10/09/27 21:25:43
62 :【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (17)】(16/18):2010/09/25(土) 23:48:03 ID:mCnjWMRs0
そして、彼らの側が逆に仕掛けを開始した作戦はむしろ、そこからが本番だと言えるのだ。
ガルナハン作戦とやはり同様に、現場レベルでの絶対無二の切り札〈ジョーカー〉となるのは異世界の懸絶した技術装備を有するマフティーの存在である。
確かにその神出鬼没ぶりを担保している意識の証左でもあろう、ターミナルの連中の「見つからない様に」の動きっぷりそのものは、相当に用心深いものではあった。
しかし、ミノフスキー粒子と言う妨害因子が存在しないこのコズミック・イラの世界においてはその本来の性能をフルに発揮出来る、マフティーが持ち込んだ宇宙世紀世界製の装備の持つ探査能力は文字通りに〝非常識〟と言う以外に無い代物で。
この世界の現有技術力ではとうてい感知できない〝大遠距離〟から、受動式〈パッシブ〉探知だけでほぼ完璧に捕捉し、一方的に監視を続ける事が可能なのだった。
そういう前提を踏まえたその上での話だと言う事だが、幾ら相手が神出鬼没なやっかいな連中であるとは言え、
初めからそこに来ると判っているならば―無論、そうなる様にと自ら誘い込んでいたからこそのものでもあるわけだが―幾らでも仕掛けようはある。
自分達が常に謀略を仕掛ける側であり、まんまとザフトを(時には敵である地球連合軍等に対してもだが)出し抜いていると言う自負を強烈に持っている事は疑いないであろうターミナルの連中であればこそ、
まさかそんな自分達の方が実は相手の掌の上で踊らされているなどとは、そんな可能性はまず夢にも思わない事であろう。
デブリ帯に近い宙域に、ミラージュコロイドで身を隠しながらメガラニカの到来をじっと待ち伏せていたターミナルの尖兵達にとっても、
そんな自分達には感知不可能な遙か遠方より、自分達の事をじっと監視している者達がまさか存在しようなどとは、全く想像の範疇外であった。
宇宙世紀世界ではお馴染みのアイテムの一つだとも言える、微小惑星〈岩塊〉に見せかけたダミーバルーン(と、適宜散布するミノフスキー粒子の薄いベール)の陰から
ターミナルのメガラニカ強奪作戦の顛末を、この作戦の為にと準備された二隻の高速スループにと分乗した、ブリンクス・ウェッジ船長以下のマフティー後方支掩部隊の面々の目がじっと見続けていた。
そして嵌めたつもりが逆に嵌められた(とは当の本人達は気付いてもいないのが滑稽でもあるが)ターミナルの連中がメガラニカから泡くって逃げ出した処から。
待機していた彼らの作戦も、本段階のスタートとなる。
彼らが分乗するザフトより提供された二隻のスループには、彼らマフティー後方部隊が宇宙へと上がるに当たって一緒に持ち込んだ、カーペンタリアにと置いてきた二隻の支掩船のものだった各種の装備を載せ替えている。
―それもあって彼らは、この宇宙における新たなフネたちにと、この世界へと彼らを運んで来た老嬢〈支掩船〉たちの名をそのまま引き継がせていたのだった。
そして彼らマフティーの新たな二隻の支掩船は、かねてからの作戦プラン通りにここで二手にと分かれた。
指揮官格のウェッジ船長率いる〝ヴァリアント〟はそのまま密かにターミナル実働部隊の連中が乗るシャトルを追跡し、その監視に当たる―かなり本気で、その秘密拠点をも探し出すつもりだ。
一方〝シーラック〟の方は、ここで再び無人となったメガラニカへと接舷し、巨艦を三度有人の制御下に置きにかかる。
但し、そうして再びその道行きを正常なものにと戻した後の巨艦の向かうその先は、プラントが領有する宙域のいずれかではなく、
前大戦の戦火が生み出した負の産物の一つでもある無数のデブリが特に集まり滞留する暗礁宙域―
良くも悪くも逞しい事だけは間違いないジャンク屋〈ハイエナ〉共ですら近付かない。いや、近付きたくとも近付けないと言う方がより正確なのだが
―内の一角にと設定された、秘密拠点に向けてと言う事になるが。
837:代理の代理
10/09/27 21:28:16
63 :【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (17)】(17/18):2010/09/25(土) 23:50:43 ID:mCnjWMRs0
ジャンク屋達ですら近付けないと言うのには、無論れっきとした理由があるのだが、
〝ヴァリアント〟がターミナルの尖兵達を密かに監視追尾出来るのと同じ理由で、この世界の技術レベルでの「航行不能」は彼らに対してだけは当てはまらない。
彼ら自身、もしくは直接的に彼らの支援が受けられるものだけが「航行可能」であると言う前提条件が成立すると言うわけであれば、
そこはまさに、半人為的な〝天然の防壁〟にと守られ隠蔽された、聖域と化す。
モジュール化されている各ブロックを組み替えさえすれば、ゴンドワナ級の巨体は戦闘用の宙母から、
そのまま移動も可能なミニマムコロニーとでも言うべき、内部で一通りのサイクルが完結した研究・試作工場としても運用する事が可能であった。
現状では、〝事故で自沈した〟筈の―いずれ(戦後に?)「事実を明らかに」出来る日が来たならば、実は〝ターミナルのテロ〟だったと言う事になるだろうが―メガラニカは、
このまま彼らマフティーの手によってその聖域まで運ばれ、既に準備されていた改装用のモジュールブロックへの組み替えを行って、
彼らと、議長が厳選したプラント側の科学者や技術者達の共同作業で宇宙世紀の技術を基にした各種の研究開発や試作、初期量産を行う為の、外界とは隔絶した、極秘独立拠点へと生まれ変わる事にとなるのだ。
「確かに、一戦力単位としてのゴンドワナ級1隻は大きいですよ。数字上でならば〝あくまで1隻〟とは言え、その重みが違いま〈戦略級の代物なので〉すからね」
軽い微笑を浮かべていた表情を真面目な顔へと戻して、そう言うデュランダル。
「しかし、例え戦略級の代物ではあろうとも、単にそのスケールが馬鹿でかいと言うだけで、それ自体はあくまでこの我々の世界の技術力の範疇内に留まる存在であるに過ぎません。
お恥ずかしい限りの話ではありますが、それに対するのにこの様な策を弄さざるを得ない様な、得体の知れない〝獅子身中の虫〟達の暗躍〈跳梁跋扈〉を許してしまっていると言う現状がある以上は、
その中で『あなた方マフティーが保有され、我々に対しての提供開示をも頂いている技術や知識』と言う〝とんでもない代物〟こそが、そんな連中に対してその一断片すら渡してしまう事を絶対に許してはならないものであるのは明らかです」
そう言い切るデュランダルの言葉は、現在のザフト―プラントが密かに抱え込んでいる確かに憂慮すべき状況を説明され理解しているマフティー側としても納得の行くものだった。
もっとも、その〝憂慮すべき状況〟と言うものの実態そのものに関して言えば、無言で天を仰いでしまいたくなってしまいそうな、「彼ら異世界人の感覚」からすれば到底信じられない様な現実であるとしか言い様が無いのだが……。
しかし、彼ら異世界人の目と感覚上においてどう見えようとも、それが「この世界の〝現実〟(の一つの形)」であると言う事実はそのまま受け入れるしかないのである。
そして彼らがとりあえずこの世界にと適応し得たのも、そんな真理が感覚的に理解し得たからであるのは間違いない処であったのだ。
成程、勇断と言うよりは蛮勇と言うべきかも知れない、豪快すぎる割り切りぶりで見事にターミナルを手玉にとって見せたデュランダルの今回の「策略」は、法理的な意味合いから言えば間違いなくアウトと言える行為ではあるだろう。
しかし、そもそもそう言う事をあえてしなければならないと言う事情もまた一方の現実として有るその中で、時にはあえて確信犯でそれを犯すと言う決断が求められる―矛盾と言えば矛盾だが、それこそが政治と言うものでもある。
そして今、現にデュランダルはそういう立場にといる人物であるのだ。
838:代理の代理
10/09/27 21:30:15
64 :【機動戦士ΞガンダムSEED Destiny (17)】(18/18):2010/09/25(土) 23:53:30 ID:mCnjWMRs0
その辺りの〝現実〟と言うものが理解できなければ、また理解しようともしないでいるくせに、
自分達の物差しだけを勝手に相手に対して当てはめて、その行動だけを見て「野心家!」だの「腹黒い陰謀家」だのと非難罵倒し、危険視する。
否、口で非難しているだけならば直接的には無害だが(但し、世論と言うものへの負の影響まではどうしても皆無と言えないだろうが)、ターミナルと言う連中の場合はそれを実際の行動として直接的に妨害工作や機密奪取と言った形で現出させているわけなので。
ブルーコスモス強硬〈凶行〉派と同様に、全くもってやっかいな精神病理の持ち主達であるとしか言いようが無い。
無論、そうであるからこそ野放しにはしては置けないし、またそうしてはならない手合いであるが、言うまでもなくそれをあぶり出すのも容易ではないのだけれども……。
だからこそ、ここでもまたそれらに対する為の切り札たり得るのはやはり、そう言ったしがらみが一切無いマフティーと言う究極の(隠し)切り札なのだった。
そして最初から、実はこうする予定にしていたゴンドワナ級の二番艦に、あえて幻の南方大陸〈メガラニカ〉の名を付していたのはつまり、
それを狙ってくるターミナル―〝自分達が見たがっている〟ありもしない幻を見ている連中―に対してのデュランダルなりの皮肉のスパイスを効かせた諧謔だと言う事なのだ。
無論、だからと言って「ムー」だの「レムリア」と付けるのでは流石に露骨に過ぎるからでもあったわけだが。
それを踏まえてデュランダルは譲渡相手たるハサウェイ達に問いかける。
「さて、〝消えた筈の艦〈フネ〉〟を譲渡させて頂きましたので、今度はあなた方マフティーの手で彼女に、仮の名〈メガラニカ〉に変わる真名を与えて頂きたい処ですが?」
その問いに対して、微笑を浮かべながら互いに顔を見合わせ合うその場に居るハサウェイ以下のマフティーの面々。
宇宙での足として提供されている二隻の高速スループには、彼らをこの世界へと乗せて来た支掩船の名を付していたわけだが、今回新たに(大々的な芝居まで打って極秘裏にと)譲渡された代物に対しては―
その性質を考えれば、この場にはいない多くの同志達の大多数もおそらくは同じであろうが、彼らの脳裏にと浮かぶ名は一つしか無かった……。
かくして、極秘裏に〝メガラニカ〟改め〝ロドイセヤ〟として新生した巨艦はこの後、彼らマフティーと、彼らが協力するデュランダルらにとっての梁山泊となる。
今はまだ誰にも予見し得ない話ではあったのだけれども。ここに於いて打たれていたこの布石は、後々まで彼らに取っての大きなアドバンテージとなるのであった。
―それこそ、当初の想定をも遥かに超える意味合いまで。
自らの意志と力とで運命を切り開いて行き続けている強かなクロサギ達の会合は、かくして終始和やかな雰囲気のままに夜が更けるまで続いて行ったのであった。
839:代理の代理
10/09/27 21:32:13
65 :166:2010/09/25(土) 23:58:58 ID:mCnjWMRs0
こんばんは。どうもお久しぶりでございます。
機動戦士ΞガンダムSEED Destiny筆者の166です。
酷暑の中、仕事の方がずーっと繁忙期で、夏のお祭りに落ちて良かったとか
初めて思ったくらいに創作活動の方もにっちもさっちも行かない状況だったのですが、
その中で亀の歩みで書き溜めて、ようやく~と言う感じではありますが(苦笑)
秋の気配の訪れと共に、やっとのことで続きの(17)の方の投下に来させて頂きました。
かなり長いことお待たせさせてしまいまして、誠に申しわけありません。
ちょうど仕事の絡みもあり北の都へと飛べることになったおかげで
涼しさに比例するかの様に終盤の執筆ペースは結構上がってくれましたので
予想よりも若干早まって今月中に仕上げられました(笑)
帰りは奮発して穴のP席にして、新千歳の空港ラウンジで書いてたら興が乗ってしまって
危うく飛行機に乗り遅れるとこだったとか言う笑えないオチまで付けてしまいましたよ・・・。
※なまじ出張とか行かされる方が(移動中に)落ち着いて執筆できると言うのが一番笑えませんが;
ここしばらくの間の投下は規制ばっかりで避難所の方に~と言うのが続いてしまい
今回もまた同じ状況になっちゃっておりますね・・・(苦笑)
もし出来ましたら、お手数ですがどなたか代理投下の方をお願いさせて頂けますでしょうか?
