【リレー小説】シベリア・サスペンス劇場3【三行まで】at SIBERIA
【リレー小説】シベリア・サスペンス劇場3【三行まで】 - 暇つぶし2ch50:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 00:51:18 発信元:111.86.142.197
目暮「つまり犯人は、雨が降り始める前までは左氏が生きている設定にしたかった‥という細工と俺は見た訳だ。」
神宮寺「‥で?」
目暮「結論から先‥おっと、もう既に言ってしまったが、松本零士が犯人だ。 松本が左氏を刺した後、風呂場の水か何かを使って左氏に掛けて、雨の中の殺人劇を装った‥どうかね?」

51:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 02:33:33 発信元:61.192.197.206
新宮寺「細工しやすい部分は常に細工されているとでも? ふふ、ではそろそろ私の推理を聞いてもらいましょうか。真犯人はそう、いまどきの切れやすい子供。
突然の雨に切れた少年は通りすがりの左氏を刺殺。左氏を傘代わりにここまでやってきてホテルの置き傘と取り替えて去っていたのですよ。重いから」
目黒「ま、待て。それだと傘置き場から高相さんの部屋まで遺体を動かしたものが別にいることに・・・ハッ!それが松本零士?!」

52:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 03:39:54 発信元:202.229.177.85
「犯人が誰なのかまでは実はまだ解りません。それに関しては、次の一手で調べるつもりでした」神宮寺は手の内を明かした。
「フン、警察も遺体を濡らしたのは正真正銘あの夜の雨だという事ぐらいは調べはついてるよ」目暮はそう言い、神宮寺が有益な情報を持っていない事に安堵と落胆の両方の感情を顔に出した。
「では、警部、行きましょうか。でも我々の次の一手も神宮寺氏と同じかも知れませんがね」高木刑事は現場のビジネスホテルの方を見ながら呟いた。

53:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 04:32:43 発信元:210.136.161.14
現場ホテルに行き、フロントマンに話を聞く目暮と高木。神宮寺は少し離れた所で聞いていた。
目暮「事件当夜、高相氏の連れの女性が帰ったあと、誰かが訪ねて来ませんでしたか?」
フロントマン「ええ、訪ねて来ましたよ。雨が滝のように降っていた時間でしたから、よく覚えてますよ」

54:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 05:11:05 発信元:202.229.177.84
―事件当夜の雨の中、ホテルを訪れた者がいた。離れて聞いていた神宮寺も思わず体を乗り出した。真相はは核心に近づいている。
「その、雨の中、ホテルを訪れたのは、どんな人でした?」高木刑事がフロントマンに尋ねた。
「全身ずぶ濡れでね。死体のような物を担いで入って来ました」

55:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 05:25:20 発信元:124.146.175.21
「なんだって!?」ならば雨の中、現れた人物が犯人に違いない。
「その人なら、防犯カメラに映ってる筈ですよ」フロントマンは防犯カメラの映像を見せた。URLリンク(imepita.jp)
「こ、これは!?」目暮と高木、そして神宮寺は戦慄をおぼえた。

56:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 05:35:45 発信元:202.229.176.36
~第2章~
ここに死体を捨てないでください

57:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 08:17:26 発信元:124.146.175.48
刑務所を今、出所した男を雪の空が迎えた。「せっかくの出所の日が雪か‥‥」男は、ため息混じりに呟いた。
男の名は塩見味平。調理人である。拉致監禁の罪で服役していた彼は今日、久方ぶりに娑婆の空気を吸った。
かなり早い出所となった経緯は彼が深く反省している事と中での態度が模範的である事から仮釈放が認められたのだ。お上にも慈悲はあるのである。

58:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 10:26:20 発信元:61.192.197.151
立ち去る塩見味平の背中を黒塗りのベンツの中から見送る男がいた。
(塩見・・・貴様があの女をかばい罪を被ったことは分っている。だがそのおかげで彼女は更なる罪を重ねようとしている・・・もう一度会うのだ、成歩堂龍一に。全ては・・・
「検事、看守がガン見してるんでそろそろ発車していいスか?」

59:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 11:55:57 発信元:111.86.142.208
-再びMGIホテル-
高木刑事「しかし、なんでスネ夫がこのホテルに‥、」
目暮警部「たまたまだろ、それよりスネ夫が担いでいたモンは左氏なのか?」
神宮寺「左氏‥でしょう。 でもこの時は刺した形跡は無いように見えます。」
高木「てか、なんでスネ夫は左氏を担いでいたんでしょうか?」
目暮「‥‥。」

60:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 12:32:13 発信元:202.229.177.74
「検事、前スレ読んで出直しましょう。塩見味平は女庇ったりしてません。」
「前スレ読むには●が必要だしな、うーん、」
勘違いした黒塗りの高級車は立ち去った。

61:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/11 12:40:48 発信元:202.229.177.75
何かブツブツ言いながら横を走り去った黒塗りの車を訝しげに見ながら塩見味平は、また溜め息を吐いた。
やたら面会に来ていた船越も調子のいいことばかり言ってたが、今や音信不通だ。出所するというのに出迎えにも来ない。
一緒に捕まった高遠遙一にしても自分だけさっさと脱獄して以後全く連絡も無い。塩見味平は行く宛も無かった。ただ、刑務所から少しでも遠くに離れたかった。だから歩いているだけだった。

62:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/12 00:52:58 発信元:111.86.142.201
塩見味平「今日は、どこかのホテルに泊まろう‥。」
適当にホテルらしき建物を物色する塩見‥。
塩見「ここにするか‥。」
目の前にはMGIホテルが。

63:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/12 01:11:57 発信元:202.229.177.52
ホテルの脇を通る塩見味平はホテルのラウンジに見知った顔がいるのに気づいた。―忘れもしない、自分と高遠を逮捕した刑事だ。
別に後ろ暗い事は無いが、塩見味平はそのホテルには入らず通り過ぎた。何となく気が引けたのだ。
塩見味平はこのホテルからも離れたいかのように歩調を早めた。

64:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/13 02:10:04 発信元:111.86.142.198
塩見味平「仕方が無い、今日はここにしよう。」
塩見はとあるインターネットカフェに入店した。

65:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/13 11:12:29 発信元:61.192.197.239
「ひっ、塩見味平」
身分証の提示を求められるまま提出すると顔を青くす女性店員。そういえば世間では俺はまだ服役中だったなと、何か言い訳を
したほうがいいだろうかと考える味平だったが不運は重なるもの。不審者の聞き込みに来た高木刑事が入店してきたのだった。

66:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/14 16:10:53 発信元:111.86.142.201
高木刑事「あれ? 何でお前ここに居るの?」
塩見味平「はぁ‥、お陰様で仮出所出来まして。」
高木「そうか、良かったな。」
塩見「ただ、泊まる所が無くて‥。」
高木「それでインターネットカフェか‥、時代も変わったモンだ。 ま、せいぜい元気で頑張ってくれや。」
塩見「‥はぁ。」

67:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/14 17:47:58 発信元:202.229.177.18
塩見「今日は柊まいんちゃんのマンコ画像でも探すか…」
高木「あれっ!?お前もまいんちゃんのファンなの!?」
塩見「はぁ…特に全裸のまいんちゃんが最高ですね」

68:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/14 22:22:16 発信元:124.146.175.46
降りを増して大雪となった空。塩見味平はネットカフェに泊まる事にした。
成り行きとはいえ娑婆に出て最初の夜をこんな所で過ごす事を嘆いた。
ネットカフェはイメージしてたよりは静かで、疲れていた塩見はネットカフェのリクライニングソファーで深い眠りについた。

69:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/15 12:33:59 発信元:111.86.142.206
塩見味平「あ‥、どれくらい寝ちまったんだ‥。」
時計を見るとp.m.12:30だった。
そろそろ出ようと思ったが、
塩見味平「せっかく目の前にパソコンがあるんだからちょっと検索していくか。」

70:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/17 04:07:34 発信元:202.229.177.33
一泊だけのつもりだったネカフェが意外に快適だった味平はズルズルネカフェに滞在してしまった。
きちんと宿をとるより圧倒的に安いし、飲食物に困らないし、それに―
行き場所の無い自分には相応しい場所な気がした。ここには自分に近い境遇の人間もたくさんいるし・・・

71:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/19 03:13:46 発信元:124.146.174.162
しかし、いつまでも此処にいるわけにはいかない。塩見味平は、また歩き始めた。
彷徨うように歩き続ける味平に後ろから声をかけてくる男がいた。
「―塩見、塩見味平だな。クククク‥‥」お洒落殺人鬼スネ夫であった。

72:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/19 03:29:26 発信元:111.86.142.205
塩見味平「おたく誰?」

73:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/19 06:31:21 発信元:202.229.177.22
「クククク‥‥今、計画中の殺人ショーに手を貸せ。クククク‥」スネ夫は愉快そうに笑うが、味平はスネ夫が何がそんなに愉快なのか理解できなかった。
地獄の傀儡師だとか、お洒落殺人鬼だとか、どうしてそんな奴ばかり自分に近づいて来るのだろう?―味平は我が身を呪った。
「行くあても無いのだろう。一緒に来い。オレは高遠みたいに薄情じゃない。クククク‥」このスネ夫という人物、信用していいものか?味平は少し考え込んだ。

74:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/19 20:27:54.78 発信元:111.86.142.206
塩見味平「アンタ、高遠を知ってんのか?」
スネ夫「だったらどうする、ククク」
塩見味平「ヤツは絶対に許せん!」
スネ夫「だったら着いて来いよw」

75:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/19 22:34:38.06 発信元:202.229.177.26
「この世界では、オレと一緒にいるのが一番安全なのだよ」お洒落殺人鬼は味平を諭すように言った。
あながち間違いでも無い。スネ夫と同行してる人物が一番安全なのは来生たかおを見てもわかる。
「……手を貸せと言うが、オレに何をさせる気だい?」味平はスネ夫に尋ねる。既に味平は、お洒落殺人鬼の手駒になりかけている。

76:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/20 11:28:04.35 発信元:111.86.142.198
塩見味平「俺は高遠に復讐してやりたいんだ!」
スネ夫「俺様の計画のお手伝いをしてくれたら好きにさせてやるよ、ククク。」
どうする、味平!

77:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/21 21:42:09.49 発信元:202.229.177.11
「ククク‥‥。高遠みたいな雑魚の事など、どうでもよくなるほど、これからやる事は大きな山だ。」
「‥‥大きな山?」
2人は北に向かって歩き始めた。

78:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/22 13:25:30.56 発信元:124.146.175.11
塩見味平はスネ夫に茨城県の牛舎に連れて来られた。「見ろ、」スネ夫は牛舎にある立て看板を指した。
『ここに死体を捨てないでください。』と看板には書いてあった。
「ここが?何?」「ククククククク‥‥」

79:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/22 13:43:36.80 発信元:202.229.176.28
「いつも死体の始末を牛舎でしていたんだけど、最近うるさくなってな‥‥」スネ夫は苦々しく言いながら味平の方を向き話を続けた。
「そこで味平!おまえに鉄板焼きの店を1つ任せたいんだがな。ククク‥‥」
「???」塩見味平はスネ夫の目論見が全く理解できないでいた。

80:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/22 15:46:47.36 発信元:210.153.86.21
―数日後。繁華街に突然できた鉄板焼店『boneーriver』そこで塩見味平は店長兼コックとして働いていた。
行く宛無くさまよっていた味平は、スネ夫によって店を任され、張り切って店を切り盛りしていた。オープンしてまだ数日だが看板メニューの『スペシャル焼肉』が大人気だ。
味平「とにかく俺は頑張って店を大きくするだけだ!」

81:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/22 15:49:34.99 発信元:210.153.86.194
客「マスター、このスペシャル肉って何の肉なんだい?」
味平「それは食べてみてのお楽しみで。多分、お客さんが今まで食べた事の無いような美味しい肉ですよ」
客「じゃあ、スペシャルをお願いするよ」

82:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/23 12:06:32.36 発信元:111.86.142.204
と、そこに船越英一郎が!
船越「味平、やったなぁ! 立派な店じゃないか。」
塩見味平「ありがとうございます。 僕はもう大丈夫です。」
船越「そうかそうか、それでいい。」

83:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/23 14:33:00.63 発信元:210.136.161.7
味平「せっかくですから食べて行ってくださいよ」
船越「じゃあ、餃子とチャーハン、ポテトサラダにビールを頼むよ」
味平「‥‥。あの、うちは鉄板焼‥‥。」

84:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/23 16:55:09.08 発信元:111.86.142.203
客「ここは山田うどんじゃねぇんだ、バカチンが!」
船越英一郎「あ? 何か言ったか、百姓がっ!」

85:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/24 12:23:52.91 発信元:111.86.142.208
客「よく聞こえなかったなぁ‥、チンピラさんよ。」
塩見味平「あの‥、ここは鉄板焼屋なんでケンカはちょっと‥。」
船越英一郎「ふ‥、味平に免じて聞かなかったコトにしてやるよ。 コジキ野郎がっ!」

86:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/24 13:14:36.67 発信元:202.229.177.60
そんな賑やか過ぎる鉄板焼『boneーriver』だったが、味平は充実していた。やっぱり自分は調理師としてしか生きていけない。
この店には絶対に漏らす事のできない秘密があるのだが、味平はあえてそれに目をつぶっていた。
店は大盛況。今は、成功の美酒に酔う事にしよう。塩見味平は戻る事のできない領域に足を踏み入れていた。

87:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/24 13:18:28.53 発信元:202.229.177.61
~第3章~
嘆きのフェチスト

88:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/24 14:55:54.60 発信元:124.146.175.43
虻能丸は自宅の杉並区のボロアパートでアニメ『ふしぎなメルモ』のDVDを観ていた。
エンディングテーマの「♪だまって、放っておかれない~おかれない~」の大人の体になったメルモが尻を振るシーンを連続再生しながら自慰にふけっていた虻だった。「ハァハァ‥‥」
―ジリリリリン。虻の部屋の電話が鳴る。ナンバーディスプレイなど無くても誰からなのかは出なくても分かる。高遠遙一か汚死魔栗男のどちらかだろう。

89:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/24 15:35:30.84 発信元:111.86.142.200
虻能丸「‥誰だ!」
??「‥‥。」
虻能丸「‥誰だって訊いてるんだよ、コノヤロー!」

90:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/24 15:53:39.32 発信元:202.229.177.63
『誰だと言ってんだよコノヤロー』は、虻本人である合い言葉であった。電話は地獄の傀儡師・高遠遙一からであった。
そもそも虻の部屋に電話してくる者は高遠か汚死魔だけだ。
『集合』の知らせだ。高遠の一見しょうもない計画は虻の異常な欲望を満たすに充分なのだ。虻は身仕度を慌てて済ますとボロアパートをあとにした。

91:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/26 18:27:41.43 発信元:124.146.175.46
虻能丸は待ち合わせの場所に着いた。既に地獄の傀儡師・高遠遙一と汚死魔栗男は来ていた。
「虻、待っていたぞ。そろそろ次の地獄計画に入るぞ。クククク‥‥」高遠がまた『地獄計画』なる珍妙な計画を立てたようだ。
高遠の脇で汚死魔は呆れたような顔をしているが、虻は、高遠の、しょうもない計画が大好きだった。今回も変態的好奇心を満たしてくれる計画に違いない。

92:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/27 15:44:20.63 発信元:111.86.142.208
-警視庁-
目暮警部「結局、左とん平殺人事件はどうなったんだ‥。」
高木刑事「思ったより証拠が出てこんのですわ。」


93:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/27 17:56:04.95 発信元:210.153.84.204
目暮「あれはスネ夫が犯人で解決したろ?」
高木「何でスネ夫が犯人なら終わりなんですか!犯人だったら捕まえましょうよ!スネ夫を」
目暮「‥‥。また、そんなトーシロみたいな事言うか高木‥‥。」

94:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/28 05:06:14.14 発信元:111.86.142.200
増田刑事「なんでスネ夫は全国指名手配にならないんでしょうか?」

95:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/28 12:26:33.96 発信元:218.224.152.154
目暮「金・・・金の力だろうね」


96:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/02/28 14:49:55.72 発信元:202.229.176.55
「冗談っスよね?」高木は目暮の顔を覗き込みながら言った。
「当たり前だ。とん平の事件なんか蒸し返すな。高木、昼飯は食ったのか?」目暮は腹が減って、とん平どころでは無かったのだ。
「まだ食べて無いに決まってるじゃないですか‥‥警部と朝からずっと一緒にいるでしょ‥。」高木は呆れ顔で返した。目暮警部は腹が減り過ぎると思考力がゼロになるようだ。

97:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/01 01:47:47.24 発信元:111.86.142.197
目暮警部「もういい、メシにする!」
と、目暮が食事に出たところで船越英一郎とバッタリ。
船越「警部~、たまには一緒にメシ食いに行きましょうよ。」

98:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/02 00:20:48.11 発信元:111.86.142.198
目暮と船越は近くの山田うどんに入店した。

99:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/02 00:25:19.70 発信元:111.86.142.199
店員「いらっしゃいませ、ご注文は?」
船越「餃子とチャーハン、ポテトサラダにビールでよろしく。」
目暮「昼間からビール‥か、いい気なもんだな。」
船越「警部もどうです? たまには。」

100:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/02 11:48:40.27 発信元:210.153.84.113
目暮警部「国家公務員だぞ私は!役者みたいな自由稼業みたいに昼間から酒が飲めるかよ!」
船越英一郎「‥‥なんか棘のある言い方しますねぇ、捜査うまくいってないんスかぁ?」
目暮警部「パンチセット。温かいうどんで‥‥」

101:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/04 21:23:53.64 発信元:202.229.177.72
「‥‥味平が、ね」船越英一郎が不意に話し始めた。
「塩見味平が?」目暮が促すと船越は話を続けた。「鉄板焼きの店なんか始めてるんですよ。いつか店出したいなんて言ってたけど、ム所出てすぐ店出すなんて頑張ったんだなアイツ‥‥。」「ほう。」
その頃、船越の餃子以外はテーブルに並び、超空腹だった目暮はパンチセットのもつ煮に早々と箸をのばしていた。

102:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/04 23:41:48.61 発信元:111.86.142.204
船越「山田の餃子は頼んでから遅いのが難点なんでスよね。」
目暮「それを注文するアンタが悪い。」
船越「‥おっしゃる通りデス。」

103:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/05 00:35:13.74 発信元:210.136.161.170
店員「ギョウザお待たせしました。」
船越英一郎「来た、来た、うひょひょ。」
目暮「‥‥(幸せな男だな、まったく)」

104:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/05 09:44:49.16 発信元:111.86.142.199
目暮「‥奴(塩味)は、高遠遙一とは切れたのかね?」
船越「そうでなければ困るんですが‥ま、大丈夫でしょう。 本人も僕はもう大丈夫ですって言ってましたし‥。」

105:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/06 02:55:59.47 発信元:124.146.174.162
その頃、地獄の傀儡師・高遠遙一は、汚死魔栗男、虻能丸と共にヤオコーに来ていた。
ヤオコーのベーカリーショップでカレーパンを3個買い、ショップ脇の飲食ブースで70円のホットコーヒーも3つ買った。椅子に座り、パンとコーヒーを味わう3人。
「クククク‥‥」いよいよ高遠遙一の口から、今回の地獄計画の全貌が明らかになる。

106:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/07 12:47:20.41 発信元:111.86.142.201
汚死魔栗男「なぁ‥、」
高遠遙一「なんだ?」
汚死魔栗男「金になる仕事がしてぇモンだな、こんなシケたところじゃなくてもっとウマいもんが食いてぇんだよ!」

107:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/07 12:50:36.73 発信元:111.86.142.204
虻能丸「全くだ、高遠サンは金持ちか解らんが俺たちは貧乏ヒマ無しの身分なんでね‥。」

108:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/07 14:55:44.50 発信元:202.229.177.40
ピシン!ピシン!ピシン!ピシン!
地獄の傀儡師・高遠遙一の連続ビンタが汚死魔栗男の頬を打つ!高遠の得意技『地獄ビンタ』だ!
「舐めた口を叩くな!」高遠遙一の表情が般若に変わった。

109:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/07 15:01:29.52 発信元:202.229.177.40
「‥す、すいません。言ってみたかっただけなんです」汚死魔栗男は土下座して高遠に詫びた。
汚死魔は金持ちのボンボンだ。金になる事とか言ったのはワルぶって言っただけだ。
土下座する汚死魔の写真を撮る虻は勃起していた。高遠が虻に地獄ビンタをしなかったのは、虻の場合は喜びそうだったからだ。

110:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/07 23:38:33.84 発信元:124.146.175.36
「少し、脱線したな。では地獄計画の概要を話そう」地獄の傀儡師は改めて計画の話を始める。
虻能丸はワクワクしながら話を待つ。今回も彼の変態的好奇心を満たす計画に違いない。
「クククク‥‥」あまりの壮絶な計画らしく、話し始める前から地獄の傀儡師は笑い出した。恐怖の地獄計画がいよいよ動き出すのだ。

111:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/08 17:01:17.20 発信元:111.86.142.206
汚死魔栗男「早ょ語れや‥ウスノロ!」
高遠遙一「何か‥言ったか?」
汚死魔栗男「いや、別に‥。」

112:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/10 18:51:04.49 発信元:202.229.177.58
ヒソヒソと語り終えた3人はヤオコーのフードコートから出て、歩き始めた。
特に虻能丸が意気揚々と歩いてる。いよいよ恐怖の地獄計画がスタートするのだ。
3人は埼玉県鴻巣市に向かって行った。

113:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/11 20:25:16.47 発信元:111.86.142.198
汚死魔栗男「おいおい‥‥、歩いて行くかよ!」
高遠遙一「何か‥言ったか?」
汚死魔栗男「‥‥。」

114:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/12 16:58:16.13 発信元:210.136.161.13
高遠遙一「カレーパンだけじゃ不満そうだから、ホルモンでも食うか‥‥。」
汚死魔栗男「鴻巣でホルモンなら『鴻巣ホルモン』ですよね、高遠のアニキ。うひょ」
高遠遙一「地獄計画はホルモン食ってからにしよう。クククク‥‥。」

115:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/13 08:00:41.40 発信元:61.192.197.162
そして宮城県に辿り着く3人。
「え、何で宮城?!」慌てふためく汚死魔に高遠は言う。
「ククク、ホルモンを食うとはいったがどこで食うかは言っていない。炊き出しでホルモンをゴチになるまで俺達はここで震災ボランティアだ、クククク・・・・」

116:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/13 10:45:16.03 発信元:111.86.142.208
汚死魔栗男「冗談じゃねーよ‥、ボランティアなんかヤってる身分じゃねーだろ!」
高遠遙一「何か‥言ったか?」
汚死魔栗男「‥‥。」

117:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/13 12:57:01.72 発信元:202.229.176.70
「冗談に決まってるだろ。交通網が断絶してるから宮城に行くのは不可能だ」高遠遙一は尤も当たり前な事を言った。
『鴻巣ホルモン』に入店し、ホルモン焼に舌鼓をうつ3人。
「クククク‥‥。」3人がホルモン焼を食い終わる時、いよいよ恐怖の地獄計画が発動するのだ。

118:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/13 15:08:03.90 発信元:111.86.142.205
虻能丸「しかし‥東北はリアル"地獄"だな。」
汚死魔栗男「あぁ、心中察するよな。」
高遠遙一「何か‥言ったか?」
虻能丸・汚死魔「‥‥。」

119:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/15 23:44:09.87 発信元:202.229.177.48
「とりあえず食おうクククク…」
無心に食べ続ける高遠遙一につられて汚死魔と虻も箸を進める。
地獄作戦前の腹ごしらえである。

120:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/17 11:44:53.12 発信元:111.86.142.197
汚死魔栗男「しかし、こんなご時世に何考えてんだ‥、このオッサンは。」
虻能丸「まぁ‥いいじゃんw それにしてもこのホルモンうめぇな。」

121:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/18 14:23:47.13 発信元:122.215.71.108
余談であるが、高遠一行が食している数量限定メニュー『スペシャルホルモン焼』の食材の仕入先は
鉄板焼店『boneーriver』の『スペシャル焼肉』と仕入れ先が同じであることをここに記しておく。

122:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/19 17:19:11.84 発信元:111.86.142.200
つまり、この『鴻巣ホルモン』って店はスネ夫配下の店だった訳ですな?

123:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/19 18:47:13.83 発信元:202.229.177.11
「ヲイヲイ、実在する店をスネ夫傘下の店にするなよ」
高遠遙一、汚死魔栗男、虻能丸の3人は腹を満たし、店を出た。
「クククク‥‥」いよいよ地獄計画が始まる。

124:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/21 07:44:58.92 発信元:111.86.142.197
-警視庁-
高木「しかし東北のメンバーは、相当辛そうだな。」
増田「同期も被災したんです‥、命だけは助かったんでホっとしてはいるんですが。」

125:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/21 11:55:28.36 発信元:61.192.197.176
汚死魔(楽しいと時間立つの早く感じるって言うけど、こいつとメシ食っても詰まんないんだよな。一週間くらいホルモン食い続けてた気がする・・・)
虻能丸(同感。もう、こいつ殺っちゃおうぜ・・・)
先頭を歩く高遠は2人が少しずつ距離を開けていくのに2重の意味で気付かないのだった。

126:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/22 00:03:42.87 発信元:202.229.176.53
ピシン!ピシン!ピシン!ピシン!
いきなり汚死魔栗男に地獄ビンタを食らわす高遠遙一
「貴様!よからぬ事を企んでるな」地獄の傀儡師・高遠遙一は気配だけで汚死魔栗男の心を読んだのだ。

127:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/22 00:11:14.87 発信元:202.229.176.53
「す、すいません高遠さん。そんなつもりじゃないんです」汚死魔は土下座して高遠に許しを乞うた。
土下座する汚死魔の前で仁王立ちしてる高遠を写真に撮る虻能丸。また特殊な変態的趣味の写真が増えたと喜ぶ虻。
「(もう嫌だ、さっさと地獄計画だか何だかを終わらさせて帰りたい‥‥)」土下座しながら汚死魔は泣いた。

128:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/23 00:06:56.94 発信元:111.86.142.200
汚死魔栗男「(通報してやるから覚えてろよ、チンカスがっ!)」

129:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/24 12:47:39.55 発信元:210.136.161.10
高遠遙一「いよいよ地獄計画スタートだクククク‥‥」
汚死魔栗男「(さっさと終わらせましょうね。ハイハイ)」
虻能丸「ハァハァハァハァハァハァ‥‥」

130:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/24 17:36:42.58 発信元:111.86.142.207
虻能丸「ハァハァハァハァハァハァ‥‥早く始めてくれませんかねぇ。」
汚死魔栗男「右に同じ!」

131:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/25 10:37:05.04 発信元:122.215.71.108
「クククク、恐怖の地獄計画はこの投函から始まるのだ!!! ククク、クケーーーーッ!! コココココ……」
ポストへ押し込まれる十数通の封筒。そう、今回のターゲット(その他にぎやかし)への招待状に鴻巣市の消印をつけるためだけに埼玉へ来ていたのだ。
「うっ、気持ち悪ぅ」興奮のあまり射精してしまった高遠だったが、地獄企画の最大の山場にはこの汚したパンツで挑もうと心に誓うのであった。

132:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/25 14:22:24.16 発信元:111.86.142.202
虻能丸「‥‥。」
汚死魔栗男「なぁ、俺たち帰っていいか?」

133:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/26 05:20:31.63 発信元:124.146.174.161
「地獄計画については説明した筈だ。投函とか射精とかは荒らしが書いた事だからスルーすればよい」冷静沈着に地獄の傀儡師・高遠遙一は言う。
「では、早く地獄計画をやっちゃいましょうよ、食いもんはもういいですから」汚死魔栗男は拘束時間の長さにうんざりして苛立った顔で呟く。
「よーし、地獄計画スタートだっ!クククク‥‥」高遠遙一の不吉な笑い声が地獄計画の幕開けを告げた。ついに恐怖の計画がスタートするのだ!

134:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/26 13:37:54.82 発信元:111.86.142.200
汚死魔栗男「(‥高遠のオッサン、まだターゲット決めて無えんじゃかいか?)」
虻能丸「(‥‥お前もやっぱ、そう思う?)」

135:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/27 13:10:16.29 発信元:61.192.197.155
汚死魔はニヤニヤしながら高遠の肩に手を置きこういった「もう・・・起きていいですよ・・・」
虻能丸も笑いをこらえながら続く「夢オチに・・・するんでしょう・・・・・・プ」
そして2人は我慢しきれず自分達のジョークに笑い転げるのだった。

136:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/29 12:42:05.05 発信元:202.229.176.12
「この大震災も夢なら、どれだけいいか‥‥。」高遠遙一は夢だの何だのと茶化す汚死魔と虻を悲しそうな目で見た。
「夢なら良かった。―だが、夢だったで済まされるのはfictionの世界のみ‥‥。」高遠の目がギラリと迸る。
「地獄計画は現実なのだクククク‥‥」いよいよ恐怖の地獄計画が実行される。もう、誰も止められない。

137:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/29 16:16:30.87 発信元:111.86.142.206
虻能丸「(引くに引けなくなっちゃったようですね‥‥)」
汚死魔栗男「(そのようでスなw)」

138:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/03/30 11:56:01.86 発信元:124.146.174.133
一方、その頃、塩見味平は任されている店『鉄板焼 boneーriver』を忙しく切り盛りしていた。
看板メニューの『スペシャル焼き』の肉が旨いと評判で、常連客も付いた。オープンして間もない店にしては繁盛している方だ。
味平は知っている。スネ夫が調達してくるスペシャル焼き用の肉の出どころを。だが、味平は深く考える事を放棄し、日々の忙しさに身をまかせ、一生懸命働いていた。

139:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/02 03:48:25.52 発信元:124.146.175.54
タクシードライバー夜明日出夫は、とある住宅街で乗客をおろすと一息ついた。金曜の夜ともなれば普段よりは乗客も多い。
「腹も減ったし、何か食うかな‥‥。」夜明はひとり車内で呟くと、車を徐行させ飲食店を探した。
数ある飲食店の中に、一際良い匂いを漂わす鉄板焼の店が目に映る。「ここにするか‥‥。」

140:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/02 10:57:53.11 発信元:111.86.142.206
夜明日出夫「ほぅ、なかなか繁盛している店だな。」

141:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/04 11:11:55.77 発信元:202.229.177.68
夜明ヒデオは店ねドアを開ける。「いらっしゃいませ」と若い店主の声が響く。夜明は空いているイスに座る。店はかなり賑わっていた。
注文を聞きに来た若い店主の顔を見て、夜明は「おや?」と思った。どこかで会った事がある顔なのだが――?
店主の方も夜明に気づいてない様子から会った事があるような気がするのは気のせいかもと夜明は思った。初めて入った店なのでオススメメニューのスペシャル焼きを注文する夜明であった。

142:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/06 09:03:01.34 発信元:124.146.175.52
「うまい!」
夜明は、ぶらりと入った店『boneーriver』のスペシャル焼をひとくち食べて歓喜の声をあげた。
「こんなに旨い肉は食べた事がない‥‥。」この味なら繁盛するのは当然だろう。しかし、今まで全く知らない新しい味の肉に夜明は不思議な思いを抱いた。

143:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/06 11:46:25.41 発信元:111.86.142.205
夜明日出夫「こりゃ、目暮のオッサンに教えるしか無いな、うん。」

144:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/09 05:55:43.14 発信元:202.229.177.4
その目暮は、トリック博士邸にいた。四天王の定例会食の日である。
医学生の土井塔克樹、小説家の倉阪鬼一郎、俳優の船越英一郎、そして目暮の4人が集まり、トリック博士と楽しい夕食を食べながら談義していた。
「フォッフォッフォッ」トリックの独特な笑い声が響く。今日はトリック博士が編み出した新しいトリックを披露してくれる予定だ。

145:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/09 22:16:46.26 発信元:111.86.142.205
船越英一郎は「熱中時代」を観ていた。
船越「僕が校長先生の役で出ているんです。」
トリック「英さんのお父さんもかつて校長先生役で出演ましたな、ホッホッホ。」

146:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/09 22:22:57.60 発信元:111.86.142.198
目暮警部「水谷豊主演の時はリアルタイムで観てたなぁ。」
トリック「ホッホッホ。」

147:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/10 18:14:46.44 発信元:210.136.161.11
目暮「土井塔くん、前スレも血洗島の途中から出なくなったけどどうしてたの?」
土井塔「‥‥前スレ‥‥。ずいぶん前の事のように感じるのは気のせいでしょうか?」
トリック博士「フォッフォッフォッ」

148:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/11 09:48:32.18 発信元:124.146.174.161
「久々にこのメンバーが揃ったんですから、アレやりますか‥‥。」倉阪鬼一郎が不意に呟いた。
「フォッフォッフォッ、例のアレじゃな、フォッフォッフォッ」トリック博士は笑いながら倉阪に返す。
「どうもスレが停滞してる。緩みっ放しぢゃからのぅ。ここらで本格推理リレー小説の醍醐味をお見せするとしますかの。フォッフォッフォッ」

149:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/14 09:56:31.58 発信元:202.229.176.1
トリック博士邸に来てからずっと黙っていた船越英一郎が突然ガタッと立ち上がった。
「‥‥どうしました船越さん‥‥?」船越の物凄い形相に一同は驚いて尋ねた。
「トイレに行って来ます!」船越がおとなしかったのは糞を我慢していたからだったようだ。

150:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/14 11:38:00.22 発信元:210.136.161.9
目暮「あの‥‥博士。何なんでしょう、この、保守してるだけのような展開は?」
トリック博士「ホッホッホ、ペースは遅い上に話が全然進んでおらんのう、ホッホッホ」
土井塔克樹「携帯の規制、全然やらなくなったから、みんなシベリアに来る必然性が無いんじゃないですか?」

151:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/15 04:03:17.52 発信元:61.192.197.131
トイレから戻った船越はその光景に愕然とする。皆、食後のデザートにアイスクリームをパクついているではないか。
もちろん船越の席にもアイスの小皿はある。だが皿の上には溶け残ったアイスの跡がわずかに残るのみだった。
「警察だ、皆そこを動くな!」現場保全に走る目暮。衆人環視の中、いったい誰が船越のアイスを盗み食いしたのか?!

152:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/15 14:29:30.09 発信元:111.86.142.199
船越「警部‥‥、口の周りにアイスがくっついてますよ‥。」

153:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/15 14:34:40.27 発信元:124.146.175.34
トリック博士と倉阪鬼一郎が顔を見合わせ笑う。「ホッホッホ、さて船越さん。推理してみたまえ。貴方がトイレに立った間にアイスを食べたのは誰か?」トリック博士はいきなり船越に『出題』をした。
「なんスか?いきなりィ~まいったなァ」いつもの調子でおどける船越英一郎。しかし彼は、この突然の出題の答えがすぐに解っていた。
「ホッホッホ、その顔は、もう解けておるの、さすが四天王の一角ぢゃ‥‥」トリック博士の問いに船越英一郎が答えたのは―――。

154:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/15 19:38:44.31 発信元:118.159.131.33
船越は何も言わず冷蔵庫へ向かい、冷凍室の扉を開いた。そこには、一部溶けた痕の残るアイスクリームが、丁寧にラップで包装されていた。
「この中の誰かが僕の分を食べたとすると、その人物は他より多くデザートを食べたことになる。そのような抜け駆けがこのメンバーの中であれば、間違いなく乱闘に発展するだろう。しかし、そのような形跡は見えない。
きっと僕の長い奮闘を慮り、気を利かせて冷凍庫に入れてくれたのでしょう。」船越は静かに語った。

155:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/16 03:03:42.72 発信元:111.86.142.203
目暮警部「(冷凍庫に隠して置いただけなんだが‥。まぁいいか。)」

156:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/18 10:30:49.57 発信元:210.136.161.13
トリック博士「ホッホッホ、船越さん。貴方が見つけたアイスはミスリードさせる為に最初から仕込んであった引っ掛けじゃよ。貴方らしい推理を聞かせてくだされよホッホッホ」
船越英一郎「犯人は地獄の傀儡師・高遠遙一です。奴の地獄計画とはアイスの盗み食いだったのです!」
トリック博士「ホッホッホやっぱり船越さんはそう来なくちゃいけません。ホッホッホ」

157:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/18 12:14:06.22 発信元:124.146.174.161
その高遠遙一は、汚死魔栗男、虻能丸と共に地獄計画を実行しようとしていた。
東京都下にある細菌研究施設を襲撃し、細菌兵器に使用される恐ろしい細菌を奪い、それを使ったテロを敢行する正に地獄の作戦であった。
この細菌に感染すると体中に発疹が出て40度を超える高熱が出て80%以上が死ぬという。この細菌を首都圏中でばらまく計画だった。

158:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/18 12:30:29.56 発信元:202.229.177.26
しかし、今、日本は震災で大変な時期であった。これ以上、今の日本をパニック陥れるのには、さすがの地獄の傀儡師にも抵抗があった。
「地獄計画は中止だ。クククク‥‥。」高遠遙一は、そう告げた。汚死魔栗男は嬉しそうに帰って行った。次の計画の時には自分には声をかけないでくれと汚死魔は小声で囁いたが高遠は聞いてなかった。
虻能丸は落胆していた。高遠の計画は虻のフェチズムを満たすような計画では無かった事と、こんな事なら部屋でDVD観ながらオナニーしてた方がマシだったからである。

159:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/18 12:35:06.14 発信元:202.229.177.26
~第4章~
釜揚げしらす弁当殺人事件

160:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/18 12:50:55.46 発信元:111.86.142.206
目暮警部「ふぁ~、今日もヒマだなぁ‥。」
高木刑事「そうですか?」
増田刑事「(やらなきゃイケナイ事はたくさんあるだろうに‥。)」

161:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/18 16:01:33.44 発信元:124.146.175.52
「そうだ、警部、さっきの話の真相は、どうだったんですか?」高木が目暮に尋ねる。さっきの話とは雑談の中、先日のトリック博士邸でのアイス消失事件でのやりとりを目暮が高木と増田に話した件だ。
「あ、あれね。博士が『目暮さん食べてしまいなさい』と言うから船越のアイスは俺が食ったんだ」「それを犯人当てクイズにした‥‥と?」「そゆこと」
「‥‥トリック博士って子供みたいなとこありますね‥‥。」黙って聞いていた増田が笑いながら呟いた。目暮は思う、それがトリック博士の魅力の1つだよな、と。

162:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/18 22:45:02.64 発信元:202.229.176.27
「最近、スネ夫が静かなのが不気味だな‥‥。」宿敵お洒落殺人鬼スネ夫が事件を起こした報告は例の左とん平事件以来、目暮の耳に入ってこない。
「しかし、謎の失踪事件が相次いで起きてるんですよ。お笑い芸人やスポーツ選手がある日突然消えてるんです。」高木は何かスネ夫に関係ありそうな気が漠然としていたが、それを口にはしなかった。
「地獄の傀儡師・高遠遙一らしき人物の目撃情報がありましたが、仲間とパン食ったりホルモン食ったりしただけで現時点で事件性のような物は感じません。」と増田。こちらも実際、何も起こしていない。

163:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/18 23:18:12.03 発信元:210.136.161.14
目暮「しかし、事件も起きないし暇だな……」
増田「警部!何言ってんですか。未解決事件は山積みですよ。」
目暮「……そんな事より、腹減ったな……。」

164:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/19 04:06:22.50 発信元:202.229.177.52
その頃、漫画家の松本零士は昼飯を買いに『ほっともっと』に来ていた。何を買おうか迷っている零士に店員は新発売の釜揚げしらす弁当をすすめた。
ほっともっとはチキン竜田弁当をアイドルタレントをCMに使い、大々的にキャンペーンをしていたが、釜揚げしらす弁当はメニューに新発売シールが貼ってあるだけで店内ポップも何も無い寂しい日陰の新商品であった。
「‥‥じゃあ、それにするかな‥‥。」零士は店員のすすめた釜揚げしらす弁当を買ってみた。

165:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/20 01:34:30.29 発信元:124.146.175.15
仕事場兼自宅に戻った松本零士は買ってきた釜揚げしらす弁当の蓋を開けて絶句した。「……!!」
白飯の上にチョロチョロとしらすが乗り、魚フライ(のり弁で使うのと全く同じヤツ)と1口分のキンピラごぼうが入っているだけだ。「しけた弁当だな……。」
ごはんの上のしらすに添付されてる醤油をかけて食う零士。「ただの醤油ごはんの味だ……」零士は言葉に表せない侘びしい気持ちになり、涙が出た。「2度と買わんぞ、これ…。」釜揚げしらす弁当は現在のほっともっとの地雷メニューに違いなかったな。

166:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/20 02:09:31.49 発信元:124.146.175.12
口直しに茶を飲みながら、零士は窓の外を眺める。「ん、あいつは」零士は顔をしかめた。零士が大嫌いな人物がバカ笑いしながら歩いてる姿が目に映ったのだ。
その人物とは目暮警部。何かにつけて零士に難癖をつけて事件容疑者にでっちあげる最悪な男だ。目暮は部下らしい2人の男を引き連れ、笑いながら調子こいて歩いていた。
目暮の様子から捜査では無いなと思った零士。目暮達の姿はほっともっとの中に消えていった。昼飯を買いにきたようだ。「目暮!貴様も釜揚げしらす弁当買いやがれ!醤油ごはん食いやがれ!」零士は一人仕事部屋で目暮の不幸を願った。

167:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/20 16:39:15.62 発信元:202.229.176.13
「おーい、敏腕警部ーっ!」弁当屋に入ろうとした目暮に話しかける声が車道の方から聞こえた。
停車中のタクシーから夜明日出夫が声をかけたのだ。タクシードライバー夜明日出夫。彼もトリック博士の門下生の1人で目暮とは一緒に数々の難事件に挑んだ仲だ。
「昼飯かい?だったら旨い鉄板焼の店を発掘したんだが…」と夜明。夜明の旨いものレーダーは確かだ。

168:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/22 15:16:31.13 発信元:124.146.175.34
目暮は夜明と共に鉄板ステーキを食いに夜明のタクシーで向かった。残された高木と増田は予定通り弁当を買って署に戻る事にした。
高木と増田は弁当屋『ほっともっと』に入店。「いらっしゃいませ」と店員が迎えた。
「しかし、警部はメシ命だよな‥‥。」「まぁ、あの人は腹が減ってると思考が止まる人だから昼飯くらいは好きなもん食わしてあげましょう」高木と増田はそう言って、自分達の食う弁当を選んだ。

169:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/22 15:25:44.00 発信元:124.146.175.33
「オレ、てりタル竜田弁当!」メニューを見るなり高木は即決した。チキン竜田の弁当は4種類あったが、てりタルが1番ごはんが進みそうな感じがしたからだ。
一方、増田は何にするか迷っている様子だ。店員が「新発売の釜揚げしらす弁当なんかいかがですか?」と増田に薦めた。
「よし、決まった!ステーキデラックス弁当だ!」増田は店員の言葉を無視した。増田は肉食なのだった。

170:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/23 02:48:35.58 発信元:61.192.197.137
3時間後、警視庁のトイレの個室で増田が遺体となって発見される。死因は大量のシラスを喉に詰まらせての窒息死である。そして床に散乱するほっともっとの空容器。
捜査のため昼食を買ったほっともっとへ再び来店した高木はふと気づく。メニューにステーキデラックス弁当なんて無いではないか。ならばいったい増田は何を食べたというのだ?
「す、すみません!お昼に接客していた店員はまだいますか!」

171:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/23 04:03:32.33 発信元:202.229.177.8
一方、鉄板焼の店に向かった目暮と夜明だったが『定休日』の貼り紙を見て落胆していた。
「なんだよォ~期待してたのにぃ」「ごめん警部。今回は諦めよう。別のとこ行こう。おごるからさ」
目暮と夜明は餃子の王将に向かった。

172:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/24 03:35:08.46 発信元:124.146.175.43
餃子の王将で目暮は酢豚定食、夜明は王将ラーメンセットを注文した。
「―今日、行こうとしてた店ね‥」テーブル席で夜明が話し始めた。「‥若い男が1人で営んでる店なんだけどね。その店主、どこかで会った事があるような気がするんだよね‥‥」
「ほう」と目暮は関心が無い調子で呟く。夜明は「どうも目暮さん関連で、どこかで会った事があるような男なんだが‥‥」と、付け足して言った。

173:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/24 14:11:06.29 発信元:202.229.177.14
「あれ、目暮さんと夜明さんじゃないですかぁ!奇遇ですねぇ」ひとりの男が餃子の王将に来店して来るや目暮達に近づいて来た。聞き慣れた声に振り向くと俳優の船越英一郎であった。
「またアンタか……」「船越さん、行動範囲狭すぎですよ……」前々から飯の時間に偶然いつもいつも現れる船越を目暮達は呆れながら迎えた。
席に着くなり船越は「ホルモン味噌炒めと大ライス、あと青りんごサワーだ」とオーダーした。昼間から酒が飲める船越を刑事と運転手は少し羨ましく思った。

174:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/27 04:31:17.93 発信元:124.146.174.130
3人で談笑しながらの昼食―話は例の鉄板焼の店の話題になった。
「その若い店主の店って、もしかしてboneーriverって名前じゃないですか?」「ええ、確か、そんな名前でした」「あ、やっぱり。味平の店だ。それ」「味平?味平って塩見味平かね?」
目暮が塩見味平の名前を出した時、夜明日出夫は完全に思いだした。そうだ、どっかで見た顔―目暮と組んで解決した、拉致監禁事件の2人組の片割れだ。

175:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/04/30 09:38:34.11 発信元:202.229.176.50
「味噌味のホルモン焼きが御飯に合うんですよね~」船越英一郎は大ライスをおかわりした。
おかわりのご飯が来るまでの時間、味噌ホルモンをつまみながら青りんごサワーを飲む船越英一郎「クゥーッ!旨いッ!」
「2杯目のライスは最後、残った味噌炒めを全部ライスに乗せて、ホルモン丼にして食うんですよ!それがもうサイコーなんです。」船越は周りの客の目も気にせず、大声で換気の声をあげた。

176:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/04 06:57:53.71 発信元:210.136.161.13
一方、ほっともっとに戻った高木刑事は先ほど高木と増田を接客した店員を問い詰めていた。
高木「ステーキデラックス弁当なんてメニューに無い筈だ!増田に渡した弁当は何だったのだ!」
店員「‥‥はぁ、たぶん、スペシャルステーキ弁当と言い間違えたのだと思いましたから、スペシャルステーキ弁当をお渡しした筈です。お客様の言い間違えを指摘するのは失礼ですから‥‥」

177:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/04 07:03:30.12 発信元:210.136.161.14
高木「じゃあ聞くが、ステーキ弁当を買った筈の男がどうしてシラスを便所で食って死ぬのだ?」
店員「ハァ、シラス?便所?死ぬ?刑事さん、一体何があったんですか?」
高木「聞いてんのはこっちだ。答えろ弁当野郎!」

178:宣伝
11/05/05 09:44:50.20 発信元:202.229.177.38
絶賛好評発売中
『連続殺人鬼カエル男』URLリンク(mobile.7netshopping.jp)
C)宝島社

179:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/05 10:36:41.10 発信元:111.86.142.203
店員「知らんモンは知らんわ! 言いがかりはヤメろや。」
高木「‥‥。」

180:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/05 16:38:25.33 発信元:202.253.96.244
ペニス一郎「ユッケ弁当ください!」

181:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/06 00:04:55.61 発信元:124.146.175.5
その時、高木の携帯が鳴った。発信者の名前を見て高木は驚いた。「増田―?」
電話にでる高木。かけてきたのは紛れもなく増田刑事であった。「増田、おまえ生きていたのか?」「勝手に殺さないでくださいよ、ふざけて便所でシラス食ってたら滑って転んで頭強打しただけっスよ、念のため一週間ほど入院っスけど‥‥」
―シラスは署の冷蔵庫にあった物らしい。弁当屋に言いがかりをつけてしまった高木は烏龍茶を買って誤魔化して署に帰って行った。

182:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/06 02:53:27.89 発信元:111.86.142.204
高木「増田のヤロウ‥、恥かかせやがって! 覚えてやがれ。」

183:公募
11/05/08 19:26:51.89 発信元:124.214.254.138
都内某所
 
スネ夫「最近調子こいてる有名人挙げてみろや! 気が向いたら処理してやるよ。」

184:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/08 20:56:30.02 発信元:110.163.225.161
ぺニス一郎かな

185:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 04:44:23.32 発信元:202.229.177.10
とぼとぼと署に向かって歩く高木が署に着く手前、目暮警部が後ろから慌てた顔で戻ってきた。「お、高木、事件だ!事件発生だ!」事件の一報を受けた目暮は食事もそこそこにスッ飛んで戻って来たのだ。
「事件ですか?」「そうだ!しらす殺人事件だ!」「あ、増田の件なら奴が勝手にコケただけですよ」「ハァ、増田の件?何を言っておる。つい今し方起きたばかりの殺人事件だ!」
なにやら、人騒がせな増田の件とは別に只ならぬ事件が起きたようだ。高木も目暮に釣られるように早足で捜査一課の詰所に戻った。

186:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 05:00:34.38 発信元:202.229.177.11
一課の捜査本部からの正式発表によると
殺されたのはタレントのRIKACO。全裸にされているものの陵辱の痕跡は無いが、肛門付近に火傷の痕があり、火薬反応が有った。顔面に見事な蜷局を巻いた大便が乗せてあり鑑識の結果、人糞である事が判明。
死因は頭部を貫通する傷痕。至近距離からの銃殺と考えられる。死体の傍らには『ざまみろ糞アマ』と書かれた犯行声明文が置かれていた。そして現場に大量の、しらすが落ちていたのだ。

187:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 06:59:17.10 発信元:124.146.175.47
目暮と高木は捜査の基本である現場に出向いた。肝心なのは初動捜査である。
高木は驚いた。殺人現場は先程、高木が難癖をつけてしまった弁当屋から目と鼻の先の場所だったのだ。
死体は既に片づけられていたが、何か手がかりがまだ残されていないか?目暮と高木は慎重に目を光らせた。―おや?あれは‥‥。目暮が何かに気がついた。

188:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 07:11:40.93 発信元:124.146.175.47
見つけたのは弁当の空容器だった。これは釜揚げしらす弁当に使用される物だ。
「被害者のRIKACOとかいう女は芸能人らしいがどんな人物なんだ?」芸能に疎い目暮は高木に尋ねた。
「背が高くて常に上から目線で調子こいた発言するイヤミな女ですね。顔も本人は美形とでも思っているようですが、皺だらけで性格の悪さが滲み出てるが如く醜く歪んだ卑しい不快極まりない面です」高木が正確に答えると「フン」と目暮は鼻を鳴らした。

189:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 11:18:59.30 発信元:210.136.161.12
その弁当屋に聞き込みをする目暮と高木。高木の顔を見て嫌な顔する店員に構わず質問を繰り出す目暮。
目暮警部「今日、釜揚げしらす弁当を売った人間わかりますかな?」
店員「みんなにススメてるけど買ってくれたのは2人だけですね。そのうちの1人は漫画家の松本零士さんですよ。間違いありません。」

190:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 12:41:05.98 発信元:111.86.142.203
目暮「なにぃ! 松本だぁ?」
高木「(何か‥悪い予感‥)」
目暮「高木‥」
高木「はい。」
目暮「松本零士を重要参考人として引っ張れ、今すぐに‥だ!」

191:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 16:37:14.80 発信元:202.229.177.28
松本零士は仕事部屋でウトウトしていた。昼飯後、ベッドに横になってマンガのアイデアなどを想像していたのだが、天日に干した布団の心地よさに少し眠ってしまっていたようだ。
そんな零士の午後の幸せなひとときを乱暴に階段を上がってくる足音と激しくドアを叩く音がブチ壊した。「―誰だ?いったい」
零士の疑問は来訪者の怒鳴り声で氷解した。「いるんだろ!松本零士!警察だぁ!」声の主はすぐ分かった。‥‥目暮の野郎だ。またろくでもないインネンを付けられるのだろうか?零士は露骨にうんざりした顔になり、腰をあげた。

192:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/09 23:12:55.48 発信元:111.86.142.203
目暮「居やがったか、このしらす野郎!」
松本零士「‥今度は何の用ですか‥」
目暮「お前、この近くの弁当屋でしらす弁当買っただろ!」
松本零士「それが‥どうか?」
高木「‥任意同行願います。」

193:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 03:55:53.94 発信元:124.146.174.161
一方、定休日だった鉄板焼店『boneーriver』の厨房では塩見味平が、せっせと仕込み作業をしていた。店の勝手口から1人の男が入ってきた。この店のオーナーである。
「今日は食材を確保できなかった。鶏ガラみたいな体で食肉には向かない代物だったし、ムカついたから顔に糞ひねっちゃったし‥‥。」入ってくるなり食材の調達係でもあるオーナーは言い訳っぽい口調で言った。
「大丈夫。在庫はたっぷりあるから」塩見味平は笑顔でオーナーに答えると、また黙々と仕込み作業に移った。

194:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 12:15:58.97 発信元:202.229.176.28
弁護士・成歩堂龍一にメールが届いた。発信者は漫画家の松本零士であった。
とある事情(前スレ参照)より、成歩堂は松本零士の顧問弁護士を引き受けていたのだ。松本が連絡をよこすのは大抵の場合、緊急事態だ。成歩堂はメールを読んだ。
『また目暮の野郎に、あらぬ疑いをかけられて連行された。至急、警察署まで助けに来て欲しい。松本零士』成歩堂龍一はため息を吐いた。成歩堂も目暮は大の苦手なのだ。だが、仕事なら仕方ない。成歩堂龍一は身支度を整え、警察署に向かった。

195:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 14:46:17.65 発信元:111.86.142.207
取調室
 
目暮「弁当屋で買ったしらすをどこへやった?」
松本零士「食べたに決まってるじゃないですか!」
目暮「ウソ付いてんじゃねぇ、吐け!」
松本零士「吐けと言われても‥もう消化‥」
目暮「俺はそう言うくだらんジョークが大嫌いなんだよ!」

196:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 18:28:29.60 発信元:202.229.176.56
「フン、漫画界の重鎮だの大御所だの言っても、あんな390円のシケた弁当食ってるようじゃ、生活苦しいんじゃないの?大先生よ。ヤマトと999以外たいしたの書いてないしなぁ」
目暮はわざと怒らせるような口調で零士を煽った。人間、腹を立てると口を滑らすものだ。しかし零士は目暮という男に心底あきれているのか何の反応もしなかった。
「生活苦でRIKACOに借金でも頼みに行ったんだろ!そしてアンタはヤマトと999しか描いてない才能枯れた年寄りに貸す金は無えよゴミ漫画家野郎!とかRIKACOに罵られてカッとなって殺した!違うか?」目暮はいつもの勝手な創作推理を零士にぶつけた。

197:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/10 22:13:46.98 発信元:202.229.176.53
松本零士「RIKACOなんてのに会った事も無いし、金に困ってもいないし、昼飯に何を食おうが勝手じゃないですかな?」
目暮警部「死体のそばに大量のしらすとしらす弁当が入っていたと思われる容器が落ちていたんだ。それをどう説明する?」
松本零士「‥‥現場の近くの弁当屋でしらす弁当と買ったというだけで何で疑われなきゃならんのだ?」

198:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/11 08:33:56.30 発信元:210.153.84.201
高木刑事「松本さん。大事な事だから正確に答えて欲しいのですが、釜揚げしらす弁当はどこで食べて、弁当の容器はどうしました?」
松本零士「ん?弁当は仕事場で食ったよ。さっきアンタらに連行された場所だ。容器はゴミ袋に入れたな。まだ仕事場にあるんじゃないか?」
目暮警部「高木、何でそんな事を聞く?‥‥‥あ!」目暮はある『見落とし』に気づく。

199:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/11 10:12:06.59 発信元:202.229.176.32
「ほっともっとで、のり弁を買うとソースが付いてくるが、オリジンで、のり弁を買うと醤油が付くんだ。」目暮は何かを思いだしたように喋りだした。
「白身魚のフライなら普通は醤油だろ?ソースを付けてよこすほっともっとは納得がいかん。海苔の下のカツオ節もオリジンのは見事な削り節なのに、ほっともっとのは佃煮みたいに妙にしょっぱい落第点のカツオ節だ。ありゃ駄目だ!」
目暮警部は味はほっともっとよりオリジン弁当の方が上と見ているようだ。「まぁ、そんな事はどうでもいい、本題に入る‥‥。」目暮は捜査上での疑問点を語り始める。

200:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/11 21:17:13.07 発信元:124.146.175.9
「もし、あんたの言うように、弁当の空容器が仕事場に残っていれば、あんたの容疑は晴れる。今、捜査員をあんたの仕事場に向かわせた」目暮は松本零士に苦々しい口調で言った。
犯人は空容器を現場に残して立ち去っている。零士の仕事場からしらす弁当の空容器が見つかれば犯人は零士とは考えにくい‥‥‥
取り調べ室のドアが開き、入ってきた婦警が目暮に耳打ちした。「弁護士の成歩堂先生がお見えになってます‥‥。」

201:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 04:00:23.73 発信元:210.153.84.202
目暮警部「弁護士が来たみたいだ。まぁ、今日のところは、このくらいで勘弁してやろう‥‥。」
松本零士「なんでこの局面でそんな強い事言えんだよ。どう見ても俺、犯人じゃないだろ?」
目暮警部「いや、弁当の容器を2つ使ったトリックの可能性もある‥‥。」

202:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 05:35:29.62 発信元:124.146.175.10
松本零士の仕事場に向かった捜査員は零士の仕事場のゴミ袋から空の弁当容器を発見した。
「‥やれやれ、松本零士さんも気の毒な話だ。あの警部、少しおかしいからな。でもまぁ、これで松本零士の嫌疑は晴れたな‥」
と、捜査員はひとりごとを言うと、その足で弁当屋に向かった。釜揚げしらす弁当を買ったというもう1人の人物が気になったのだ。

203:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 12:01:35.11 発信元:210.136.161.12
捜査員「松本零士氏以外で釜揚げしらす弁当を買った人物について分かりませんか?」
店員「あぁ、防犯カメラ調べたら写ってましたよ。この人です。URLリンク(imepic.jp)
捜査員「‥‥こ、これは!?」

204:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 15:50:52.87 発信元:111.86.142.208
♪~♪(ケータイ着信音)
目暮「目暮だ、何か解ったか?」
捜査員「松本さんの仕事場から空弁当箱が発見されました!」
目暮「で?」
捜査員「で?‥って‥。」
目暮「しらす弁当の空弁当箱だったのかと聞いているんだ!」
捜査員「それは‥‥」
目暮「確認してからもう一度電話しろ! プチ」

205:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 16:21:23.90 発信元:202.229.176.12
~第5章~
連続殺人鬼カエル男・再び

206:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 19:14:38.41 発信元:124.146.175.34
某日。午後7時。目暮警部はトリック博士邸に来ていた。「博士、また博士にご迷惑をおかけしました。弁護士の成歩堂は、告訴も検討する、なんていつになく強気で‥‥。」
先の釜揚げしらす弁当殺人事件での松本零士氏に対する不当な取り調べで目暮は糾弾されたのだ。それを陰から尽力し、丸く収めてくれたのはトリック博士だった。
「ホッホッホ、また松本零士氏絡みですか?目暮さん。あんまり何回も続きますと庇いきれませんぞ。ホッホッホ」出来の悪い弟子に少し呆れるように、且つ、愉快そうにトリック博士はいつものように笑った。

207:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 20:33:14.13 発信元:202.229.177.15
後日、目暮警部は埼玉県飯能市に向かう事になった。埼玉県警からの応援依頼があったのだ。
埼玉県飯能市で昨年末に発生した連続猟奇殺人事件、いわゆるカエル男事件に関する事のようだ。
この事件の犯人はすでに逮捕されている。しかし犯人逮捕後もカエル男の手口と同様の殺人事件が飯能市で起きているのだ。異常殺人鬼対策として目暮警部が飯能署から指名されたようである。

208:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 21:10:17.07 発信元:202.229.177.63
電車を乗り継ぎ、飯能へ向かう目暮警部。飯能へは色々な行き方があるが、目暮はいったん大宮まで出た。そこから川越線で高麗川まで行き、八高線で一駅下がれば飯能署の最寄り駅東飯能に着く。
「ん?あれは‥‥」川越線の車内で目暮は見知った顔を見た。探偵の神宮寺三郎だ。『(ヤツが一体、何でこんなとこに?)』
神宮寺も目暮の視線に気づいた。座っていた神宮寺は立ち上がり、目暮に近づいてきた。

209:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/12 23:43:15.67 発信元:124.146.174.130
「目暮さんじゃないですか、どうしてこんな所に?」神宮寺の方から声をかけてきた事に少し戸惑いながらも
「それは、こっちの台詞だよ。新宿界隈がホームグラウンドの筈の君が何故、川越線なんぞに乗ってるだね」と目暮は返す。
お互い、相手の出方を探ってる様子を見せるが、先に目暮が打ち明ける「とある事件で応援要請が来てな、飯能署の方に行くんだよ‥‥。」

210:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 00:25:58.30 発信元:111.86.142.198
神宮寺三郎「カエル男事件‥ですかな?」
目暮「サスガは探偵サン‥と、言いたいところだが‥。」
神宮寺三郎「‥そうなんでしょw」

211:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 01:14:50.03 発信元:202.229.177.33
「どうやら、ターゲットは一緒みたいですね、目暮警部殿。」神宮寺は屈託なく笑いながら言う。
「またまた。刑事事件に首を突っ込んでも一銭にもならんだろ。探偵は浮気調査や人捜しでもしてりゃいいんだ。」私立探偵なんて輩が警察の領域を侵犯するなといった調子で目暮は神宮寺を牽制した。
「それは偏見という物でしょう。私の行動理念は第1に好奇心でしてね。解決した筈のカエル男事件がまた動き出している事の真相。実に興味深い。」クールな神宮寺が今日はよく喋る。彼のこの事件に対する興味は相当大きいようだと、目暮は思った。

212:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 08:04:21.19 発信元:210.136.161.9
神宮寺「目暮さん、しばらく飯能でしょ?宿はどうするんです?」
目暮警部「今回はオレ1人だから、ま、適当に警察署の仮眠室でも構わんし。神宮寺君はどうするんだね?」
神宮寺「長期戦も視野に入れてますんでね、越生のあたりでレオパレスをマンスリー(月極)で借りました」

213:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 08:23:43.65 発信元:202.229.176.58
電車は南古谷を過ぎた。もうすぐ川越だ。神宮寺が目暮に1つ『提案』を出した。
「警察でしか知り得ない情報もあるでしょうが、相手が警察官だと警戒して何も喋らない輩もいる。どうです、日々の調査で知り得た情報はお互い共有するというのは」
「フン」目暮は鼻を鳴らす。本来ならそんな提案に乗る目暮では無いが、神宮寺の洞察力や行動力、利用しない手は無い。「まぁ、当然話せる範囲内の情報になるが、よかろう」目暮は快く応じた。

214:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 08:46:59.12 発信元:202.229.176.44
ここで一応『カエル男』事件の概要をおさらいしておこう。埼玉県飯能市で去年暮れ、わずか半月の間に4人もの人間が殺された事件だ。
郊外の空き部屋の目立つ高層マンションでOLが全裸で13階のエントランスに吊され、自動車解体で自治会長の老人が廃車のトランクで潰され、公園で小学生男児が内臓から脳味噌までを解剖され、河川敷で弁護士が焼かれて殺された。
『吊す』『潰す』『解剖する』『焼く』まるでカエルを弄ぶ子供のように殺人を繰り返す犯人を世間はカエル男と名付け、飯能市のみならず日本中を震撼させた記憶に新しい事件である。

215:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 09:03:41.86 発信元:202.229.176.46
犯人『カエル男』は無事逮捕され、事件は解決した筈であったが、その後も猟奇殺人が続いているのだ。
模倣犯なのか?カエル男の意思を継ぐ者の犯行なのか?
お洒落殺人鬼スネ夫という異常殺人者を永きに渡って追っている目暮警部にうってつけの事件だという事で、この『続・カエル男事件』の指揮を目暮が取る事になったのである。

216:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/13 15:23:13.34 発信元:124.146.175.14
川越線は終点の高麗川に到着した。ここから目暮は八高線で八王子方面に1駅南下して東飯能に向かう事になる。越生に向かう神宮寺とはここで一旦、お別れだ。
神宮寺は目暮にメモを渡した。神宮寺が滞在するマンスリーアパートの略図が書かれていた。越生駅から徒歩12~13分の場所のようだ。
神宮寺と別れ、目暮は八高線で東飯能に着いた。「よし、行くか‥‥」目暮は飯能署に向かって歩き出した。失点続きの目暮は、是が非でも、この飯能の案件は解決させる心積もりであった。最近忘れかけていた警察官魂を飯能の地で取り戻すが如く――。

217:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/14 06:32:57.16 発信元:124.146.174.132
飯能署に着いた目暮を古手川という若い刑事が迎えた。古手川は埼玉県警から飯能署に出向してる身で所属は飯能署では無いらしいが、カエル男を逮捕した人物である。
「はじめまして目暮警部。遠いとこ御苦労様っス、目暮警部の噂は茫々で聞かされますよ。お会いできて光栄っス」少し小馬鹿にされたように目暮は感じたが、目暮も古手川の事は本署の方で聞いていた。若くて鼻っ柱が強い野心家気質な男だそうだが‥‥
「噂と言ってもろくな噂じゃあるまい。まぁ、共に事件解決に向けて頑張ろう。」目暮は古手川と握手をし、捜査の現在の進展状況を聞く事にした。

218:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/14 17:18:13.99 発信元:202.229.176.31
古手川刑事から事件の詳細を聞いたが、ここに来るまでの下調べで既に知り得たいた情報の羅列に過ぎなかった。
「腹、減ったな‥‥」目暮の空腹もピークをむかえた。目暮という男は腹が空きすぎると思考力がゼロになるのだ。
「飯にしよう、飯に!この辺で美味い物食わす店があったら連れて行ってくれ」どこに来ても本能の動物、目暮警部であった。

219:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/15 07:00:59.79 発信元:111.86.142.200
目暮「飯能には確かプリンスホテルがあったな。」
古手川「名前だけ‥のね。 西武ホールディングスのお荷物ですよ、アソコは。」

220:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/15 10:03:18.60 発信元:111.86.142.199
古手川「‥近くの川越プリンスホテルはしっかり集客出来てるのに‥ね。」
目暮「‥‥。」
古手川「とにかく、飯能プリンス内のレストランはオススメ出来ませんが。」

221:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/17 22:15:02.64 発信元:124.146.175.7
古手川刑事は目暮警部を乗せて車を走らせた。車は山間部を抜け、飯能市に隣接する比企郡ときがわ町に入った。
ときがわ町―旧玉川村と都幾川村が合併してできた長閑な町だ。車は五明の信号を左折し県道30号を走り、一軒の蕎麦屋の前に着いた。看板が出ていなければ普通の一軒家にしか見えない外観だが、ここは知る人ぞ知る手打ち蕎麦の名店なのだ。
「着きましたよ、警部」「ほう、こりゃ楽しみだ」

222:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/18 11:01:16.55 発信元:124.146.175.34
店に入るなり目暮は二・八蕎麦を注文した。「へぇ‥‥」古手川は少し感心したように目暮を見た。
「なんだ?」「いや、大抵の人は手打ち蕎麦の店に来るとツウぶって十割蕎麦を注文するんですがね。蕎麦の風味のみを堪能するには十割蕎麦が1番ですが、蕎麦という食べ物としてベストなのは二・八蕎麦なんです。さすが警部、わかってらっしゃる‥‥。」
「フン」目暮は鼻をならした。若僧の講釈など聞きたくないといった様子だ。古手川も二・八蕎麦を注文した。

223:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/18 18:06:45.84 発信元:202.229.176.59
「うん、美味いっ!」目暮と古手川は蕎麦を完食し蕎麦湯まで飲み干し、満足気に店を出た。
「せっかくときがわまで来たんだ。とうふ工房へ行こう。」と目暮。確かに蕎麦を食って帰るだけでは無駄な遠出だ。
「さすが目暮警部、とうふ工房わた○べを御存知とは‥‥」2人は車に乗り込み、とうふ工房わた○べへ向かった。同じときがわ町でも、とうふ工房は旧玉川村の方なので少し距離があるが、それでも行く価値はある。

224:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/18 21:05:11.70 発信元:202.229.177.62
車はとうふ工房に到着する。同じときがわ町でも山間部の旧都幾川村エリアに比べ旧玉川村エリアのここは東松山市に隣接し、街に近い。R254も目と鼻の先である。
「おーっ、ここまで来るんだったら254号線に中華の千円食い放題ランチもあったし、254を北上して小川町に行けば、もつ煮込みの、○浦食堂も有ったのにィーっ!」今更気づいても、もう昼飯は食い終わってる。
「まぁまぁ警部、それは後日のお楽しみという事で、とうふ工房といえばアレですよね」古手川の目が光る。この古手川という男、目暮と相性が良さそうである。

225:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/19 12:17:09.18 発信元:111.86.142.208
ひとまず警視庁‥
 
増田刑事「ど~も~、ご迷惑をおかけしました‥、本日より復帰します!」
高木刑事「‥‥。」
増田刑事「無視‥ですか?」
高木刑事「見に覚えは無いとは言わせんが。」
増田刑事「その件は‥‥、ゴメンナサイ。 で、警部は?」
高木刑事「飯能の連続殺人事件の応援に行ってるよ。 どうせムコウの刑事サンに美味いメシでもたかっているんだろうけどな。」
増田刑事「それでも何だかんだ言って犯人を検挙しちゃうんだから大したモンですよ‥ね。」
高木刑事「それが無かったらただのバカだよ‥。」

226:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/19 17:42:43.12 発信元:202.229.177.48
「ヘックショィ!」目暮はコントみたいなくしゃみをした。「誰かうわさしてるな‥‥。」
しかし古手川はそんな目暮を気にする様子も無く、とうふ工房名物『豆乳ソフトクリーム』を購入していた。目暮も「まず、これを食わんとな」と豆乳ソフトクリームを購入した。
「うん、美味いっ!最高のデザートだな。」目暮は歓喜の声をあげた。「とうふ工房の楽しみはこれだけじゃありませんよ」と古手川。無論、目暮もそんな事は百も承知だ。

227:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/19 19:52:03.79 発信元:202.229.177.20
「ここに来たら、おからドーナツは必須アイテムだ!」「さすが警部!」目暮と古手川は店前のベンチで豆乳ソフトクリームを堪能すると店内に突入した。
2人の目当ては『おからドーナツ』ヘルシー思考の昨今、おからドーナツ自体は珍しいものでは無いかもしれないが、ここのおからドーナツは超絶品なのだ。
当然とうふ工房店内にはドーナツに限らず、豆腐や油揚げなども売っている。「これは神宮寺にお土産にしよう」目暮は今夜訪ねる予定の神宮寺の滞在するアパートに持って行く土産におぼろ豆腐をチョイスした。

228:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/20 11:19:37.46 発信元:124.146.175.8
「おぼろ豆腐は傷みやすいので要冷蔵でお願いします。」店員さんの言葉に頷く目暮。夜まで署の冷蔵庫に保管するとしよう。
目暮と古手川は、おからドーナツを今食べる分と仕事中のおやつの分と夜帰ってから食う分と大量に購入し、とうふ工房をあとにした。
「重要事件の捜査中なのに少し、のんびりしちゃったなぁ」「まぁ警部、明日からは本格的に事件の指揮をお願いします。警部は今日初日ですからね。実際、事件は現在動きが無いんです」目暮と古手川は署に戻る車の中で語り合った。

229:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/21 20:29:18.47 発信元:124.146.175.41
夜になった。捜査は特に進展は無かった。大事な局面ならば詰め所に泊まり込んで何時でも飛び出せる態勢を取る目暮だが今夜は神宮寺の滞在するウイークリーアパートに行く事にした。
昼に買ったおぼろ豆腐は冷蔵庫に入れておいたのでバッチリだ。これとおからドーナツを土産に神宮寺のアパートを訪ねる。
越生駅から十数分の所に神宮寺の滞在するアパートは有った。103号室のインターフォンを押す。来訪の理由は『情報交換』であったが、実は目暮には今日は成果らしい成果は無いのであったが‥‥。

230:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/22 00:24:30.05 発信元:210.136.161.14
目暮「おーいジンちゃん開けてくれ目暮だ!」
インターフォンで反応が無いので強くドアをノックする目暮
神宮寺「もぉ、騒がないでくださいよ、近所迷惑でしょ」神宮寺がドアを開けて目暮を中に入れる。神宮寺は音楽を聴いていてインターフォンに気づかなかった様子だ。
目暮「早速、情報交換と行こうじゃないか」

231:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/22 00:28:31.92 発信元:210.136.161.13
目暮「お、中々良い部屋じゃないか」
神宮寺「ま、家具家電付きなんで色々持ってくる手間が省けましたし、パソコンが完備してるのも良かったですよ」
目暮「これは手土産だ。」目暮はとうふ工房で買ったおぼろ豆腐とおからドーナツを出した。

232:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/22 12:45:39.45 発信元:124.214.254.138
神宮寺「これはどうも・・」

233:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/22 21:12:16.33 発信元:210.136.161.15
神宮寺「では、まずそちらから、今日の成果を報告願います。」
目暮「今日は昼は手打ち蕎麦を食ってな、なかなかの物だった。その後に前から行きたかったとうふ工房へ行ってソフトクリーム食って買い物した。そんなとこだ。」
神宮寺「‥‥‥‥。」

234:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 04:24:08.90 発信元:111.86.142.200
神宮寺「その続きは‥無いんですか?」
目暮「無い!」

235:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 12:31:33.49 発信元:202.229.177.41
「まぁ、こっち来たばかりだし、犯人側の動きも無いし、まだ、こんなとこだよ‥‥。」目暮は言い訳がましく呟いた。
「昼飯と言えば―」神宮寺が喋り出す。「この辺はろくに店も無いんですよ、越生駅前に1軒だけ中華屋があるんですが、ふざけた事に定食が無いんですよ。だから肉ピーマン炒め単品とライス単品を頼んだら、1100円もかかりましたよ」神宮寺は涙ながらに語った。
「セコい事言うなよ‥‥。」目暮は神宮寺の方も不毛な1日だった事を彼の言葉から悟った。

236:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 20:44:19.87 発信元:220.157.225.76
そんな不毛な一日にの終わりには必ずと言っていいほど山田うどんへ立ち寄る目暮警部だったが
きょうは「ななまるうどん」に行くことにした、カーナビを見ながら車を運転してると気になる店があった
丸亀製麺である、目暮警部は急成長中のチェーン店であるその店に停車した。

237:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 21:20:39.24 発信元:202.229.176.38
「あれ?車で動いてる事になってるのか?」目暮は今夜は神宮寺のアパートに泊まる予定だったが、車で動いてる設定ならば今夜は家まで帰る事にした。
車は飯能署の常勤職員の物を借りたのだ。今夜はおぼろ豆腐をつまみに神宮寺と飲むつもりだった目暮の行動は支離滅裂になった。
「車、朝早く返さんといかんし、明日は早くから出ないとな……。しかし訳わからん行動だ…。」目暮はとりあえずリレー小説のルールに沿って今夜は車で帰宅した。目暮は「それからageないでくれ…」と独り言を呟いた。

238:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/23 21:51:06.33 発信元:202.229.177.45
次の朝、目暮は飯能署の誰よりも早く出勤した。守衛の警備員が「警部さん、早いですね」と目暮に声をかける。目暮は珈琲を淹れながら「渋滞は嫌いなもんでね」と返した。
事件の方は大きな動きは無い。が、突如大きく動く事もある。目暮は『続・カエル男事件』対策本部長の椅子に座り珈琲を啜る。
飯能署員たちも次々出勤して来た。古手川たち埼玉県警の面子も続々出勤してくる。目暮の勝負の1日が始まろうとしていた。

239:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/24 13:13:43.79 発信元:124.146.175.17
意気込んで捜査に当たる目暮であったが、事件に動きも無く、朝が早かった反動で猛烈な眠気が目暮を襲った。
さすがに居眠りをする訳にはいかないので必死に睡魔と闘う目暮。気がつくと昼になっていた。グウーと腹が鳴る。
「腹減った。飯にしよう。飯に」目暮は古手川刑事と共に『出動』した。

240:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/25 16:19:56.55 発信元:124.146.175.2
古手川は目暮を乗せ、車を走らせる。車は山間部を抜け、街らしい景色に変わる。
「よし、今日は中華バイキングにしよう」目暮は意気揚々と言う。「254沿いでしたよね?」古手川が確認し、目暮は「イエス」と返す。
車は東松山市に入った。昨日立ち寄ったとうふ工房より、飯能署から見れば少し先になる。「まぁ、行動範囲内だな。近い近い」近いと言っても車で30分ほど走る。昼飯を食いに行くには遠出と言えなくもない。

241:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/26 15:54:05.81 発信元:211.13.138.21
40分ほど走ったところで目暮は気が変わったのか古手川に引き返すように指示した
古手川はなにか気になることでもあるのかと聞くと目暮は「やっぱり山田うどんにしよう」と
たのしげに言うのであった。しぶしぶユーターンする古手川であったがよくあることなので気にはとめなかった

242:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/26 16:09:22.11 発信元:202.229.176.35
まだ目暮と接して2日目の古手川がどうして「いつもの事」と思ったのか不思議だが、古手川は上官の命令に従い車を山田うどんに向けた。
「参加するのはいいけど、せめて章の頭ぐらいからは目を通してから来るのが礼儀だよな」目暮は誰に言うでも無い独り言を呟いた。
車は山田うどんの駐車場に入る。目暮と古手川は車を降り店内に向かう。「ある程度、ここの独特なノリを理解してる者専用のスレなんでね、ageられるのは迷惑なんだ、せめてsageてくれ」目暮はまた独り言を呟いた。

243:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/26 16:27:14.31 発信元:111.86.142.197
フン フン フン♪
「あれ~、警部じゃないっスか!」
目暮「‥‥‥本当にアンタとは腐れ縁のようだな。」
 
やはりと言うか‥、船越英一郎がまたもや出没した瞬間だった。

244:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/26 16:32:57.35 発信元:111.86.142.200
古手川「警部‥、あの人はタレントの船越英一郎サン‥ですか?」
目暮「‥そうだよ。」

245:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/27 11:36:46.52 発信元:122.249.171.240
船越英一サスペンスドラマの帝王で2001年に松居一代と結婚。船越は初婚だったが、
松居は再婚で連れ子もいたため話題になった。しかし、結婚後は夫婦仲・親子仲の円満さが伝えられ、
バラエティ番組出演の際なども、家族の話題が取り上げられることが非常に多い。
2時間ドラマへの出演が顕著で、在京民放5局の2時間ドラマ全てに主演作品がある唯一の俳優と言われる。
その出演回数の多さから「2時間ドラマの帝王」や「サスペンスドラマの帝王」、「ミスター2時間ドラマ.
などの異名を持つ。2時間ドラマの初主演は、2003年『火災調査官・紅蓮次郎』であったが、その時点で膨大な数の
準主演作(主にヒロインのパートナー役)があり、すでにミスター2時間ドラマであった。また、物語のクライマックスでは
崖に犯人を追い詰める(追い詰められる)シーンが多いため、崖のロケが多くバラエティー番組などではしばしネタにされる。
趣味はアニメビデオの収集や漫画。CS放送フジテレビ721の『週刊少年「」』にも出演。番組の初回で取り上げた「ジョジョの奇妙な冒険」の
ような連載が長期に亘るシリーズ作品に関しても、精通ぶりを披露し視聴者を驚かせる。特に荒木飛呂彦の回に関しては、
シリーズ第六部終了直後ということもあり、作者自身が今後の展開を初めて公に語る貴重な機会として注目度が高かった。郎はご存知のとおり

246:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/27 20:12:59.87 発信元:111.86.142.201
古手川「‥‥とまぁ、こんなモンですかね。」
目暮「よくもまぁ、知ってるモンだな。」
古手川「実は‥ファンなんです。」

247:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/28 02:59:53.31 発信元:210.136.161.15
店員「ご注文は?」
目暮「アジフライセット、蕎麦で」
古手川「パンチセット、蕎麦で」

248:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/28 14:12:01.66 発信元:111.86.142.208
船越「僕は、餃子とチャーハン、ポテトサラダにビール‥‥いわゆるいつものヤツで。」

249:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/30 15:35:54.03 発信元:111.86.142.204
店員「はぁ? 常連ぶるんじゃねーよ、オッサン!」
船越「俺が山田に来たらコレしかねーだろ!」
店員「私はアンタを見るのは初めてなんだが!」

250:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/30 15:38:11.61 発信元:111.86.142.203
古手川「(小声で)かなり態度のデカい店員ですねぇ‥。」
目暮「船越のオッサンの言動にも問題アリだな。」

251:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 02:01:06.48 発信元:111.86.142.201
とにもかくにも3人の頼んだものが出揃った‥‥、餃子以外。
船越「まぁ、いつものこっちゃ。」

252:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 02:05:58.60 発信元:111.86.142.203
目暮「で‥英ちゃん、今日は何でここに?」
船越「ドラマのロケでね‥、自分で言うのもナンですが、これでも売れっ子俳優なんでね。」
目暮「ハイハイ。」

253:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 12:21:09.50 発信元:111.86.142.204
古手川「今度はどんなドラマを‥」
船越「僕が刑事役で、連続殺人鬼を追い掛けるストーリーなんだ。 話のベースはこの本なんだけどね。」
 
