11/01/16 11:12:02 KxpmwIEM0
1話>>665 2話>>676 3話>>680 4話>>681
「エサに かかったか」山道沿いの林の中。そこで、瞑想するように屹立していた男が、呟いた。
大柄な体をサーコートで覆い、顔は不気味な覆面で隠れている。
彼を取り囲んだせむしの男の一人が、こくりと頷く。その男も簡素なローブと覆面で体を隠している。
彼らの服には奇妙な紋章が縫い付けられていた。翼を広げた鋼の鳥と、そこに被せられた交差する双剣。
宗教団体ノイズの抱える騎士団、『ハガピキ』の証である。
「ゆこう。あのオトコは かならずあらわれる。あのニンゲンの テアシでもチギりとればな」
無機質な口調で、サーコートの男が残虐なことを平然と言う。彼らの目的は、陣内 強を捕獲すること。
とある男を、誘き出すために。異様な雰囲気の集団が歩き出すと共に。強烈な閃光と爆音が彼らを包んだ。「エクゼキュトか!」
男の鋭い声を掻き消すように、四方から放たれた銃弾が男たちを容赦なく貫いていく。
八つ裂きにされたせむしの男が、どうっと音を立てて地面に倒れた。暴かれたその姿は、人間のものではない。
大和が送ったように擬装されたビデオの、蝗モドキそのままの姿だ。
強装弾のシャワーに曝されながら、サーコートの男が虎のような咆哮を上げ、木々の陰に潜んだ襲撃者たちに飛び掛った。
だが、新たに飛来した攻撃に叩き落される。滑らかに輝く、紫の矢。それが木々の間から音速を超えて襲い掛かってくる。
男は俊敏な動作でその攻撃を巧みにかわし、避けきれない物はその豪腕で叩き落した。
銃弾と矢によって引き裂かれた衣服から覗く体は、やはり人間と呼べる姿ではない。
両腕は鏡のように磨き上げられた鋼の翼で覆われ、分かれた羽が太い指を覆い爪のようになっている。
覆面の破れた部分から剥き出しになった口には、禍々しい牙が並んでいた「グオオォ!!」
短く吼えた男は飛び上がり、木から木へと飛び移って包囲網から抜け出そうとする。