今回のお話は、反撃の狼煙を上げる
幕間的な主人公サイドの裏側(一方その頃デストロ・・・もとい、宇宙では~)の方で
起きていた出来事を、この物語上での設定とも併せて描いて行きましたが、締めを見て頂ければ
一応はそのままディオキア編の進行継続中ですと言うことで納得頂けるのではないかなとは思います。
これまでの展開も踏まえて、ディオキア編は今後へのターニングポイントになって行く章ですので
このままもうしばらくお付き合い頂ければ幸いです
それではまたです。
840:通常の名無しさんの3倍
10/09/27 22:01:20
乙!!いやあ、待っていた甲斐がありましたね
いつか騙されたことを知ったヒルダ達が、自分たちのことを棚上げして怒るのが目に見えるw
841:通常の名無しさんの3倍
10/09/27 22:17:10
まんまとターミナルにしてやられたのかと思いきやなんというどんでん返しwww
相変わらず続きが楽しみだぜ
842:通常の名無しさんの3倍
10/09/27 23:32:58 +2o1rvpR
これは表に出ない秘密の移動研究コロニー船で戦後まで情報は出ないはずの予定が・・・・・・・
どうなるのかこれから楽しみですわw
更新されてくださるだけで見ている方は楽しいです、
まあ本編のむちゃぶりは○○の…以下略
マフティー達の秘密の本拠地の活躍に期待です!
843:通常の名無しさんの3倍
10/09/28 20:59:24
おー投下来てたのか
作者さんと代理投下の人乙です
細工は流々、後は仕上げを~とまではいかないかもしれないけど
だいぶ色々仕込みが済んでいるようで
大きなうねりが来そうな感じですね
次回も楽しみ
844:通常の名無しさんの3倍
10/09/29 00:49:33
クロスオーバーの匙加減がわからない
銀魂の万屋メンバーに羅生門エミが混じる位かバイストンウェルに鉄筋コンクリートの街並みを作る程度か
845:通常の名無しさんの3倍
10/09/29 21:38:00
マフィティーの人乙でした。
846:通常の名無しさんの3倍
10/10/02 08:47:33
おつおつ
他スレでも代理投稿見かけたが最近規制多い?
規制中ってだけでモチベーション下がると思いますが応援してます
847:通常の名無しさんの3倍
10/10/03 00:49:28
現在477KB
投下考えてる作者さんは残り容量と相談の上、計画的なご利用をお願いしまうー
848:通常の名無しさんの3倍
10/10/07 14:30:13
議長GJラクシズザマミロ…と言いたいところだがちょっと気になる点も。
ロドイセヤがマフティーと議長達の「梁山泊」になるとの事だが、梁山泊といえば
英雄豪傑好漢の集う砦という意味であるのと同時に宋王朝への反逆への拠点でもあるわけで、
まさか政戦両面さらに倫理面でもで遥かにリードしてる議長(派)が今後
大逆転でプラントを追われる羽目になるなんて事態も起こり得るのか……?
849:通常の名無しさんの3倍
10/10/09 11:10:57
水滸伝だとその後宋に帰順してるけどね。そっちルートいくと方ロウとかいう
宗教系叛乱組織の指導者の軍との戦いで半分以上死んでしまうのだが……
と書くとすごい不吉だ。マルキオ的な意味で。
850:通常の名無しさんの3倍
10/10/09 17:23:31
ふと、種死でソウルオブリバースとか考えた
レイ、ハイネ、ステラ、スティング、アウル、三人娘、三馬鹿、アズラエル、ナタル、議長が
地獄巡りしてキラと対面
インパルスによって倒されたキラは、カーボンヒューマンの悪しき自分とラクスの横暴を謝罪するが・・・
キラは実に裏表が無いからリバースしないけどね!!
851:通常の名無しさんの3倍
10/10/11 23:22:56
次スレよろしく~俺は携帯だから無理
852:通常の名無しさんの3倍
10/10/14 22:15:19
保守
853:通常の名無しさんの3倍
10/10/19 23:07:18
今の容量いくつ~
854:通常の名無しさんの3倍
10/10/19 23:17:11
478
855:通常の名無しさんの3倍
10/10/20 00:12:40
避難所にCROSS POINT氏の投下がきてるけど、このスレだと容量足りないかも。
856:通常の名無しさんの3倍
10/10/20 00:30:11
>>855
CROSS POINTはIF系統合の方に投稿してたものだから、こっちのスレには来ない。
IF系統合のスレは332KBだからまだ余裕はある。