つ【>>178

254:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 13:44:28.41 発信元:202.229.177.47
山田うどんでの楽しい食事が済み、船越英一郎と別れた目暮と古手川は飯能署に戻った。
「‥‥。しかし、山田うどんに行くと必ず現れる船越英一郎って一体‥‥。」目暮は今さらになって不思議に思った。
午後から、本部長である目暮と埼玉県警の古手川刑事、そして飯能署の署長の三人が雛壇に陣取り、捜査会議が開かれたが、捜査員から新たな新事実の報告も無く、犯人側の直接的な動きも見られず、本日も進展無く日は暮れた。

255:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/05/31 15:50:42.44 発信元:202.229.177.51
夜になった。事件の展開次第では1週間でも半月でも警察署に泊まり込んで捜査に取り組むつもりで乗り込んでいる目暮であったが、今日もこれといった動きは無かった。
目暮は八高線で神宮寺の滞在するアパートへ向かった。情報交換がてら、神宮寺のとこで晩酌をし、泊まる予定だ。
昨夜はおぼろ豆腐を持参したが、神宮寺のとこにある酒は洋酒ばかりであった。おぼろ豆腐はどちらかというと日本酒向きだ。目暮は今日は道中の個人経営の肉屋で手羽先と唐揚げを購入して神宮寺のもとを訪問した。

256:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/01 01:33:17.32 発信元:111.86.142.201
神宮寺「あれ‥‥またですか?」
目暮「悪いか?」
神宮寺「来る時は連絡して下さいよ!」
明らかにウザったそうな神宮寺の態度だった。

257:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 00:11:24.10 発信元:202.229.177.8
神宮寺「では情報交換といきますか。」
目暮「今日は中華の千円食い放題の店に行きたかったんだが、結局山田うどんに行って、俺はアジフライセットを食った。終わり」
神宮寺「‥‥‥。」

258:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 00:18:39.87 発信元:202.229.176.7
「まぁ、確かに犯人側の動きが全く止まってますからね‥‥。仕方ないと言えば仕方ないですかね」神宮寺はコーヒーを淹れて目暮に出した。
「家具・家電付きと言っても、コーヒーメーカーまで付いて無いんだろ?わざわざ持って来たのか?コーヒーメーカー」目暮は神宮寺の部屋にコーヒーメーカーが有る事に気づき、神宮寺に聞いた。
「酒と煙草と珈琲はハードボイルドには欠かせませんからね。そうですよ、新宿の事務所のヤツを持ってきたんです」神宮寺は自分のこだわりを少し誇らしげに語った。

259:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 00:58:13.03 発信元:210.136.161.14
神宮寺「音楽はJazzを部屋にいる時はずっと流しっぱなしです」
目暮「(そんなこと好きにしてくれ)ほう、それもハードボイルドなのかね?」
神宮寺「いえ、カッコ良さの演出です」

260:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 01:00:48.07 発信元:202.229.177.12
「しかし越生駅の周りは何もありません。食い物とかには難儀しますよ。」神宮寺はボヤキ気味に続ける。「一応、越生線の終着駅だと言うのに、この寂れ具合は何なんでしょうね?」
その問いに対しては目暮には明確な回答が出せた。「それはジンちゃんが新宿の街中で生きてるからこその考え方だよ。確かに終着駅ってのはターミナル駅のイメージがあるから、そこそこ大きな駅って印象を持つんだろうけど‥‥
ある程度、田舎の方では終着駅ってのは、これ以上先に線路を伸ばしても意味が無いっていう、文字通りの終点を終着駅と称するもんなんだ」目暮も都会暮らしだが、妙に悟ったような語り口で神宮寺に返す。

261:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 03:00:29.45 発信元:111.86.142.203
目暮「‥まぁ食え。」
目暮は先ほど調達した手羽先と唐揚げを神宮寺に差し出した。

262:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/02 22:22:51.66 発信元:120.51.152.245
神宮寺「いらねー!」
目暮「え?」
神宮寺「メシ食ったばっかだ。」

263:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 00:50:50.38 発信元:202.229.177.68
「なんて言う訳ないでしょ、いつもすいません。」神宮寺はグラスと氷を出した。そもそも唐揚げと手羽先は飯代わりに持参したのでは無い。
「流れを読めない奴が混じったみたいだが、またシベリアに人が集まって来たのかね?」目暮は飲み終えたコーヒーのマグカップを流しに運びながら呟いた。
「あ、片づけはやりますから置いといてくださいよ。参加は自由だけどageないで欲しいものですね‥‥。」目暮の独り言みたいな呟きに、神宮寺も独り言みたいな返しをした。

264:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 05:26:50.16 発信元:210.153.84.202
神宮寺「昨夜持って来てくれたおぼろ豆腐もまだありますよ」
目暮「おぅ、いいね、揚げ物ばかりじゃ味気ない‥‥。」
神宮寺のアパートにはウィスキー、ジン、ウオッカ等に紛れて焼酎もあった。

265:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 05:31:31.82 発信元:210.153.84.202
神宮寺「酒もね、こっちじゃあまり揃わないんで新宿の事務所から持って来たんですよ」
目暮「‥‥オレは焼酎をもらおうかな、酎ハイがいいかな‥‥。」
神宮寺「焼酎を飲むなら『神宮寺スペシャル』は如何ですか?焼酎をはっさくジュースで割る飲み方です‥‥。」

266:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 19:58:21.62 発信元:61.125.226.206
したたか酔った一行は締めくくりにラーメンを食べることにした。千鳥足でふらふら行くうちにはなまるうどんを見つけた。
うどんに目が無い目暮警部はここにしようと言うが神宮寺がやっぱり山田うどんじゃなきゃ嫌だと言うので
温厚な目暮警部は同意してタクシーを拾おうとした。

267:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 20:23:57.27 発信元:111.86.142.208
しかし、タクシーは姿を見せなかった。

268:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 21:20:01.97 発信元:61.125.226.206
神宮寺は通りがかった車を制止させ警察手帳をみせ急用であることを告げ目暮警部と後部座席に乗り込んだ
運転手に山田うどんがある埼玉県の入間市に行けと命令した。

269:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/03 23:24:07.66 発信元:202.229.176.56
嵐はスルーして>>265から
「はっさくジュース?そんなもん酒と合うの?」目暮は『神宮寺スペシャル』なる飲み物を疑った。
「まぁ、騙されたと思って飲んでみてくださいよ」神宮寺は焼酎とはっさくジュースを5:5で割って目暮に出した。

270:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 04:48:47.33 発信元:124.146.175.8
唐揚げをつまむ神宮寺「うん、なかなか旨い。ジューシーだ」神宮寺はreserveを炭酸で割り、ハイボールにして飲んでいる。
「手羽先は、うーん、食うとこが少なすぎだな‥‥」目暮は手羽先をつまみながら焼酎のはっさくジュース割りを飲む。味は微妙であった。
2人はおぼろ豆腐を食う「ん、これは旨い」「これが1番旨いな‥‥」おぼろ豆腐はどんな酒のつまみにしても合う物であった。「こんなに旨いなら、また買うか‥‥」目暮は明日もおぼろ豆腐を買おうと心に決めた。

271:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 07:28:02.45 発信元:61.125.227.93
才能ないな、お前ら

272:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 09:40:36.02 発信元:202.229.177.28
「才能なんか必要ないが、センスは必要かな。あと流れに沿って進行させる最低限のルールを守る気持ち、と」目暮は酒が回って脈略ない空耳に回答をするといつしか眠ってしまった。
朝が来た。神宮寺がホットサンドと珈琲を用意してくれたので、目暮は有り難くいただくと、朝早くから飯能署に向かう。
出掛け神宮寺が「今日はちゃんと情報交換できるネタが有ればいいですね」と目暮に言った。目暮は今日こそ進展がある事を願い、足取り軽く、警察署に出勤した。

273:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 09:40:40.88 発信元:111.86.142.197
飯能警察署長のいきなりの一言であった。

274:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 09:43:20.69 発信元:111.86.142.198
署長「事件が起きてから何ヵ月経ったと思ってんだ! さっさと犯人捕まえて来い!」

275:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 09:56:31.94 発信元:202.229.177.28
署長のゲキで捜査員たちは四方八方に朝一番から飛び出して行った。
捜査本部長に就任して3日目の目暮もそろそろ手応えのある報告を待っているのだが、なかなかこれといった新情報もあがって来ない。
飯能署の署長は目暮以上に苛々していた。犯人が次の犯行を起こす前に何としても犯人を検挙したい。

276:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 13:39:43.72 発信元:202.229.177.22
昼になった。捜査本部が置かれている飯能署の捜査一課には署長と目暮が陣取って報告を待っていたが、残念ながら、これといった情報は入ってこない。
「目暮警部。今日は県警の古手川君も捜査に出てますし、昼飯はここで一緒に食べましょう」飯能署署長は女性職員を呼び、「いつもの弁当を今日は2つ頼むよ」と告げた。
昼飯命の目暮だが、今日は本部を離れられそうもない。署長のいう『いつもの弁当』とやらを食べるとしよう。

277:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 18:22:00.89 発信元:124.146.175.16
女性職員が署長に命じられた弁当を2つ買って戻ってきた。「おう、ご苦労さん」署長は笑顔で受け取る。
『いつもの弁当』とは、ほっともっとの『満腹のり弁』であった。大きな容器の半分がのり弁で半分が焼そばになっている。この焼そばの正体は他の弁当の付け合わせのスパゲッティ麺を使った代物だ。
「これが安くて満腹になる最高の弁当なんです」「はぁ、そんなもんですか‥‥」署長と目暮は向き合って満腹のり弁を食べ始めた頃、先ほどの女性職員がお茶を淹れて持って来てくれた。

278:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 20:45:20.14 発信元:61.125.227.214
「また飯食うのかよ、なんで俺だけあらしなんだよ」古手川は弁当を食べながら無能の目暮警部にたいしてそう思った
そこへ神宮寺から電話が入った、新宿三丁目で犯人と思われる韓国人を逮捕した至急パトカーをよこしてくれとのことだった
みんな昼飯を食うのに手一杯なので署長が自らで向かえることにした

279:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 21:44:55.46 発信元:202.229.176.49
※流れを読めないなら来ないでください。このスレの主な流れが面白いと感じないのなら最初から来ないで頂きたい。ここは千客万来なスレでは無いのでageないでください。
あまり荒らされると修正するだけで大幅にレス消費してしまって小説として成立しなくなってしまうので、どうしても参加したいのなら最低限、登場人物の立場なり性質なりを把握して書いてください。
この辺を徹底しないとリレー小説スレは一定の水準を維持できないのでお願いします。
ただの言葉遊びなら他のスレを推奨します。
●リレー小説魔界編
スレリンク(siberia板)

280:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 22:16:52.66 発信元:61.125.227.214
センスも才能も内容もないな

281:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/04 22:25:30.88 発信元:202.229.177.5
―それでいいから来ないでくれ。
「ん、何か?」満腹のり弁をたいらげた目暮は何か聞こえたような気がしてそう呟いたが、目の前にいる署長は何も言っていなかった。
目暮と署長は満腹のり弁をそれなり満足げに完食すると、午後の捜査方針のディスカッションを始めた。

282:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/05 01:37:36.80 発信元:61.125.227.214
在日丸出しだな

283:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/05 05:44:39.56 発信元:124.146.175.15
「‥‥なんでも目暮警部はトリック博士と親交があるらしいですね」飯能署署長は不意に目暮に尋ねる。
「ハハハ、まぁ、博士の一番弟子を自認してますが、それが何か?」目暮は署長の問いの真意が判りかねていた。
方々に捜査に飛んでる刑事たちから、午後に入っても成果らしい成果の報告は無かった。

284:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/05 08:30:39.99 発信元:111.86.142.206
目暮「ま、署長の激程度で犯人が捕まりゃ、こんな楽なことは無いんだけどな。」

285:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 06:04:55.19 発信元:124.146.174.161
夜になったが残念ながら捜査に進展は無かった。「みんな一生懸命やってるのは分かるが、そろそろ結果を出してくれよ!」戻ってくる捜査員たちにゲキを飛ばす署長の表情にも疲れが見えた。
目暮は今夜も神宮寺のとこに行くつもりで署を出たが「‥‥情報交換も何も、これほど何も無いとなぁ‥‥」毎度毎度、何の情報も無いのに泊めてもらい酒を馳走になるのも少し気が引ける目暮であった。
署を出て少し歩いたところで県警の古手川刑事が戻ってきた。「警部、お帰りですか?」「遅くまでご苦労様。何か成果は有ったかい?」

286:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 06:14:02.02 発信元:124.146.174.162
「マークしてる人物に張り付いていたんですが、動きは無かったですね。アンパンとコーヒー牛乳しか食ってないから腹ペコっスよ‥」古手川は両手を広げておどけてみせた。
「こっちも1日中、本部で署長とにらめっこさ。昼飯も署長推薦の満腹のり弁だったしな‥」目暮もお互い散々だったなという顔で言う。
「気分直しに晩飯、一緒にどうだい?」目暮は古手川を誘い、神宮寺のとこへ行く前に夕飯を済ます事にした。

287:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 06:40:25.34 発信元:202.229.176.5
古手川が運転し、目暮を乗せて車は走る。「運転は自分やりますから警部は安心して飲んでください」と古手川。
目暮は『ありがたい』と心から思った。噂では若いくせにイキがった鼻っ柱の強い人物と聞いていた古手川だったが、実際は随分と気が回る、少なくとも目暮には好人物に見えた。
「酒、飲むなら、もう1人誘っていいかい?」「どうぞ」目暮は神宮寺の携帯に電話した。

288:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 06:52:47.37 発信元:202.229.176.6
「ジンちゃんよ、晩飯まだだろ?」『ええ、まぁ』「ご馳走するから一緒に食おう、運転役もいるから今夜は外で飲もう。途中で拾うから越生駅のあたりまで出ていてくれ」
車は越生駅方面に向かう。「名探偵神宮寺三郎氏とも知り合いなんですか?警部はホントに顔が広いですね」運転しながら古手川は目暮を尊敬の眼差しで見た。目暮はあまり自覚していなかったが、自分が実は顔が広い事を古手川の言葉で再認識した。
車は越生で神宮寺を拾い、254号へ向かう。行き先は決まっている。そう、もつ煮込みの杉○食堂だッ!

289:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/06 19:42:39.80 発信元:202.229.177.63
254を北上し、車は小川町に入る。高谷の信号を右折してすぐの所に目的地のもつ煮込みの店は有る。
正確にはもつ煮込み以外のメニューもあるので『もつ煮込みの店』と称するのはどうかとも思うが、来店するほぼ全員がもつ煮込みを注文するので、もつ煮専門店を名乗っても良いのではないかとさえ目暮は思っていた。
車は店脇の広い駐車場に滑り込む。「お、なんか渋い店ですねぇ」後部座席の神宮寺は○浦食堂の店構えを見て少し馬鹿にしたような感想を述べた。「味は保証するよ」と目暮はボソッと呟く。3人は車を降り、駐車場から店までの砂利道を歩き始めた。

290:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/07 12:13:05.83 発信元:124.146.175.33
この店に来るのは初めての神宮寺と古手川は目暮にメニューを一任したので目暮は「もつ定3つ、3つともライス大で!」と入店早々オーダーを告げた。
時間帯が良かった。店はさほど混雑していない。目暮は神宮寺に「飲むんだろ、好きなもん頼めよ」と言うと、神宮寺は「バーボンをロックで‥‥」とオーダーしたが
「そんなものはありません」店主は無愛想に返答した。当然だ。あるわけがない。

291:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/07 12:25:29.21 発信元:111.86.142.205
目暮「最初はジョッキ生、基本だろ。」
古手川「へぇ、初めて聞いたわ。」

292:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/07 21:30:48.74 発信元:61.213.70.66
また飲み食いするのか、バカだろ

293:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/07 21:38:50.64 発信元:124.146.174.166
「もつ定ライス大3つ、お待たせしました」目暮たちのテーブルにもつ定が運ばれる。「おっ、来た来た。」
もつ煮を1口食べた神宮寺と古手川は「う、旨いッ!」と歓喜の声を漏らした。横で目暮は勝ち誇ったような顔でニヤニヤしていた。
「こ、こんな旨いもつ煮は食った事が無い。」と驚く神宮寺に目暮は『―旨い食い物の事は俺に任せな』と表情だけで答えた。

294:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 03:24:15.98 発信元:111.86.142.206
目暮「そうだ、古手川君‥‥」
古手川「なんでひょ?モグモグ」
目暮「さっき、独自にマークしている人物が居るって言ってたよね?」
古手川「あ‥ハイ。」
目暮「詳しく聞かせて貰えないか?」

295:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 05:31:36.88 発信元:202.229.177.68
「ほらほら、こんな旨いモツ煮を前に仕事の話は野暮、野暮」神宮寺は目暮のグラスにビールを注ぐ。
「こんにゃくの代わりに白滝を使ってるのも変わってて良いね。あと、キャベツが入っているが、このキャベツの甘味がモツ煮の旨さを更に引き上げている。いやぁ旨いっ!」神宮寺は劇画調の顔のまま杉浦○堂のモツ煮を絶賛した。
ここまで喜んで貰えると連れてきた目暮も少し嬉しかった。大盛ライスに残ったモツ煮を入れて『モツ丼』にして食らう。「クゥーッ!たまらん」3人はモツ煮の汁も一滴も残さず堪能した。

296:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 06:05:36.62 発信元:210.153.84.204
神宮寺「ふう、目暮さん、こんな美味い店、どこで知ったんです?」
目暮「タクシー運転手の夜明に教えて貰ったんだよ。その後、こっち方面に用がある時は、ちょくちょく1人でも来ているがね‥‥」
古手川「タクシードライバーの推理日誌の夜明日出夫さんとも知り合いなんですか?警部はホント顔広いですね‥‥」

297:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 09:03:34.07 発信元:202.229.177.3
もつ煮とビールを堪能した目暮と神宮寺を神宮寺の滞在するアパートまで送ると古手川は車を自宅に向けて走らせた。
「‥‥それにしても美味いもつ煮だった。目暮警部の隠れグルメの噂は本当だったな‥‥」車内で1人つぶやく古手川。
古手川に『ある予感』が浮かぶ。古手川は自宅に帰るのを止め、反対方向に車を走らせた。彼のこの判断が進展の無い局面を打破する結果を招いた。

298:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 09:30:42.36 発信元:124.146.175.5
朝になった。目暮は携帯の着信歴を見ると、夜の間に何度か古手川から着信があったようだが、深い眠りについていた目暮は全く気づかなかった。
神宮寺はいまだに深い寝息をたてている。起こすのも気の毒なので朝食もとらず目暮は神宮寺のアパートを出て飯能署に向かった。古手川からの電話については署で本人から直接聞こう。
飯能署に着いた目暮は、まったく進展が無かった捜査状況が一転、事件が解決した事を知った。

299:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 09:31:51.32 発信元:124.146.175.5
夜間、張り込みを続行した古手川が動きを見せた人物が殺戮行動を起こすのを未然に取り押さえたのであった。
犯人は本丸のカエル男事件でも捜査線上に挙がっていた人物でカナー症候群(自閉症の一種)の治療を受けていた男であった。カエル男事件をなぞって犯行を続けていた事を自供。事件は急展開で解決した。
犯人を逮捕した古手川は「目暮警部のおかげで解決できました」と最後まで目暮を立てた。

300:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 12:47:09.11 発信元:202.229.176.52
~第6章~
誰が風を見たでしょう

301:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 13:23:04.66 発信元:210.153.84.204
神宮寺「杉○食堂じゃなくて、松○食堂でしたね。目暮さん」
目暮「‥‥そもそも伏せ字にする意味もよくわからんが‥‥。事件も解決。ジンちゃんはどうするの?」
神宮寺「家賃もったいないから僕は月末までこっちに残りますよ‥‥。」

302:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/08 15:44:04.07 発信元:202.229.177.51
続・カエル男事件も解決し飯能署に置かれた捜査本部も解散した。電車を乗り継ぎ警視庁に戻った目暮警部を直属の部下の高木と増田が迎えた。
「さすが警部!世間を騒がした難事件を本部長就任4日目で解決とは、見事です」高木と増田は少し大袈裟に讃えてみせた。
「フン」と鼻を鳴らし、目暮は言った「刑事にとって推理力や洞察力も必要不可欠だが、それよりも大事なのは、捜査に対する熱意だ。事件解決に対する情熱だ。この熱き思いを忘れなかった事が事件を解決に導いたんだと俺は思う」

303:過去ログ
11/06/09 03:50:11.78 発信元:202.229.177.62
■シベリアサスペンス劇場
URLリンク(m.logsoku.com)
■シベリアサスペンス劇場2
URLリンク(m.logsoku.com)

304:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/10 08:25:54.79 発信元:202.229.177.5
これも見つけた
■スリルとサスペンス知的一行リレー
URLリンク(m.logsoku.com)
このシリーズの事実上の1

305:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 11:21:41.96 発信元:219.108.157.30
目暮警部「加茂瀬恒彦?あああの有名な」
工藤「蘭も知ってるだろ?」
蘭「うん!」

306:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 11:36:35.63 発信元:202.229.177.59
「蘭だの新一だのって突然脈略無く出て来ましたが何なんですか?警部」ふと、止まった時間を取り戻すように増田が呟いた。
「おっといかんいかん、過去を振り返っていてボンヤリしてしまった」と目暮は我にかえった。
「そろそろ、前に進みましょうか、それから何度も言いますがageないでくださいね」高木は誰に応えるでもないように呟いた。

307:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 11:49:05.61 発信元:124.146.175.35
飯能での事件を見事な手腕で解決させた目暮であったが、いつまでも勝利の美酒に酔ってはいられなかった。
目暮が戻って早々、警視庁管轄内で殺人事件が発生した。1人暮らしの若い女性が自宅アパートで殺害されたのだ。
現場に到着した目暮、高木、増田は手際良く捜査を開始した。

308:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 12:17:15.48 発信元:210.153.84.193
増田「しかし>>304は今読み返すと凄いですね。金田一やら明智警視まで出てくるんですね」
高木「ブラックジャックこと間黒男氏の出番、船越さんより多いし。一行スレと現在の流れのコラボみたいなスレだね…」
目暮「ヲイヲイ、過去を振り返るのもいいかげんにして捜査に集中しろ!」

309:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 12:20:03.63 発信元:124.146.175.18
「4997……、これ、なんでしょうね?」高木刑事は、開かれた詩集のページを覗き込みながら言った。
「うむ……」目暮警部も、高木と肩を並べるようにして、畳の上に放り出されている詩集の上に屈み込んでいる。「さっぱりわからん。どうして、こんなもの書いたのかな?」
被害者は、小坂久美子という二十二歳のOLだった。目暮達の目をひいたのは、小坂久美子が抱え込んでいた薄っぺらな詩集だった。開かれたページに、赤く太く、文字が書かれていたのである。『4997』誰の目にも、そう読めた。

310:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 16:34:59.61 発信元:202.229.176.25
現場の状況からは、物取りの犯行と推測された。部屋は、荒らされ放題に荒らされ、引出しや戸棚からひきずり出された物が、畳の上一杯にぶちまけられている。
おそらく、この部屋に這入った空き巣狙いが、仕事から帰った小坂久美子に見つかり、居直って凶行に及んだものだろう。
第1発見者は隣室に住む主婦であった。死体を発見する前、犯人らしい男の声を聞いたと証言している。

311:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 17:01:29.30 発信元:202.229.176.25
「隣の主婦の話では争うような物音と男の声で『言え。楽になりたきゃ、早く言ってしまえ!』という声が隣から聞こえたそうです。」先着していた捜査員から聞いた情報を増田は目暮に話した。
目暮は発見者より詩集に残された『4997』の文字が気になる様子で考えこんでいたが、構わず増田は話を続けた。
「様子がおかしい、とは思ったが、なんだか恐ろしくて、隣の主婦は何もできなかったそうです。誰かが隣室から飛び出して行く音を聞いた後、見に行ってみたら殺されてる小坂久美子を見つけたと、いう事らしいです」

312:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 17:18:04.20 発信元:202.229.177.10
『4997』空っぽのハンドバッグの脇に、ぽっきり折れた口紅の先が落ちている。詩集に書かれた四桁の数字は、その口紅で書かれたものだった。
小坂久美子の堅く握り締めた右手を開かせると、口紅の根元が畳の上に転がり落ちた。彼女は、たぶん、ありったけの力を振り絞って、これを書いたのだろう。
「ダイイングメッセージなのか?」目暮は詩集に残された四桁の数字に事件解決の鍵がありそうだと感じた。が、4997が何を意味するのか?皆目見当がつかなかった。

313:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 18:19:51.10 発信元:210.153.84.207
目暮「被害者の交友関係で怪しい者はいないのか?」
増田「彼女には婚約者がいますね。隣の主婦も何度か彼女の婚約者とは会っていますが、事件当夜に聞いた声は婚約者の声では無かったようです」
目暮「手口から見て犯人は強盗だろうからな‥‥。でも一応、その婚約者も洗ってみよう」

314:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 20:32:43.86 発信元:61.213.70.205
で。「お前は一人で寂しく暮らす」とかバカ母がこの間俺に言ってくれましたが・・・w。まるで「ヒーローズ」の「サイラー」じゃないか・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
ヒーローズの中では、ヒロがサイラーに「お前は孤独になって寂しく死ぬ」とか言ってましたが・・・w。それでドラマではサイラーが焦り出したりしますが・・・w。
俺にとってはチャンスじゃないか・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
やっと、五月蠅いお前らから解放されるのに?w。夜寝るのも朝起きるのも自由だし。家の中の様子を筒抜けで逐一監視される事も無いのだから。
逐一監視された挙句に、偉そうに断罪されて非難浴びたりするなら、孤独の方が全然マシだろう?w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
それに、監視だけじゃなく、「操縦&支配」からも解放されるのだから・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
勃起刺激干渉も、思考吹入も、視点誘導も、認知判断も、計算ミスも漢字の度忘れも、何もかもお前らの「操縦&支配」の挙句だろうに・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
「ヒーローズ」ネタで言えば「クレア」が「人形遣い」に操り人形にされて激怒したのと同じだ。(ノ∀`)アチャーマッタク。
あれは、体の動きだけで、頭の中までは支配されなかったが・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
「罪と汚名」から解放される、「虚像扱い」から解放される、それの何が問題だ?嬉しい話じゃないか・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。

「ヒーローズ」の「ネイサン」「サイラー」は俺で言えば俺の中の「善人と悪人」の象徴であって・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。
あのドラマは、「マット」が俺の様子を再現してたり、色々楽しめるが、他のドラマや映画や番組同様に「恣意的&示威的」で、罪を着せる所が気に入らないのよな。

結局、自分達の都合の良い様に「操り人形」にしたいだけじゃないか。(ノ∀`)アチャーマッタク。

悪魔がキリストを試したのと同じ。最初はこの世をあげようと言って、それが利かなければ40日間試練を与えて・・・w。


この文章も一言一句もレイアウトも何もかも「思考吹入」で自動書記で書かせておいて、陰に隠れて厭くまで「自発的&自己責任」扱いで誤魔化すとか・・・w。
お前らホントみんなマジ悪魔。_| ̄|○


315:いやあ名無しってほんとにいいもんですね
11/06/12 21:04:16.85 発信元:124.146.175.18
「高木は、被害者の交友関係で『4997』に関わりがある者がいないか調べてくれ。増田は、婚約者の方を当たってみてくれ。」目暮は部下2人に指示を出した。
目暮は知恵を借りるため『あの方』の所へ出向く事にした。
手ぶらでは行けない。あの方の好きな『アレ』を手みやげに買ってから行くとしよう。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch