続猟奇殺人事件、いわゆるカエル男事件に関する事のようだ。
この事件の犯人はすでに逮捕されている。しかし犯人逮捕後もカエル男の手口と同様の殺人事件が飯能市で起きているのだ。異常殺人鬼対策として目暮警部が飯能署から指名されたようである。
208:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 21:10:17.07 発信元:202.229.177.63
電車を乗り継ぎ、飯能へ向かう目暮警部。飯能へは色々な行き方があるが、目暮はいったん大宮まで出た。そこから川越線で高麗川まで行き、八高線で一駅下がれば飯能署の最寄り駅東飯能に着く。
「ん?あれは‥‥」川越線の車内で目暮は見知った顔を見た。探偵の神宮寺三郎だ。『(ヤツが一体、何でこんなとこに?)』
神宮寺も目暮の視線に気づいた。座っていた神宮寺は立ち上がり、目暮に近づいてきた。
209:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 23:43:15.67 発信元:124.146.174.130
「目暮さんじゃないですか、どうしてこんな所に?」神宮寺の方から声をかけてきた事に少し戸惑いながらも
「それは、こっちの台詞だよ。新宿界隈がホームグラウンドの筈の君が何故、川越線なんぞに乗ってるだね」と目暮は返す。
お互い、相手の出方を探ってる様子を見せるが、先に目暮が打ち明ける「とある事件で応援要請が来てな、飯能署の方に行くんだよ‥‥。」
210:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 00:25:58.30 発信元:111.86.142.198
神宮寺三郎「カエル男事件‥ですかな?」
目暮「サスガは探偵サン‥と、言いたいところだが‥。」
神宮寺三郎「‥そうなんでしょw」
211:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 01:14:50.03 発信元:202.229.177.33
「どうやら、ターゲットは一緒みたいですね、目暮警部殿。」神宮寺は屈託なく笑いながら言う。
「またまた。刑事事件に首を突っ込んでも一銭にもならんだろ。探偵は浮気調査や人捜しでもしてりゃいいんだ。」私立探偵なんて輩が警察の領域を侵犯するなといった調子で目暮は神宮寺を牽制した。
「それは偏見という物でしょう。私の行動理念は第1に好奇心でしてね。解決した筈のカエル男事件がまた動き出している事の真相。実に興味深い。」クールな神宮寺が今日はよく喋る。彼のこの事件に対する興味は相当大きいようだと、目暮は思った。
212:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 08:04:21.19 発信元:210.136.161.9
神宮寺「目暮さん、しばらく飯能でしょ?宿はどうするんです?」
目暮警部「今回はオレ1人だから、ま、適当に警察署の仮眠室でも構わんし。神宮寺君はどうするんだね?」
神宮寺「長期戦も視野に入れてますんでね、越生のあたりでレオパレスをマンスリー(月極)で借りました」
213:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 08:23:43.65 発信元:202.229.176.58
電車は南古谷を過ぎた。もうすぐ川越だ。神宮寺が目暮に1つ『提案』を出した。
「警察でしか知り得ない情報もあるでしょうが、相手が警察官だと警戒して何も喋らない輩もいる。どうです、日々の調査で知り得た情報はお互い共有するというのは」
「フン」目暮は鼻を鳴らす。本来ならそんな提案に乗る目暮では無いが、神宮寺の洞察力や行動力、利用しない手は無い。「まぁ、当然話せる範囲内の情報になるが、よかろう」目暮は快く応じた。
214:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 08:46:59.12 発信元:202.229.176.44
ここで一応『カエル男』事件の概要をおさらいしておこう。埼玉県飯能市で去年暮れ、わずか半月の間に4人もの人間が殺された事件だ。
郊外の空き部屋の目立つ高層マンションでOLが全裸で13階のエントランスに吊され、自動車解体で自治会長の老人が廃車のトランクで潰され、公園で小学生男児が内臓から脳味噌までを解剖され、河川敷で弁護士が焼かれて殺された。
『吊す』『潰す』『解剖する』『焼く』まるでカエルを弄ぶ子供のように殺人を繰り返す犯人を世間はカエル男と名付け、飯能市のみならず日本中を震撼させた記憶に新しい事件である。
215:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 09:03:41.86 発信元:202.229.176.46
犯人『カエル男』は無事逮捕され、事件は解決した筈であったが、その後も猟奇殺人が続いているのだ。
模倣犯なのか?カエル男の意思を継ぐ者の犯行なのか?
お洒落殺人鬼スネ夫という異常殺人者を永きに渡って追っている目暮警部にうってつけの事件だという事で、この『続・カエル男事件』の指揮を目暮が取る事になったのである。
216:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 15:23:13.34 発信元:124.146.175.14
川越線は終点の高麗川に到着した。ここから目暮は八高線で八王子方面に1駅南下して東飯能に向かう事になる。越生に向かう神宮寺とはここで一旦、お別れだ。
神宮寺は目暮にメモを渡した。神宮寺が滞在するマンスリーアパートの略図が書かれていた。越生駅から徒歩12~13分の場所のようだ。
神宮寺と別れ、目暮は八高線で東飯能に着いた。「よし、行くか‥‥」目暮は飯能署に向かって歩き出した。失点続きの目暮は、是が非でも、この飯能の案件は解決させる心積もりであった。最近忘れかけていた警察官魂を飯能の地で取り戻すが如く――。
217:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/14 06:32:57.16 発信元:124.146.174.132
飯能署に着いた目暮を古手川という若い刑事が迎えた。古手川は埼玉県警から飯能署に出向してる身で所属は飯能署では無いらしいが、カエル男を逮捕した人物である。
「はじめまして目暮警部。遠いとこ御苦労様っス、目暮警部の噂は茫々で聞かされますよ。お会いできて光栄っス」少し小馬鹿にされたように目暮は感じたが、目暮も古手川の事は本署の方で聞いていた。若くて鼻っ柱が強い野心家気質な男だそうだが‥‥
「噂と言ってもろくな噂じゃあるまい。まぁ、共に事件解決に向けて頑張ろう。」目暮は古手川と握手をし、捜査の現在の進展状況を聞く事にした。
218:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/14 17:18:13.99 発信元:202.229.176.31
古手川刑事から事件の詳細を聞いたが、ここに来るまでの下調べで既に知り得たいた情報の羅列に過ぎなかった。
「腹、減ったな‥‥」目暮の空腹もピークをむかえた。目暮という男は腹が空きすぎると思考力がゼロになるのだ。
「飯にしよう、飯に!この辺で美味い物食わす店があったら連れて行ってくれ」どこに来ても本能の動物、目暮警部であった。
219:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/15 07:00:59.79 発信元:111.86.142.200
目暮「飯能には確かプリンスホテルがあったな。」
古手川「名前だけ‥のね。 西武ホールディングスのお荷物ですよ、アソコは。」
220:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/15 10:03:18.60 発信元:111.86.142.199
古手川「‥近くの川越プリンスホテルはしっかり集客出来てるのに‥ね。」
目暮「‥‥。」
古手川「とにかく、飯能プリンス内のレストランはオススメ出来ませんが。」
221:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/17 22:15:02.64 発信元:124.146.175.7
古手川刑事は目暮警部を乗せて車を走らせた。車は山間部を抜け、飯能市に隣接する比企郡ときがわ町に入った。
ときがわ町―旧玉川村と都幾川村が合併してできた長閑な町だ。車は五明の信号を左折し県道30号を走り、一軒の蕎麦屋の前に着いた。看板が出ていなければ普通の一軒家にしか見えない外観だが、ここは知る人ぞ知る手打ち蕎麦の名店なのだ。
「着きましたよ、警部」「ほう、こりゃ楽しみだ」
222:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/18 11:01:16.55 発信元:124.146.175.34
店に入るなり目暮は二・八蕎麦を注文した。「へぇ‥‥」古手川は少し感心したように目暮を見た。
「なんだ?」「いや、大抵の人は手打ち蕎麦の店に来るとツウぶって十割蕎麦を注文するんですがね。蕎麦の風味のみを堪能するには十割蕎麦が1番ですが、蕎麦という食べ物としてベストなのは二・八蕎麦なんです。さすが警部、わかってらっしゃる‥‥。」
「フン」目暮は鼻をならした。若僧の講釈など聞きたくないといった様子だ。古手川も二・八蕎麦を注文した。
223:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/18 18:06:45.84 発信元:202.229.176.59
「うん、美味いっ!」目暮と古手川は蕎麦を完食し蕎麦湯まで飲み干し、満足気に店を出た。
「せっかくときがわまで来たんだ。とうふ工房へ行こう。」と目暮。確かに蕎麦を食って帰るだけでは無駄な遠出だ。
「さすが目暮警部、とうふ工房わた○べを御存知とは‥‥」2人は車に乗り込み、とうふ工房わた○べへ向かった。同じときがわ町でも、とうふ工房は旧玉川村の方なので少し距離があるが、それでも行く価値はある。
224:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/18 21:05:11.70 発信元:202.229.177.62
車はとうふ工房に到着する。同じときがわ町でも山間部の旧都幾川村エリアに比べ旧玉川村エリアのここは東松山市に隣接し、街に近い。R254も目と鼻の先である。
「おーっ、ここまで来るんだったら254号線に中華の千円食い放題ランチもあったし、254を北上して小川町に行けば、もつ煮込みの、○浦食堂も有ったのにィーっ!」今更気づいても、もう昼飯は食い終わってる。
「まぁまぁ警部、それは後日のお楽しみという事で、とうふ工房といえばアレですよね」古手川の目が光る。この古手川という男、目暮と相性が良さそうである。
225:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/19 12:17:09.18 発信元:111.86.142.208
ひとまず警視庁‥
増田刑事「ど~も~、ご迷惑をおかけしました‥、本日より復帰します!」
高木刑事「‥‥。」
増田刑事「無視‥ですか?」
高木刑事「見に覚えは無いとは言わせんが。」
増田刑事「その件は‥‥、ゴメンナサイ。 で、警部は?」
高木刑事「飯能の連続殺人事件の応援に行ってるよ。 どうせムコウの刑事サンに美味いメシでもたかっているんだろうけどな。」
