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航続距離と充電問題に挑戦する電気自動車
2009年7月、日本初の量産電気自動車(EV)として発売された三菱自動車「i-MiEV」の航続距離
(1回の充電で走れる距離)はカタログ値で180km(JC08モード)。2010年末に発売された日産自動車
「リーフ」は「i-MiEV」より10%程度長い200km(同)である。満タンにしたガソリン車の半分にも届かない。
街乗り中心に使用するなら問題ないが、ちょっと遠出となるとバッテリー残量や充電器の設置場所を気に
しながらのドライブになってしまう。
ドライブ先で充電器を見つけても困難は続く。充電に長時間かかるのだ。町中でも見かけるようになった
急速充電器を使っても80%充電に30分かかる。もし、先客がいたら1時間である。このままでは自動車の
主力にはなりにくい。
しかし、EVの進化は加速している。今年に入って解決策が続々と登場してきた。
航続距離の短さと充電時間の長さの根っこは、どちらもバッテリーの性能の限界にある。
この問題を克服する策として大きく5つの方法が提案されている。(1)バッテリーの大容量搭載、(2)発
電機搭載、(3)超急速充電、(4)バッテリー交換、そして、(5)EVの「電車化」―である。すでに一部は
実現しつつある。
バッテリーの容量を増やす
自動車関連部品を扱っているTGMY(大阪市)が製作した改造EV『550 REVolution「TGMY EV Himiko」』
が2011年10月3日、1充電走行距離で587.3kmを達成した。これは、国内で市販を予定しているEVの最長
距離である。平均速度55km/h(ドライバー交代のロスタイム除く)という条件でトライした。TGMYでは今後、
受注生産によるEVの事業化を検討するとしている。
TGMYが目標としたのは、米テスラ・モーターズのEVスーパーカー「ロードスター」だ。「ロードスター」の航続距離は
カタログ値で390kmだが、2009年10月27日、オーストラリアで501kmという記録を打ち立てた。TGMYが記録を破る
まで、市販車としては1充電の最長走行距離だった。500km走れればEVの実用性は格段に高まる。
「EV Himiko」の目標は、「ロードスター」の記録を10%上回る550kmに設定していたが、今回これを軽くクリア
した。その原動力は63kWhという大容量のリチウムイオン電池(リチウムポリマータイプ)である。バッテリー容量は、
三菱自動車「i-MiEV」(16kWh)の約4倍、日産「リーフ」(24kWh)の2.6倍に上る。「ロードスター」(53kWh)と
比較しても20%ほど大きい。「TGMY EV Himiko」の車体が大きいため、これだけの容量を積み込めた(車体
全長は「ロードスター」より60cmほど長い)。
URLリンク(eco.nikkeibp.co.jp)
「TGMY EV Himiko」
ベース車両である「Himiko」は、光岡自動車(富山市)が、3代目マツダ・ロードスターをベースに、クラシックカー
風にデザインを変更したもので、2008年12月に発表したものだ。
テスラ「ロードスター」やTGMY「EV Himiko」以外では、中国BYDオート社の「e6」も大きなバッテリーを搭載し、
300km以上の航続距離を実現している。バッテリーの容量は72kWhで重量は約700kgと、車体全重量2000kgの
35%にも及ぶ。
発電機でEV走行を延長
航続距離を伸ばすために実用化されている第2の方法は発電機を積むことである。バッテリーに電気がある間は
普通のEVとして走行し、バッテリーが切れると搭載したガソリンエンジンで発電機を動かし、EV走行を続ける。
エンジンは使うものの、車輪を駆動するのはモーターなので、走りはEVそのものである。「航続距離延長型EV」
あるいは「エクステンダー型EV」と呼ばれる。
村沢義久/日経BP ECO JAPAN 2011年11月7日
URLリンク(eco.nikkeibp.co.jp)
>>2辺りに続く