11/11/29 00:31:35.62
ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)が絶滅した原因は、現生人類(ホモ・サピエンス)との
異種交配だったという研究結果が発表された。
研究チームは次のようなシナリオを描いている。寒冷化する気候をしのぐため、ネアンデルタール人は遠くへと
旅を続けた。そして、現生人類と出会い、交配が増え、混合種が生まれるようになる。
遺伝子混合が何世代にもわたると、個体数が圧倒的に少ないネアンデルタール人のゲノムはしだいに減り、
現生人類の中に吸収されていった。
研究チームの一員でアメリカにあるアリゾナ州立大学人類進化・社会変化学部の考古学者マイケル・バートン氏は、
「異種間の遺伝子流動が進むと、どちらか一方の種が明確なグループとして識別できなくなり、
消え去る場合がある」と話す。
◆当然の成り行き
ネアンデルタール人はおよそ3万年前に絶滅したと考えられている。その原因は、「現生人類とは異なり、
寒冷化する世界に適応できなかったから」という説がある。
しかし、「氷河期が始まったとき、ネアンデルタール人は現生人類と同じように対応した。食料やその他
さまざまな資源を求めて行動範囲を広げていったのだ」とバートン氏は述べる。移動範囲が広がると、遠くの
ほかの種と接触する機会も増える。「考古学的なデータによると、ユーラシア大陸では、氷河期の進行に伴い
異種間の接触が増えていたようだ」。
残された資源を巡って互いに遭遇する機会が増え、交配も頻繁になっていった。バートン氏は、
「交配が進むのは“当然の成り行き”だ。科学では最もシンプルな説明が求められる」と話す。
異種交配の増加による影響を計測するため、バートン氏の研究チームは、ネアンデルタール人1500世代に
わたるコンピューターモデルを開発した。
分析の結果、「現生人類による遺伝子汚染のために絶滅した」と判明。この説は以前から唱えられており、
今回は最新技術による補強に成功した。
(本文>>2以降に続く)
▽画像 DNA情報に基づき復元されたネアンデルタール人の女性。 Photograph by Joe McNally
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)
▽記事引用元 National Geographic News(November 28, 2011)
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)
▽Human Ecology
「Modeling Human Ecodynamics and Biocultural Interactions in the Late Pleistocene of Western Eurasia 」
URLリンク(www.springerlink.com)
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