増田刑事「それでも何だかんだ言って犯人を検挙しちゃうんだから大したモンですよ‥ね。」
高木刑事「それが無かったらただのバカだよ‥。」
226:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/19 17:42:43.12 発信元:202.229.177.48
「ヘックショィ!」目暮はコントみたいなくしゃみをした。「誰かうわさしてるな‥‥。」
しかし古手川はそんな目暮を気にする様子も無く、とうふ工房名物『豆乳ソフトクリーム』を購入していた。目暮も「まず、これを食わんとな」と豆乳ソフトクリームを購入した。
「うん、美味いっ!最高のデザートだな。」目暮は歓喜の声をあげた。「とうふ工房の楽しみはこれだけじゃありませんよ」と古手川。無論、目暮もそんな事は百も承知だ。
227:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/19 19:52:03.79 発信元:202.229.177.20
「ここに来たら、おからドーナツは必須アイテムだ!」「さすが警部!」目暮と古手川は店前のベンチで豆乳ソフトクリームを堪能すると店内に突入した。
2人の目当ては『おからドーナツ』ヘルシー思考の昨今、おからドーナツ自体は珍しいものでは無いかもしれないが、ここのおからドーナツは超絶品なのだ。
当然とうふ工房店内にはドーナツに限らず、豆腐や油揚げなども売っている。「これは神宮寺にお土産にしよう」目暮は今夜訪ねる予定の神宮寺の滞在するアパートに持って行く土産におぼろ豆腐をチョイスした。
228:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/20 11:19:37.46 発信元:124.146.175.8
「おぼろ豆腐は傷みやすいので要冷蔵でお願いします。」店員さんの言葉に頷く目暮。夜まで署の冷蔵庫に保管するとしよう。
目暮と古手川は、おからドーナツを今食べる分と仕事中のおやつの分と夜帰ってから食う分と大量に購入し、とうふ工房をあとにした。
「重要事件の捜査中なのに少し、のんびりしちゃったなぁ」「まぁ警部、明日からは本格的に事件の指揮をお願いします。警部は今日初日ですからね。実際、事件は現在動きが無いんです」目暮と古手川は署に戻る車の中で語り合った。
229:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/21 20:29:18.47 発信元:124.146.175.41
夜になった。捜査は特に進展は無かった。大事な局面ならば詰め所に泊まり込んで何時でも飛び出せる態勢を取る目暮だが今夜は神宮寺の滞在するウイークリーアパートに行く事にした。
昼に買ったおぼろ豆腐は冷蔵庫に入れておいたのでバッチリだ。これとおからドーナツを土産に神宮寺のアパートを訪ねる。
越生駅から十数分の所に神宮寺の滞在するアパートは有った。103号室のインターフォンを押す。来訪の理由は『情報交換』であったが、実は目暮には今日は成果らしい成果は無いのであったが‥‥。
230:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/22 00:24:30.05 発信元:210.136.161.14
目暮「おーいジンちゃん開けてくれ目暮だ!」
インターフォンで反応が無いので強くドアをノックする目暮
神宮寺「もぉ、騒がないでくださいよ、近所迷惑でしょ」神宮寺がドアを開けて目暮を中に入れる。神宮寺は音楽を聴いていてインターフォンに気づかなかった様子だ。
目暮「早速、情報交換と行こうじゃないか」
231:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/22 00:28:31.92 発信元:210.136.161.13
目暮「お、中々良い部屋じゃないか」
神宮寺「ま、家具家電付きなんで色々持ってくる手間が省けましたし、パソコンが完備してるのも良かったですよ」
目暮「これは手土産だ。」目暮はとうふ工房で買ったおぼろ豆腐とおからドーナツを出した。
232:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/22 12:45:39.45 発信元:124.214.254.138
神宮寺「これはどうも・・」
233:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/22 21:12:16.33 発信元:210.136.161.15
神宮寺「では、まずそちらから、今日の成果を報告願います。」
目暮「今日は昼は手打ち蕎麦を食ってな、なかなかの物だった。その後に前から行きたかったとうふ工房へ行ってソフトクリーム食って買い物した。そんなとこだ。」
神宮寺「‥‥‥‥。」
234:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 04:24:08.90 発信元:111.86.142.200
神宮寺「その続きは‥無いんですか?」
目暮「無い!」
235:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 12:31:33.49 発信元:202.229.177.41
「まぁ、こっち来たばかりだし、犯人側の動きも無いし、まだ、こんなとこだよ‥‥。」目暮は言い訳がましく呟いた。
「昼飯と言えば―」神宮寺が喋り出す。「この辺はろくに店も無いんですよ、越生駅前に1軒だけ中華屋があるんですが、ふざけた事に定食が無いんですよ。だから肉ピーマン炒め単品とライス単品を頼んだら、1100円もかかりましたよ」神宮寺は涙ながらに語った。
「セコい事言うなよ‥‥。」目暮は神宮寺の方も不毛な1日だった事を彼の言葉から悟った。
236:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 20:44:19.87 発信元:220.157.225.76
そんな不毛な一日にの終わりには必ずと言っていいほど山田うどんへ立ち寄る目暮警部だったが
きょうは「ななまるうどん」に行くことにした、カーナビを見ながら車を運転してると気になる店があった
丸亀製麺である、目暮警部は急成長中のチェーン店であるその店に停車した。
237:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 21:20:39.24 発信元:202.229.176.38
「あれ?車で動いてる事になってるのか?」目暮は今夜は神宮寺のアパートに泊まる予定だったが、車で動いてる設定ならば今夜は家まで帰る事にした。
車は飯能署の常勤職員の物を借りたのだ。今夜はおぼろ豆腐をつまみに神宮寺と飲むつもりだった目暮の行動は支離滅裂になった。
「車、朝早く返さんといかんし、明日は早くから出ないとな……。しかし訳わからん行動だ…。」目暮はとりあえずリレー小説のルールに沿って今夜は車で帰宅した。目暮は「それからageないでくれ…」と独り言を呟いた。
238:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 21:51:06.33 発信元:202.229.177.45
次の朝、目暮は飯能署の誰よりも早く出勤した。守衛の警備員が「警部さん、早いですね」と目暮に声をかける。目暮は珈琲を淹れながら「渋滞は嫌いなもんでね」と返した。
事件の方は大きな動きは無い。が、突如大きく動く事もある。目暮は『続・カエル男事件』対策本部長の椅子に座り珈琲を啜る。
飯能署員たちも次々出勤して来た。古手川たち埼玉県警の面子も続々出勤してくる。目暮の勝負の1日が始まろうとしていた。
239:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/24 13:13:43.79 発信元:124.146.175.17
意気込んで捜査に当たる目暮であったが、事件に動きも無く、朝が早かった反動で猛烈な眠気が目暮を襲った。
さすがに居眠りをする訳にはいかないので必死に睡魔と闘う目暮。気がつくと昼になっていた。グウーと腹が鳴る。
「腹減った。飯にしよう。飯に」目暮は古手川刑事と共に『出動』した。
240:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/25 16:19:56.55 発信元:124.146.175.2
古手川は目暮を乗せ、車を走らせる。車は山間部を抜け、街らしい景色に変わる。
「よし、今日は中華バイキングにしよう」目暮は意気揚々と言う。「254沿いでしたよね?」古手川が確認し、目暮は「イエス」と返す。
車は東松山市に入った。昨日立ち寄ったとうふ工房より、飯能署から見れば少し先になる。「まぁ、行動範囲内だな。近い近い」近いと言っても車で30分ほど走る。昼飯を食いに行くには遠出と言えなくもない。
241:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/26 15:54:05.81 発信元:211.13.138.21
40分ほど走ったところで目暮は気が変わったのか古手川に引き返すように指示した
古手川はなにか気になることでもあるのかと聞くと目暮は「やっぱり山田うどんにしよう」と
たのしげに言うのであった。しぶしぶユーターンする古手川であったがよくあることなので気にはとめなかった
242:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/26 16:09:22.11 発信元:202.229.176.35
まだ目暮と接して2日目の古手川がどうして「いつもの事」と思ったのか不思議だが、古手川は上官の命令に従い車を山田うどんに向けた。
「参加するのはいいけど、せめて章の頭ぐらいからは目を通してから来るのが礼儀だよな」目暮は誰に言うでも無い独り言を呟いた。
車は山田うどんの駐車場に入る。目暮と古手川は車を降り店内に向かう。「ある程度、ここの独特なノリを理解してる者専用のスレなんでね、ageられるのは迷惑なんだ、せめてsageてくれ」目暮はまた独り言を呟いた。
243:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/26 16:27:14.31 発信元:111.86.142.197
フン フン フン♪
「あれ~、警部じゃないっスか!」
目暮「‥‥‥本当にアンタとは腐れ縁のようだな。」
やはりと言うか‥、船越英一郎がまたもや出没した瞬間だった。
244:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/26 16:32:57.35 発信元:111.86.142.200
古手川「警部‥、あの人はタレントの船越英一郎サン‥ですか?」
目暮「‥そうだよ。」
245:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/27 11:36:46.52 発信元:122.249.171.240
船越英一サスペンスドラマの帝王で2001年に松居一代と結婚。船越は初婚だったが、
松居は再婚で連れ子もいたため話題になった。しかし、結婚後は夫婦仲・親子仲の円満さが伝えられ、
バラエティ番組出演の際なども、家族の話題が取り上げられることが非常に多い。
2時間ドラマへの出演が顕著で、在京民放5局の2時間ドラマ全てに主演作品がある唯一の俳優と言われる。
その出演回数の多さから「2時間ドラマの帝王」や「サスペンスドラマの帝王」、「ミスター2時間ドラマ.
