10/12/21 20:47:23
●徳間劇場版ロマンアルバム
――各キャラクターについても教えてください。まずは物語の中心となる刹那ですが、
冒頭でイノベイターとして悩んでる姿が非常に印象的でした。
水島「刹那はイノベイターに進化したことで、自分の中にある感覚の変化に違和感を覚え、
さらにELSに遭遇したことによって葛藤を始めます。
けれども、フェルトたちは単純に「イノベイターになったから(雰囲気が)変わってしまった」
というふうに考えていて、実はお互いの思いにすれ違いが生じているんです。
刹那の本心と周囲の想いとのズレは意識的に描いています。」
――フェルトにしても、あれほど近い位置にいながら、彼の本心に近づけなかった?
水島「そうなんです。フェルトはスメラギに「彼を想ってあげて」と言われていますけど、
刹那は「何だこの違和感は・・・・・・」と言っていて、まったく別のことを考えている
シーンがあります。ここはまさに象徴的ですよね。人間は言葉を介して会話をするけど、
それでも伝わらないことがある。そのコミュニケーションの難しさを、映画の中でも
いろんなパターンで見せていきたいなと思っていました。」
――刹那が最後にマリナのところに帰還するということは、水島監督の中で以前から決まっていたのでしょうか?
水島「一番最後に、2人がお互いに大事な存在だったということを認識する、
理解し合うということを描いておかないと、やはり『00』は終われないと思っていました。
すべてを成し遂げた2人だからこそです。
逆にあのシーンがなければ、しっくりこなかったと思いますね。」
――マリナもずっと刹那を待っていたのでしょうか?
水島「彼女は結婚こそしていませんが、カタロンで出会った孤児を世話しながら職務をまっとうして、
子供たちが巣立っていってからは、花に囲まれながら静かに余生を過ごしていたというイメージですね。
心の中では待っていた部分もあるかもしれませんが、恋焦がれて待っていたわけではないと思います。
心配だったとは思いますけれど。」
――とはいえ、2人の抱擁にはグッとくるものがありました。
水島「2人が再会したとき、マリナは年をとっていて、刹那は普通の人間ではなくなっています。
そこは皮肉と取れる部分もあると思います。
しかし、ELSと融合し、進化した新人類である刹那と、普通の人間であるマリナとの相互理解は、
人類のELSの共生をも意味していて、また新たな可能性がそこにあるということですね。」