などの異名を持つ。2時間ドラマの初主演は、2003年『火災調査官・紅蓮次郎』であったが、その時点で膨大な数の
準主演作(主にヒロインのパートナー役)があり、すでにミスター2時間ドラマであった。また、物語のクライマックスでは
崖に犯人を追い詰める(追い詰められる)シーンが多いため、崖のロケが多くバラエティー番組などではしばしネタにされる。
趣味はアニメビデオの収集や漫画。CS放送フジテレビ721の『週刊少年「」』にも出演。番組の初回で取り上げた「ジョジョの奇妙な冒険」の
ような連載が長期に亘るシリーズ作品に関しても、精通ぶりを披露し視聴者を驚かせる。特に荒木飛呂彦の回に関しては、
シリーズ第六部終了直後ということもあり、作者自身が今後の展開を初めて公に語る貴重な機会として注目度が高かった。郎はご存知のとおり
246:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/27 20:12:59.87 発信元:111.86.142.201
古手川「‥‥とまぁ、こんなモンですかね。」
目暮「よくもまぁ、知ってるモンだな。」
古手川「実は‥ファンなんです。」
247:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/28 02:59:53.31 発信元:210.136.161.15
店員「ご注文は?」
目暮「アジフライセット、蕎麦で」
古手川「パンチセット、蕎麦で」
248:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/28 14:12:01.66 発信元:111.86.142.208
船越「僕は、餃子とチャーハン、ポテトサラダにビール‥‥いわゆるいつものヤツで。」
249:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/30 15:35:54.03 発信元:111.86.142.204
店員「はぁ? 常連ぶるんじゃねーよ、オッサン!」
船越「俺が山田に来たらコレしかねーだろ!」
店員「私はアンタを見るのは初めてなんだが!」
250:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/30 15:38:11.61 発信元:111.86.142.203
古手川「(小声で)かなり態度のデカい店員ですねぇ‥。」
目暮「船越のオッサンの言動にも問題アリだな。」
251:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 02:01:06.48 発信元:111.86.142.201
とにもかくにも3人の頼んだものが出揃った‥‥、餃子以外。
船越「まぁ、いつものこっちゃ。」
252:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 02:05:58.60 発信元:111.86.142.203
目暮「で‥英ちゃん、今日は何でここに?」
船越「ドラマのロケでね‥、自分で言うのもナンですが、これでも売れっ子俳優なんでね。」
目暮「ハイハイ。」
253:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 12:21:09.50 発信元:111.86.142.204
古手川「今度はどんなドラマを‥」
船越「僕が刑事役で、連続殺人鬼を追い掛けるストーリーなんだ。 話のベースはこの本なんだけどね。」
つ【>>178】
254:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 13:44:28.41 発信元:202.229.177.47
山田うどんでの楽しい食事が済み、船越英一郎と別れた目暮と古手川は飯能署に戻った。
「‥‥。しかし、山田うどんに行くと必ず現れる船越英一郎って一体‥‥。」目暮は今さらになって不思議に思った。
午後から、本部長である目暮と埼玉県警の古手川刑事、そして飯能署の署長の三人が雛壇に陣取り、捜査会議が開かれたが、捜査員から新たな新事実の報告も無く、犯人側の直接的な動きも見られず、本日も進展無く日は暮れた。
255:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 15:50:42.44 発信元:202.229.177.51
夜になった。事件の展開次第では1週間でも半月でも警察署に泊まり込んで捜査に取り組むつもりで乗り込んでいる目暮であったが、今日もこれといった動きは無かった。
目暮は八高線で神宮寺の滞在するアパートへ向かった。情報交換がてら、神宮寺のとこで晩酌をし、泊まる予定だ。
昨夜はおぼろ豆腐を持参したが、神宮寺のとこにある酒は洋酒ばかりであった。おぼろ豆腐はどちらかというと日本酒向きだ。目暮は今日は道中の個人経営の肉屋で手羽先と唐揚げを購入して神宮寺のもとを訪問した。
256:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/01 01:33:17.32 発信元:111.86.142.201
神宮寺「あれ‥‥またですか?」
目暮「悪いか?」
神宮寺「来る時は連絡して下さいよ!」
明らかにウザったそうな神宮寺の態度だった。
257:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 00:11:24.10 発信元:202.229.177.8
神宮寺「では情報交換といきますか。」
目暮「今日は中華の千円食い放題の店に行きたかったんだが、結局山田うどんに行って、俺はアジフライセットを食った。終わり」
神宮寺「‥‥‥。」
258:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 00:18:39.87 発信元:202.229.176.7
「まぁ、確かに犯人側の動きが全く止まってますからね‥‥。仕方ないと言えば仕方ないですかね」神宮寺はコーヒーを淹れて目暮に出した。
「家具・家電付きと言っても、コーヒーメーカーまで付いて無いんだろ?わざわざ持って来たのか?コーヒーメーカー」目暮は神宮寺の部屋にコーヒーメーカーが有る事に気づき、神宮寺に聞いた。
「酒と煙草と珈琲はハードボイルドには欠かせませんからね。そうですよ、新宿の事務所のヤツを持ってきたんです」神宮寺は自分のこだわりを少し誇らしげに語った。
259:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 00:58:13.03 発信元:210.136.161.14
神宮寺「音楽はJazzを部屋にいる時はずっと流しっぱなしです」
目暮「(そんなこと好きにしてくれ)ほう、それもハードボイルドなのかね?」
神宮寺「いえ、カッコ良さの演出です」
260:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 01:00:48.07 発信元:202.229.177.12
「しかし越生駅の周りは何もありません。食い物とかには難儀しますよ。」神宮寺はボヤキ気味に続ける。「一応、越生線の終着駅だと言うのに、この寂れ具合は何なんでしょうね?」
その問いに対しては目暮には明確な回答が出せた。「それはジンちゃんが新宿の街中で生きてるからこその考え方だよ。確かに終着駅ってのはターミナル駅のイメージがあるから、そこそこ大きな駅って印象を持つんだろうけど‥‥
ある程度、田舎の方では終着駅ってのは、これ以上先に線路を伸ばしても意味が無いっていう、文字通りの終点を終着駅と称するもんなんだ」目暮も都会暮らしだが、妙に悟ったような語り口で神宮寺に返す。
261:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 03:00:29.45 発信元:111.86.142.203
目暮「‥まぁ食え。」
目暮は先ほど調達した手羽先と唐揚げを神宮寺に差し出した。
262:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 22:22:51.66 発信元:120.51.152.245
神宮寺「いらねー!」
目暮「え?」
神宮寺「メシ食ったばっかだ。」
263:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 00:50:50.38 発信元:202.229.177.68
「なんて言う訳ないでしょ、いつもすいません。」神宮寺はグラスと氷を出した。そもそも唐揚げと手羽先は飯代わりに持参したのでは無い。
「流れを読めない奴が混じったみたいだが、またシベリアに人が集まって来たのかね?」目暮は飲み終えたコーヒーのマグカップを流しに運びながら呟いた。
「あ、片づけはやりますから置いといてくださいよ。参加は自由だけどageないで欲しいものですね‥‥。」目暮の独り言みたいな呟きに、神宮寺も独り言みたいな返しをした。
264:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 05:26:50.16 発信元:210.153.84.202
神宮寺「昨夜持って来てくれたおぼろ豆腐もまだありますよ」
目暮「おぅ、いいね、揚げ物ばかりじゃ味気ない‥‥。」
神宮寺のアパートにはウィスキー、ジン、ウオッカ等に紛れて焼酎もあった。
265:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 05:31:31.82 発信元:210.153.84.202
神宮寺「酒もね、こっちじゃあまり揃わないんで新宿の事務所から持って来たんですよ」
目暮「‥‥オレは焼酎をもらおうかな、酎ハイがいいかな‥‥。」
神宮寺「焼酎を飲むなら『神宮寺スペシャル』は如何ですか?焼酎をはっさくジュースで割る飲み方です‥‥。」
266:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 19:58:21.62 発信元:61.125.226.206
したたか酔った一行は締めくくりにラーメンを食べることにした。千鳥足でふらふら行くうちにはなまるうどんを見つけた。
うどんに目が無い目暮警部はここにしようと言うが神宮寺がやっぱり山田うどんじゃなきゃ嫌だと言うので
温厚な目暮警部は同意してタクシーを拾おうとした。
267:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 20:23:57.27 発信元:111.86.142.208
しかし、タクシーは姿を見せなかった。
268:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 21:20:01.97 発信元:61.125.226.206
神宮寺は通りがかった車を制止させ警察手帳をみせ急用であることを告げ目暮警部と後部座席に乗り込んだ
運転手に山田うどんがある埼玉県の入間市に行けと命令した。
269:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 23:24:07.66 発信元:202.229.176.56
嵐はスルーして>>265から
「はっさくジュース?そんなもん酒と合うの?」目暮は『神宮寺スペシャル』なる飲み物を疑った。
「まぁ、騙されたと思って飲んでみてくださいよ」神宮寺は焼酎とはっさくジュースを5:5で割って目暮に出した。
270:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 04:48:47.33 発信元:124.146.175.8
唐揚げをつまむ神宮寺「うん、なかなか旨い。ジューシーだ」神宮寺はreserveを炭酸で割り、ハイボールにして飲んでいる。
「手羽先は、うーん、食うとこが少なすぎだな‥‥」目暮は手羽先をつまみながら焼酎のはっさくジュース割りを飲む。味は微妙であった。
2人はおぼろ豆腐を食う「ん、これは旨い」「これが1番旨いな‥‥」おぼろ豆腐はどんな酒のつまみにしても合う物であった。「こんなに旨いなら、また買うか‥‥」目暮は明日もおぼろ豆腐を買おうと心に決めた。
271:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 07:28:02.45 発信元:61.125.227.93
才能ないな、お前ら
272:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 09:40:36.02 発信元:202.229.177.28
「才能なんか必要ないが、センスは必要かな。あと流れに沿って進行させる最低限のルールを守る気持ち、と」目暮は酒が回って脈略ない空耳に回答をするといつしか眠ってしまった。
朝が来た。神宮寺がホットサンドと珈琲を用意してくれたので、目暮は有り難くいただくと、朝早くから飯能署に向かう。
出掛け神宮寺が「今日はちゃんと情報交換できるネタが有ればいいですね」と目暮に言った。目暮は今日こそ進展がある事を願い、足取り軽く、警察署に出勤した。
273:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 09:40:40.88 発信元:111.86.142.197
飯能警察署長のいきなりの一言であった。
274:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 09:43:20.69 発信元:111.86.142.198
署長「事件が起きてから何ヵ月経ったと思ってんだ! さっさと犯人捕まえて来い!」
275:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 09:56:31.94 発信元:202.229.177.28
署長のゲキで捜査員たちは四方八方に朝一番から飛び出して行った。
捜査本部長に就任して3日目の目暮もそろそろ手応えのある報告を待っているのだが、なかなかこれといった新情報もあがって来ない。
飯能署の署長は目暮以上に苛々していた。犯人が次の犯行を起こす前に何としても犯人を検挙したい。
276:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 13:39:43.72 発信元:202.229.177.22
昼になった。捜査本部が置かれている飯能署の捜査一課には署長と目暮が陣取って報告を待っていたが、残念ながら、これといった情報は入ってこない。
「目暮警部。今日は県警の古手川君も捜査に出てますし、昼飯はここで一緒に食べましょう」飯能署署長は女性職員を呼び、「いつもの弁当を今日は2つ頼むよ」と告げた。
昼飯命の目暮だが、今日は本部を離れられそうもない。署長のいう『いつもの弁当』とやらを食べるとしよう。
277:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 18:22:00.89 発信元:124.146.175.16
女性職員が署長に命じられた弁当を2つ買って戻ってきた。「おう、ご苦労さん」署長は笑顔で受け取る。
『いつもの弁当』とは、ほっともっとの『満腹のり弁』であった。大きな容器の半分がのり弁で半分が焼そばになっている。この焼そばの正体は他の弁当の付け合わせのスパゲッティ麺を使った代物だ。
「これが安くて満腹になる最高の弁当なんです」「はぁ、そんなもんですか‥‥」署長と目暮は向き合って満腹のり弁を食べ始めた頃、先ほどの女性職員がお茶を淹れて持って来てくれた。
278:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 20:45:20.14 発信元:61.125.227.214
「また飯食うのかよ、なんで俺だけあらしなんだよ」古手川は弁当を食べながら無能の目暮警部にたいしてそう思った
そこへ神宮寺から電話が入った、新宿三丁目で犯人と思われる韓国人を逮捕した至急パトカーをよこしてくれとのことだった
みんな昼飯を食うのに手一杯なので署長が自らで向かえることにした
279:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 21:44:55.46 発信元:202.229.176.49
※流れを読めないなら来ないでください。このスレの主な流れが面白いと感じないのなら最初から来ないで頂きたい。ここは千客万来なスレでは無いのでageないでください。
あまり荒らされると修正するだけで大幅にレス消費してしまって小説として成立しなくなってしまうので、どうしても参加したいのなら最低限、登場人物の立場なり性質なりを把握して書いてください。
この辺を徹底しないとリレー小説スレは一定の水準を維持できないのでお願いします。
ただの言葉遊びなら他のスレを推奨します。
●リレー小説魔界編
スレリンク(siberia板)
280:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 22:16:52.66 発信元:61.125.227.214
センスも才能も内容もないな
281:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 22:25:30.88 発信元:202.229.177.5
―それでいいから来ないでくれ。
「ん、何か?」満腹のり弁をたいらげた目暮は何か聞こえたような気がしてそう呟いたが、目の前にいる署長は何も言っていなかった。
目暮と署長は満腹のり弁をそれなり満足げに完食すると、午後の捜査方針のディスカッションを始めた。
282:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/05 01:37:36.80 発信元:61.125.227.214
在日丸出しだな
283:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/05 05:44:39.56 発信元:124.146.175.15
「‥‥なんでも目暮警部はトリック博士と親交があるらしいですね」飯能署署長は不意に目暮に尋ねる。
「ハハハ、まぁ、博士の一番弟子を自認してますが、それが何か?」目暮は署長の問いの真意が判りかねていた。
方々に捜査に飛んでる刑事たちから、午後に入っても成果らしい成果の報告は無かった。
284:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/05 08:30:39.99 発信元:111.86.142.206
目暮「ま、署長の激程度で犯人が捕まりゃ、こんな楽なことは無いんだけどな。」
285:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 06:04:55.19 発信元:124.146.174.161
夜になったが残念ながら捜査に進展は無かった。「みんな一生懸命やってるのは分かるが、そろそろ結果を出してくれよ!」戻ってくる捜査員たちにゲキを飛ばす署長の表情にも疲れが見えた。
目暮は今夜も神宮寺のとこに行くつもりで署を出たが「‥‥情報交換も何も、これほど何も無いとなぁ‥‥」毎度毎度、何の情報も無いのに泊めてもらい酒を馳走になるのも少し気が引ける目暮であった。
署を出て少し歩いたところで県警の古手川刑事が戻ってきた。「警部、お帰りですか?」「遅くまでご苦労様。何か成果は有ったかい?」
286:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 06:14:02.02 発信元:124.146.174.162
「マークしてる人物に張り付いていたんですが、動きは無かったですね。アンパンとコーヒー牛乳しか食ってないから腹ペコっスよ‥」古手川は両手を広げておどけてみせた。
「こっちも1日中、本部で署長とにらめっこさ。昼飯も署長推薦の満腹のり弁だったしな‥」目暮もお互い散々だったなという顔で言う。
「気分直しに晩飯、一緒にどうだい?」目暮は古手川を誘い、神宮寺のとこへ行く前に夕飯を済ます事にした。
287:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 06:40:25.34 発信元:202.229.176.5
古手川が運転し、目暮を乗せて車は走る。「運転は自分やりますから警部は安心して飲んでください」と古手川。
目暮は『ありがたい』と心から思った。噂では若いくせにイキがった鼻っ柱の強い人物と聞いていた古手川だったが、実際は随分と気が回る、少なくとも目暮には好人物に見えた。
「酒、飲むなら、もう1人誘っていいかい?」「どうぞ」目暮は神宮寺の携帯に電話した。
288:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 06:52:47.37 発信元:202.229.176.6
「ジンちゃんよ、晩飯まだだろ?」『ええ、まぁ』「ご馳走するから一緒に食おう、運転役もいるから今夜は外で飲もう。途中で拾うから越生駅のあたりまで出ていてくれ」
車は越生駅方面に向かう。「名探偵神宮寺三郎氏とも知り合いなんですか?警部はホントに顔が広いですね」運転しながら古手川は目暮を尊敬の眼差しで見た。目暮はあまり自覚していなかったが、自分が実は顔が広い事を古手川の言葉で再認識した。
車は越生で神宮寺を拾い、254号へ向かう。行き先は決まっている。そう、もつ煮込みの杉○食堂だッ!
289:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 19:42:39.80 発信元:202.229.177.63
254を北上し、車は小川町に入る。高谷の信号を右折してすぐの所に目的地のもつ煮込みの店は有る。
正確にはもつ煮込み以外のメニューもあるので『もつ煮込みの店』と称するのはどうかとも思うが、来店するほぼ全員がもつ煮込みを注文するので、もつ煮専門店を名乗っても良いのではないかとさえ目暮は思っていた。
車は店脇の広い駐車場に滑り込む。「お、なんか渋い店ですねぇ」後部座席の神宮寺は○浦食堂の店構えを見て少し馬鹿にしたような感想を述べた。「味は保証するよ」と目暮はボソッと呟く。3人は車を降り、駐車場から店までの砂利道を歩き始めた。
290:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/07 12:13:05.83 発信元:124.146.175.33
この店に来るのは初めての神宮寺と古手川は目暮にメニューを一任したので目暮は「もつ定3つ、3つともライス大で!」と入店早々オーダーを告げた。
時間帯が良かった。店はさほど混雑していない。目暮は神宮寺に「飲むんだろ、好きなもん頼めよ」と言うと、神宮寺は「バーボンをロックで‥‥」とオーダーしたが
「そんなものはありません」店主は無愛想に返答した。当然だ。あるわけがない。
291:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/07 12:25:29.21 発信元:111.86.142.205
目暮「最初はジョッキ生、基本だろ。」
古手川「へぇ、初めて聞いたわ。」
292:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/07 21:30:48.74 発信元:61.213.70.66
また飲み食いするのか、バカだろ
293:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/07 21:38:50.64 発信元:124.146.174.166
「もつ定ライス大3つ、お待たせしました」目暮たちのテーブルにもつ定が運ばれる。「おっ、来た来た。」
もつ煮を1口食べた神宮寺と古手川は「う、旨いッ!」と歓喜の声を漏らした。横で目暮は勝ち誇ったような顔でニヤニヤしていた。
「こ、こんな旨いもつ煮は食った事が無い。」と驚く神宮寺に目暮は『―旨い食い物の事は俺に任せな』と表情だけで答えた。
294:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 03:24:15.98 発信元:111.86.142.206
目暮「そうだ、古手川君‥‥」
古手川「なんでひょ?モグモグ」
目暮「さっき、独自にマークしている人物が居るって言ってたよね?」
古手川「あ‥ハイ。」
目暮「詳しく聞かせて貰えないか?」
295:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 05:31:36.88 発信元:202.229.177.68
「ほらほら、こんな旨いモツ煮を前に仕事の話は野暮、野暮」神宮寺は目暮のグラスにビールを注ぐ。
「こんにゃくの代わりに白滝を使ってるのも変わってて良いね。あと、キャベツが入っているが、このキャベツの甘味がモツ煮の旨さを更に引き上げている。いやぁ旨いっ!」神宮寺は劇画調の顔のまま杉浦○堂のモツ煮を絶賛した。
ここまで喜んで貰えると連れてきた目暮も少し嬉しかった。大盛ライスに残ったモツ煮を入れて『モツ丼』にして食らう。「クゥーッ!たまらん」3人はモツ煮の汁も一滴も残さず堪能した。
296:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 06:05:36.62 発信元:210.153.84.204
神宮寺「ふう、目暮さん、こんな美味い店、どこで知ったんです?」
目暮「タクシー運転手の夜明に教えて貰ったんだよ。その後、こっち方面に用がある時は、ちょくちょく1人でも来ているがね‥‥」
古手川「タクシードライバーの推理日誌の夜明日出夫さんとも知り合いなんですか?警部はホント顔広いですね‥‥」
297:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 09:03:34.07 発信元:202.229.177.3
もつ煮とビールを堪能した目暮と神宮寺を神宮寺の滞在するアパートまで送ると古手川は車を自宅に向けて走らせた。
「‥‥それにしても美味いもつ煮だった。目暮警部の隠れグルメの噂は本当だったな‥‥」車内で1人つぶやく古手川。
古手川に『ある予感』が浮かぶ。古手川は自宅に帰るのを止め、反対方向に車を走らせた。彼のこの判断が進展の無い局面を打破する結果を招いた。
298:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 09:30:42.36 発信元:124.146.175.5
朝になった。目暮は携帯の着信歴を見ると、夜の間に何度か古手川から着信があったようだが、深い眠りについていた目暮は全く気づかなかった。
神宮寺はいまだに深い寝息をたてている。起こすのも気の毒なので朝食もとらず目暮は神宮寺のアパートを出て飯能署に向かった。古手川からの電話については署で本人から直接聞こう。
飯能署に着いた目暮は、まったく進展が無かった捜査状況が一転、事件が解決した事を知った。
299:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 09:31:51.32 発信元:124.146.175.5
夜間、張り込みを続行した古手川が動きを見せた人物が殺戮行動を起こすのを未然に取り押さえたのであった。
犯人は本丸のカエル男事件でも捜査線上に挙がっていた人物でカナー症候群(自閉症の一種)の治療を受けていた男であった。カエル男事件をなぞって犯行を続けていた事を自供。事件は急展開で解決した。
犯人を逮捕した古手川は「目暮警部のおかげで解決できました」と最後まで目暮を立てた。
300:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 12:47:09.11 発信元:202.229.176.52
~第6章~
誰が風を見たでしょう
301:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 13:23:04.66 発信元:210.153.84.204
神宮寺「杉○食堂じゃなくて、松○食堂でしたね。目暮さん」
目暮「‥‥そもそも伏せ字にする意味もよくわからんが‥‥。事件も解決。ジンちゃんはどうするの?」
神宮寺「家賃もったいないから僕は月末までこっちに残りますよ‥‥。」
302:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 15:44:04.07 発信元:202.229.177.51
続・カエル男事件も解決し飯能署に置かれた捜査本部も解散した。電車を乗り継ぎ警視庁に戻った目暮警部を直属の部下の高木と増田が迎えた。
「さすが警部!世間を騒がした難事件を本部長就任4日目で解決とは、見事です」高木と増田は少し大袈裟に讃えてみせた。
「フン」と鼻を鳴らし、目暮は言った「刑事にとって推理力や洞察力も必要不可欠だが、それよりも大事なのは、捜査に対する熱意だ。事件解決に対する情熱だ。この熱き思いを忘れなかった事が事件を解決に導いたんだと俺は思う」
303:過去ログ
11/06/09 03:50:11.78 発信元:202.229.177.62
■シベリアサスペンス劇場
URLリンク(m.logsoku.com)
■シベリアサスペンス劇場2
URLリンク(m.logsoku.com)
304:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/10 08:25:54.79 発信元:202.229.177.5
これも見つけた
■スリルとサスペンス知的一行リレー
URLリンク(m.logsoku.com)
このシリーズの事実上の1
305:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 11:21:41.96 発信元:219.108.157.30
目暮警部「加茂瀬恒彦?あああの有名な」
工藤「蘭も知ってるだろ?」
蘭「うん!」
306:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 11:36:35.63 発信元:202.229.177.59
「蘭だの新一だのって突然脈略無く出て来ましたが何なんですか?警部」ふと、止まった時間を取り戻すように増田が呟いた。
「おっといかんいかん、過去を振り返っていてボンヤリしてしまった」と目暮は我にかえった。
「そろそろ、前に進みましょうか、それから何度も言いますがageないでくださいね」高木は誰に応えるでもないように呟いた。
307:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 11:49:05.61 発信元:124.146.175.35
飯能での事件を見事な手腕で解決させた目暮であったが、いつまでも勝利の美酒に酔ってはいられなかった。
目暮が戻って早々、警視庁管轄内で殺人事件が発生した。1人暮らしの若い女性が自宅アパートで殺害されたのだ。
現場に到着した目暮、高木、増田は手際良く捜査を開始した。
308:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 12:17:15.48 発信元:210.153.84.193
増田「しかし>>304は今読み返すと凄いですね。金田一やら明智警視まで出てくるんですね」
高木「ブラックジャックこと間黒男氏の出番、船越さんより多いし。一行スレと現在の流れのコラボみたいなスレだね…」
目暮「ヲイヲイ、過去を振り返るのもいいかげんにして捜査に集中しろ!」
309:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 12:20:03.63 発信元:124.146.175.18
「4997……、これ、なんでしょうね?」高木刑事は、開かれた詩集のページを覗き込みながら言った。
「うむ……」目暮警部も、高木と肩を並べるようにして、畳の上に放り出されている詩集の上に屈み込んでいる。「さっぱりわからん。どうして、こんなもの書いたのかな?」
被害者は、小坂久美子という二十二歳のOLだった。目暮達の目をひいたのは、小坂久美子が抱え込んでいた薄っぺらな詩集だった。開かれたページに、赤く太く、文字が書かれていたのである。『4997』誰の目にも、そう読めた。
310:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 16:34:59.61 発信元:202.229.176.25
現場の状況からは、物取りの犯行と推測された。部屋は、荒らされ放題に荒らされ、引出しや戸棚からひきずり出された物が、畳の上一杯にぶちまけられている。
おそらく、この部屋に這入った空き巣狙いが、仕事から帰った小坂久美子に見つかり、居直って凶行に及んだものだろう。
第1発見者は隣室に住む主婦であった。死体を発見する前、犯人らしい男の声を聞いたと証言している。
311:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 17:01:29.30 発信元:202.229.176.25
「隣の主婦の話では争うような物音と男の声で『言え。楽になりたきゃ、早く言ってしまえ!』という声が隣から聞こえたそうです。」先着していた捜査員から聞いた情報を増田は目暮に話した。
目暮は発見者より詩集に残された『4997』の文字が気になる様子で考えこんでいたが、構わず増田は話を続けた。
「様子がおかしい、とは思ったが、なんだか恐ろしくて、隣の主婦は何もできなかったそうです。誰かが隣室から飛び出して行く音を聞いた後、見に行ってみたら殺されてる小坂久美子を見つけたと、いう事らしいです」
312:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 17:18:04.20 発信元:202.229.177.10
『4997』空っぽのハンドバッグの脇に、ぽっきり折れた口紅の先が落ちている。詩集に書かれた四桁の数字は、その口紅で書かれたものだった。
小坂久美子の堅く握り締めた右手を開かせると、口紅の根元が畳の上に転がり落ちた。彼女は、たぶん、ありったけの力を振り絞って、これを書いたのだろう。
「ダイイングメッセージなのか?」目暮は詩集に残された四桁の数字に事件解決の鍵がありそうだと感じた。が、4997が何を意味するのか?皆目見当がつかなかった。
313:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 18:19:51.10 発信元:210.153.84.207
目暮「被害者の交友関係で怪しい者はいないのか?」
増田「彼女には婚約者がいますね。隣の主婦も何度か彼女の婚約者とは会っていますが、事件当夜に聞いた声は婚約者の声では無かったようです」
目暮「手口から見て犯人は強盗だろうからな‥‥。でも一応、その婚約者も洗ってみよう」
314:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 20:32:43.86 発信元:61.213.70.205
で。「お前は一人で寂しく暮らす」とかバカ母がこの間俺に言ってくれましたが・・・w。まるで「ヒーローズ」の「サイラー」じゃないか・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
ヒーローズの中では、ヒロがサイラーに「お前は孤独になって寂しく死ぬ」とか言ってましたが・・・w。それでドラマではサイラーが焦り出したりしますが・・・w。
俺にとってはチャンスじゃないか・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
やっと、五月蠅いお前らから解放されるのに?w。夜寝るのも朝起きるのも自由だし。家の中の様子を筒抜けで逐一監視される事も無いのだから。
逐一監視された挙句に、偉そうに断罪されて非難浴びたりするなら、孤独の方が全然マシだろう?w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
それに、監視だけじゃなく、「操縦&支配」からも解放されるのだから・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
勃起刺激干渉も、思考吹入も、視点誘導も、認知判断も、計算ミスも漢字の度忘れも、何もかもお前らの「操縦&支配」の挙句だろうに・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
「ヒーローズ」ネタで言えば「クレア」が「人形遣い」に操り人形にされて激怒したのと同じだ。(ノ∀`)アチャーマッタク。
あれは、体の動きだけで、頭の中までは支配されなかったが・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
「罪と汚名」から解放される、「虚像扱い」から解放される、それの何が問題だ?嬉しい話じゃないか・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
「ヒーローズ」の「ネイサン」「サイラー」は俺で言えば俺の中の「善人と悪人」の象徴であって・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
あのドラマは、「マット」が俺の様子を再現してたり、色々楽しめるが、他のドラマや映画や番組同様に「恣意的&示威的」で、罪を着せる所が気に入らないのよな。
結局、自分達の都合の良い様に「操り人形」にしたいだけじゃないか。(ノ∀`)アチャーマッタク。
悪魔がキリストを試したのと同じ。最初はこの世をあげようと言って、それが利かなければ40日間試練を与えて・・・w。
この文章も一言一句もレイアウトも何もかも「思考吹入」で自動書記で書かせておいて、陰に隠れて厭くまで「自発的&自己責任」扱いで誤魔化すとか・・・w。
お前らホントみんなマジ悪魔。_| ̄|○
315:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 21:04:16.85 発信元:124.146.175.18
「高木は、被害者の交友関係で『4997』に関わりがある者がいないか調べてくれ。増田は、婚約者の方を当たってみてくれ。」目暮は部下2人に指示を出した。
目暮は知恵を借りるため『あの方』の所へ出向く事にした。
手ぶらでは行けない。あの方の好きな『アレ』を手みやげに買ってから行くとしよう。
316:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/13 04:29:06.16 発信元:210.153.84.193
目暮はトリック博士の知恵を仰ぐ為、トリック博士邸に向かった「最近、出番が少ない」とボヤいていたトリック博士への気遣いでもあった。
目暮は途中で山田うどんに立ち寄り、持ち帰り餃子を注文した。トリック博士への手土産だ。
「ん?」山田うどんの店内で物凄い勢いで食べている男の後ろ姿が目暮の目に映った。その後ろ姿は目暮のよく知る人物のものであった。
317:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/13 13:43:13.79 発信元:124.146.175.7
見覚えのある背中が振り向きもせず喋り出す。「また自分は飲んだり食ったりするだけで他力本願な解決を目指していますね目暮警部!」
「な、な、なに―っ!」心の中を読まれたような気がして目暮は驚きの声をあげた。
見覚えある背中の正体、タクシードライバーの夜明日出夫は振り返り笑いながら目暮に言った。「たまには自力で推理してみようね。」
318:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/14 06:28:56.05 発信元:210.153.84.194
夜明「トリック博士のとこ行くなら乗っけてくよ。勤務中だから有料だけどね」
目暮「フン、まぁ、いいだろ。頼むわ‥‥。」
夜明「今、食い終わるから少し待ってて‥‥。モグモグ」
319:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/14 09:44:53.04 発信元:202.229.177.16
目暮の携帯に被害者の婚約者をあたっていた増田刑事から連絡が入る。「ごくろうさん。で?どうだった」
『ちゃんとしたアリバイがありましたよ。事件の時間には会社にいて外へは出てません』増田の報告に目暮は「だろうな‥‥。」と返す。事件はどう見ても物取りの犯行だ。
『秋には式を挙げる予定だったんだそうです。彼女の死が信じられない様子でした。結婚の資金計画も立てて、親にはあまり頼りたくないからと、二人でお金をためていたそうです。それを全部やってもいいから久美子を返してくれって、泣いてましたよ』と増田は続けた。
320:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/14 09:58:30.21 発信元:202.229.176.59
『あと、警部、例の4997の事なんですが―』思いだしたように増田が話を繋げた。『婚約者の話では4997は電話番号だそうです』
「で、電話番号‥‥?」目暮は増田の話が意外過ぎて携帯を落としそうになった。
『4997は小坂久美子の部屋の電話番号の下四桁だそうです。婚約者はそれ以外に4997に心当たりはないと、言ってますが‥‥』増田も腑に落ちない様子だが、報告を受けた目暮もそれは同じだった。死ぬ間際に自宅の電話番号を書き残す被害者などいるものか?
321:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/14 11:41:46.12 発信元:124.146.175.41
山田うどんのメンチセット(温かい蕎麦チョイス)を食い終えたタクシードライバー夜明日出夫は目暮警部を乗せ、トリック博士邸に向け車を走らせた。
途中、目暮に高木刑事から着信があった。高木は謎の数字『4997』を調べていたが、被害者の交友関係で4997に関連するような人物は浮かんでこないとの報告であった。ここまでで4997について唯一、挙がったのが電話番号についての話だけとは‥‥‥‥。
「パーツは出揃って来たね。あとは目暮さんの推理力で謎を解くだけだねぇ」運転しながら夜明は軽口を叩いた。事件を少し茶化して喋る夜明に目暮は少し不快感を抱いた。
322:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/14 12:17:10.42 発信元:111.86.142.197
目暮「車のナンバー、キャッシュカードの暗証番号‥、4桁数字の物は色々ある訳だが‥。」
323:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/14 12:19:29.54 発信元:111.86.142.203
夜明日出夫「なんで数字で伝えたかったんでしょうね。」
目暮「‥‥‥。」
324:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/14 12:55:43.19 発信元:202.229.176.13
「そもそも‥‥」目暮は頭を傾げながら唸るように喋り出す「ダイイングメッセージとは被害者が何を知らせようとして書くものだ?」
「犯人、でしょう?」突然フラれた夜明は戸惑いながらも当然と言える答えを返す。
「だよなぁ‥‥。」力なく目暮が呟いた時、車はトリック博士邸に到着した。
325:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/15 05:56:28.60 発信元:202.229.177.3
「ホッホッホ、目暮さんに夜明さん。お揃いで」いつもの笑い声でトリック博士は迎えた。目暮は夜明に邸内にまで付いて来なくていいからタクシー業務に戻るように言ったが「乗りかかった船だから」とトリック博士の元に同行した。
目暮は博士に「お土産です」と山田うどんの餃子を出す。「ホッホッホ、これは最高のプレゼントぢゃよ」と嬉しそうに受け取るトリック博士。門下生がみんな山田うどんの常連なのはトリック博士自身の影響が強い。
「今日は博士の知恵をお借りに参りました。」目暮は事件の概要をトリック博士に詳細に話した。横にいる夜明は何故かメモをとりながら目暮の話を聞いている。トリック博士は事件の概要を聞き「ほう‥」と興味を持った。
326:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/15 06:23:24.54 発信元:202.229.177.51
目暮はトリック博士に口紅で書かれた『4997』の写真を見せた。証拠品の詩集を持ち出す訳にはいかなかったので博士に見せたのは『4997』が書かれたページを写した写真だ。
「だれが風を見たでしょう。あなたもわたしも見やしない……」トリック博士は『4997』が書かれたページに乗っている詩を読んだ。クリスティナ・ロゼッティの詩である。
「だれが犯人(ホシ)を見たでしょう。あなたもわたしも見やしない」夜明が横で何気なしに呟いた。トリック博士にはそれが思わぬヒントになり「ホッホッホ」と何か気づいたように笑い出した。目暮は、いまだに何も気づかない様子で唸り続ける。
327:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/15 17:45:35.56 発信元:111.86.142.207
目暮「けれど木の葉をふるわせて、風は通り過ぎてゆく‥‥。」
トリック「ほっほっほ、そこまで解っているならもう一息ですぞ。」
目暮「え‥?」
328:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/15 18:43:33.26 発信元:111.86.142.202
夜明「何なんだい、今のは?」
目暮「だれが風を見たでしょう。あなたもわたしも見やしない‥‥の後に続く言葉なんだが‥‥。」
夜明「う~ん‥、解らんわ。」
329:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/16 05:23:22.83 発信元:124.146.175.13
「ホッホッホ、死ぬ間際に自宅の電話番号を書き残す筈は無いのだから、1回『電話番号』は忘れて考えた方が良いかもしれんのう。ホッホッホ」とトリック博士。
「4997‥‥よくくな‥‥良く(49)食うな(97)‥‥良く食うな。‥‥全く関係ないか‥‥」目暮は語呂合わせで考えてみたが関連した言葉に繋がらない。
「目暮さん、安直過ぎるよ」と夜明は呆れたように言ったが、実は夜明も全く解らなかった。
330:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/16 09:07:46.74 発信元:202.229.176.10
「警察の人間が、きちんと解いてあげないと、手がかりを残してくれた被害者も無念だと思うよ!」夜明は目暮に発破をかけた。
「ホッホッホ、目暮さん。ダイイングメッセージとは何を伝える為に残すものですかな?難しく考えない事ですぞ。ホッホッホ‥‥」と、トリック博士は目暮に解決の糸口に繋がるヒントを述べた。
目暮は詩集のページをもう1度よく見た。URLリンク(imepic.jp)。そして「そ、そうか‥‥。もしかしたら‥‥。」目暮の頭脳に1つの仮説が浮かんだ。
331:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/16 10:06:13.34 発信元:124.146.174.165
目暮は自分の推理を口にした「…『4997』は書き間違いで、被害者は本当は『9997』と書きたかったんだ。『999』はスリーナインを表し『7』はラッキーを表す。銀河鉄道999がヒットしてラッキーだった人物、犯人は松本零士だっ!」
ガターン!!トリック博士と夜明日出夫はズッこけて椅子から落ちた「‥‥ま、またそれ?」
「そ、それしか浮かびませんでした。博士、解っているのでしたら、解答をお願いします」やはり目暮は自力解決を放棄し、トリック博士の模範解答を求めた。
332:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/16 16:34:27.49 発信元:202.229.177.29
「だれが風を見たでしょう。あなたもわたしも見やしない‥‥。詩集のページが、たまたまこの詩のページだったのが大きなヒントになったんじゃよ。ホッホッホ」と、トリック博士は『ある場所』に捜査員を回すように目暮に言った。
鈍い目暮はまだ解らない様子で「それは一体?」と首を捻る。そんな目暮に『まだわからぬか』と言わんばかりの口調でトリック博士は断言する。
「ホッホッホ、目暮さん、事件の発見者の言葉をもう1度よく思いだしてみたまえよ。間違いなく犯人は自分から『そこ』に現れる筈だからのぅ。ホッホッホ。」
333:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/17 07:41:43.25 発信元:124.146.175.3
トリック博士は書庫から古いレコードを引っ張り出してきて、目暮と夜明に聴かせた。
~URLリンク(www.youtube.com)~目暮は携帯から高木と増田にトリック博士の言う通りの指示を出した。
「これで解決ぢゃよ。しかし歌唱で聴くと、物悲しい詩ぢゃな。ホッホッホ‥‥。」博士はワイングラスを片手に山田うどんの餃子に箸を伸ばした。
334:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/17 08:27:41.45 発信元:202.229.176.21
~第7章~
どこから行っても遠い町
335:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/17 08:41:47.33 発信元:202.229.176.21
OL殺人事件の犯人は『銀行』で張り込んでいた刑事らによって逮捕され、事件は無事解決しました。
「犯人は強盗だ。強盗の目的は何か、むろん、それは金だ。犯人は『言え』と被害者に迫っていた。それは何か?金のありかじゃないか―。」目暮はトリック博士の模範解答を自分の推理の如く部下達に話した。
「電話番号と同じ四桁の数字。何か思いつかないか?そう、銀行のキャッシュカードの暗証番号さ。被害者はね、銀行へ行け、と我々に言ったのさ。この暗証番号で金を引き出す人間が、自分を殺した犯人だ―そう、彼女は我々に伝えたんだよ」
336:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/17 13:56:30.55 発信元:111.86.142.206
増田刑事「しかし、バカな犯人で助かりましたよねw」
目暮警部「!」
増田「だって普通は現ナマに手は付けても、足のでそうなキャッシュカードなんかに手を出しませんよ、普通は。」
337:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/17 15:24:45.88 発信元:202.229.176.18
「犯人は空き巣狙い。被害者が、空き巣狙いの名前を知ってる可能性はまずありませんからね。だとすると、4997は犯人を捕まえさせるための手掛かりを与えようとしたものだとは僕も気づきましたが‥‥」高木刑事は珈琲を飲みながら呟く。
「‥‥誰が風を見たでしょう‥‥か。まぁ、この事件は何としても解決したかったから、良かったよ」目暮警部は被害者が最後の力をふりしぼって残したダイイングメッセージが無駄にならず安堵の声を漏らした。
「それにしても‥」増田刑事は目暮に少し冷めた目を向け、乾いた口調で言った。「‥ホントに警部が解いたんスか?」
338:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/17 20:20:17.17 発信元:111.86.142.206
目暮「何だ、さっきから随分突っ掛かってくるじゃねえか? え!」
339:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/17 20:22:05.13 発信元:111.86.142.208
目暮「sage忘れた、すまん。」
340:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/17 20:44:18.50 発信元:61.125.225.51
競馬:レース中止に怒った観客が放火
URLリンク(www.chosunonline.com)
車にひかれた犬を「食べようと」言った同僚を殺害 ホームレスを検挙
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主婦暴行未遂の男、全裸で22時間逃走 /慶州
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友人と思って「浣腸」したら人違い…24歳会社員を立件
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双子の息子がテストで全校ビリ、激怒した父親が…
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「タバコ買って来いって言っただろ!」 魚買ってきた仲間を殺害
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ハエを火刑しようとして印刷所に火災 30代職員を書類送検
URLリンク(www.chosunonline.com)
「屁がくさい」と避けた男性に暴力容疑 50代男を立件
URLリンク(www.chosunonline.com)
「名字は“朴”が最高」 名字自慢で殴り合いに
URLリンク(www.chosunonline.com)
愛犬の首輪が隣家に…
URLリンク(www.chosunonline.com)
【芸能】BBC、「K-POP成功の裏には奴隷契約」指摘=韓国
スレリンク(mnewsplus板)
341:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/19 06:54:51.37 発信元:202.229.177.48
雨降りの真夜中。街に人通りは皆無だった。「これじゃ、どうしようもないなぁ‥‥」タクシードライバー夜明日出夫は車内で溜め息を漏らした。
本来なら終電をのがした客を何人か拾えても良さそうなものだが、少し強めな雨のせいか、人の姿が全く見えない。本日の成果の数字が全然伸びていない夜明は「せめて、あと1人は中距離以上の客を乗せないとまずいな‥‥」とタクシーを駅前から飲み屋のある繁華街へ向けた。
トラブルの元である酔客をいつもなら避ける夜明だったが、ここまで数字が悪いと、そうも言っていられない。これが夜明がこれから体験する奇妙な夜の物語の始まりであった。
342:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/19 13:04:22.46 発信元:111.86.142.199
夜明日出夫「泥酔なヤツだけはカンベン‥‥おっと!」
どうやらお客のようである。
343:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/20 04:03:53.49 発信元:124.146.175.5
大雨の中、傘もささずにズブ濡れの若い女性が手をあげている。
『どうする?』夜明は考えた。雨の夜中に傘もささずに繁華街にいる女。まともな輩には見えない。ズブ濡れの服でシートを汚されるのも嫌だ。
夜明は徐行させ、近づくも、厄介な相手なら乗車拒否も考えた。しかし、赤信号で停車した夜明の真横に女は既に来ていた。もう乗車拒否はできない。夜明はドアをあけ、女を乗せた。
344:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/21 13:35:54.42 発信元:111.86.142.208
夜明「お客さん、どちらまで‥」
女「‥‥。」
夜明「行き先言ってくんないと‥」
女「しばらく流してもらえませんか。」
345:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/21 23:30:37.51 発信元:124.146.175.1
言われた通り車を走らす夜明だが「あっちこっち行かせて、お金ありませんとか、そういうのは勘弁してくださいね」と一応、釘をさす。
「‥‥お金、‥‥なら、持ってます‥‥。」女は、何とか聞き取れる音量の声で言う。雨で濡れた髪から水滴がしたたり落ちる。
バックミラーで女の顔を確認する夜明。よく見れば綺麗な顔立ちの娘だ。何やら事情がありそうだが、とりあえずは言われた通り車を流す夜明だった。
346:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/22 09:35:45.73 発信元:210.136.161.10
女「‥‥ボソボソ‥‥」
夜明「えっ‥‥」
しばらく車を流した後、女は行き先を告げた。それは夜明もよく知る地名であった。
347:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/23 11:29:52.22 発信元:111.86.142.198
夜明「え‥?、もう一度。」
女「大宮まで‥。」
348:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/23 12:22:00.87 発信元:124.146.175.10
雨は女を乗せた頃より更に激しさを増した。フルワイパーで夜明のタクシーは北に向かう。
目的地は大宮の櫛引町であった。大宮駅から徒歩で24~25分という場所だが、駅から特別近い訳でもなく周囲に店も少なく不人気なエリアで賃貸の家賃も安い。
古くから建つ老朽化した住宅が多く、金持ちとは無縁の町だ。夜明は何度か来た事があった場所だが、ろくな思い出も無い地であった。車は埼玉県へと入った。
349:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/23 17:44:32.17 発信元:111.86.142.202
夜明「いやぁ、最近のさいたま市の開発は目を見張るモンがありますよねぇ‥。」
女「そうですか?‥。」
夜明「昔じゃ埼玉スタジアム2002や、さいたまスーパーアリーナなんて考えられなかったでしょ?」
女「‥‥。」
時事ネタでは会話は弾まないようだ。
350:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/23 19:33:11.17 発信元:202.229.177.14
「雨、すごいですね‥‥」「‥‥‥。」夜明の語りかけに最初のうちは一応返答はしていた女は、さいたま市に入る辺りから全く喋らなくなった。
夜明のタクシーは櫛引町周辺まで、辿り着く。この辺りは古い家が多く、家が建った当時の生活形態からか、駐車場が無い家が多く存在する。当然、路駐してる車が道に溢れ、走行し難い。
「どのあたりで停めましょうか?」夜明は女に聞いた。「‥‥ボソボソ‥‥」女は何やら喋るも、激しい雨に掻き消されて夜明は聞き取れなかった。
351:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/25 08:13:20.60 発信元:124.146.175.11
滝のような雨の中、タクシーは路駐の車を避けながら古い住宅地を徐行する。
今はもっと都心に近い所も住宅地として分譲されている。この辺りは新しく家が建つ訳でも無く、昔からある家が建て替えられる事もなく延々と続く。古い家、路駐車、そして大雨が鬱蒼としたシチュエーションを盛り立てる。
「‥‥ここです」小さい声ながら、はっきり聞き取れる声で女は言った。夜明はウインカーを出し、車を停止させた。雨は更に勢いを増した。
352:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/26 13:09:46.81 発信元:124.214.254.138
高遠遙一「なんだ、こんな時間に!」
女「あなたには関係無いでしょ!」
353:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/26 13:37:17.52 発信元:202.229.176.29
急な場面変更はスルーさせていただき、夜明は車を停め「一万二千三百円です。」と女に料金を伝えた。
「…お金……ありません……」「え?」危惧していた展開になりそうな予感がした夜明であったが、「家、そこなんで取って来ます」と女の方から言い出したので
「じゃあ、取ってきて」と夜明は女に家に金を取りに行かせた。滝のように降る雨の中を小走りで女は深夜の住宅地の自宅らしき家に吸い込まれるように夜明の視界から消えた。
354:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/26 14:32:56.52 発信元:111.86.142.203
ここで>>352になるんか?
355:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/28 17:53:52.34 発信元:124.214.254.138
しばらく経ったが女は戻って来なかった。
シビレを切らした夜明が女の自宅前に来た時、男とあの女の声がした。
男「なんだ、こんな時間に!」
女「あなたには関係無いでしょ!」
男「なんだと、このアマがっ!」 パンッ パン!
女「キャッ!」
356:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/28 23:16:09.10 発信元:111.86.142.201
夜明「お取り込みのところ申し訳ありませんが‥、」
女「すいません、すぐにお金を‥。」
夜明「(男に対して)‥アンタ、理由は解らねぇが女性に対しての暴力はよくねえな。」
男「何だと! オメェ色男にでもなったつもりかよ!」
357:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/28 23:46:24.89 発信元:202.229.176.48
「‥‥ったく」夜明は舌打ち混じりに呟く。夜明の態度に「なんだ?ゴラ」と凄む男を無視し、夜明は続けた。
「世の中には、ルールがある。そう、どんな世界にもルールがあるんだ。三行ルールはちゃんと守ってくれないか」
夜明は嘆くように呟いたが、喧嘩中の男女は「ハァ?」と何だかわからずポカンとするだけであった。
358:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/29 12:45:31.09 発信元:111.86.142.205
夜明「(それにしても‥、どこかで見た顔だな、アノ男‥。)」
男「おい、さっさとこのタクシーの運ちゃんに金払ってやんな。 はっきり言って目障りだ。」
359:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/02 22:17:55.25 発信元:1.72.2.77
ぺニス一郎だ
360:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/03 13:17:53.99 発信元:124.214.254.138
夜明は料金を受け取り、その場を後にした。
「まぁ職業病だな、デジャーブーって奴か・・。」
361:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/03 13:34:20.51 発信元:111.86.142.202
夜明「あーあ‥、シートびしょ濡れだよ‥。」
車を屋根のある所に止め、シートを拭いていると‥‥、ケータイ電話が放置されていた。
362:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/03 13:37:54.83 発信元:111.86.142.199
夜明「さっきの客のか‥、もう夜も遅いし明日届けよう。」
夜明は本日の業務を終了し、会社に帰社した。
363:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/04 21:33:15.59 発信元:220.157.225.87
~第八章、業務を終えて帰宅した~
364:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/04 23:44:40.81 発信元:202.229.177.17
勝手に話を切って新章にするなタコ
sageもできない奴は来るんじゃねえよ
―というナレーションが流れた。by渡瀬恒彦
365:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/05 00:22:57.88 発信元:210.136.161.11
会社に戻り、日報を書く夜明に係長が話しかけて来た。♪ポワコンゴン、ビョッビョ、ポワコンゴン、ビョッビョ←BGM
係長「夜明さん。いけませんねぇ、物語が全然盛りあがりませんでしたねぇ。真夜中、大雨、古い住宅地‥‥どうしてどうして話をふくらませられないかなぁ?」
夜明「リレー小説も2手3手先の展開まで考えて話を繋げるセンスが必要なんだ。だが、残念ながら、そこまでの書き手は少ない」
366:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/05 01:13:07.44 発信元:111.86.142.205
係長「‥で夜明さん、さっきからなにを見てるんです?」
夜明「昨日の忘れ物、このケータイ電話なんだが‥果たして中のデータを見ていいんだか迷っている。」
367:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/05 01:15:10.99 発信元:111.86.142.203
係長「見なきゃ持ち主解らんでしょ!」
夜明「‥‥でも、見ちゃイケナイものまで見ちゃいそうで‥。」
368:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/05 12:51:22.54 発信元:124.146.175.15
「まぁ、遺失物として預かっておくよ。夜明さん、携帯の持ち主の見当は付いてるんでしょ?」係長はそう言って携帯を保管庫に仕舞った。
「多分、最後に乗せた若い女性の物だと思うけど」夜明は、そうとしか考えられないといった口調で呟いた。
「まぁ、携帯なんか失くしたら困るだろうから、すぐ問い合わせが来ると思うよ。夜明さんは疲れただろうから、早く、あがってくださいね」係長がそう言うので、夜明は日報を出して帰宅した。
369:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/05 23:52:00.92 発信元:124.214.254.138
夜明は自室で考え事をしていた。
(あの夜に会った男、絶対どこかで見ている! それも犯罪絡みで・・)
明るい所で見れば思い出せるハズ。
370:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/09 23:25:31.35 発信元:124.214.254.138
夜明は保管庫から例のケータイを持ち出し、
そして電話帳の一覧を検索した。
(やっぱ気が引けるなぁ・・)
371:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/10 07:52:46.58 発信元:202.229.177.45
「夜明さん!」後ろから突然話しかけられ夜明は「ひっ?」と不意打ちの情けない声を出した。
「非番の日の夜の事務所に忍び込んで何をしてるんです?」声の主は係長であった。
「あ、いや、携帯がどうしても気になって‥‥」「そうですか。あんまり怪しい行動は止めてくださいね。あとsageは徹底してくださいよ」係長はそう言って去って行った。
372:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/15 05:24:00.13 発信元:202.229.176.52
次の日の昼頃、夜明は目暮警部を訪ねて警察署にやって来た。目暮は捜査一課のデスクで冷やしおろしゴボウ天そばを食っていた。
「う、美味いっ!これで420円は安いっ!」目暮は歓喜の声をあげながらスーパーで買ってきたと見られる冷やしそばを食らっている。目暮らしい仕草を見つけ、夜明は吹き出した。
「ん?」冷やしそばに夢中の目暮は、やっと訪ねてきた夜明に気づいた。「おう久しぶり。今日はどうした?」
373:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/16 15:38:19.56 発信元:111.86.142.203
夜明「‥‥それにしても、ここ最近暑いな。」
目暮「‥‥。」
夜明「‥‥。」
374:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/23 08:02:31.82 発信元:202.229.176.2
「高遠遙一を見た‥‥。」いきなり夜明は核心に触れた。
「ほう、どこで?」蕎麦に夢中の目暮は真剣に聞いていない。
「真夜中の住宅街の一軒家で」夜明は乾いた声で漠然とし過ぎた事を答えた。
375:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/25 03:38:10.78 発信元:111.86.142.201
目暮「あっそ‥。」
夜明「真面目に訊いてんのか?」
目暮「‥‥。」
376:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/28 22:11:49.97 発信元:202.229.177.56
「久しぶりに松浦食堂のモツ煮が食いたいなぁ‥‥」目暮がポツリと呟く。
「今、蕎麦食ってたばかりだろ?それに夏に食いたいかモツ煮?」夜明は呆れ顔で返す。
「たまに少し涼しい日あると食いたくなるんだな。これが!」目暮の脳細胞は真夏も食欲で満たされていた。
377:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/07/28 22:50:50.18 発信元:122.249.171.114
~第九章、山田うどんの夜明け~