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室蘭工業大学大学院工学研究科・板倉賢一教授らのグループは、地下の石炭層からメタンガスなどを取り出す
石炭の地下ガス化(UCG)の研究を産炭地の空知管内三笠市で進めている。実用化されれば「日本では初めて
となる」(板倉教授)ビックプロジェクト。将来的には全道各地のローカルエネルギーのネットワーク構築も
視野に入れている。
板倉教授によると、国内の石炭の埋蔵量は300億トン(約170年分)。うち道内は半分の140億トン。
夕張や赤平など空知管内や釧路地方に多い。
UCGでは、石炭を掘り出すことなくメタンガス、一酸化炭素、水素などエネルギーを採取することが可能になる。
このため、安全性が高く経費を抑えることができる。さらに、空になった坑道に二酸化炭素を閉じ込めることが
できるので、環境問題にも役立つという。
取り出す方法は、地中の石炭層に2カ所の穴を掘ってパイプを差し込み、片方から酸素や水蒸気を入れて
石炭を燃焼させる。燃焼時に発生したメタンガスなどのエネルギーをもう片方のパイプから採取するという。
板倉教授らは8月から三笠市内で実験を続けており、メタンガスの採取に成功している。今後は地下水の
汚染防止策やガス漏れ対策、小規模な石炭層からのエネルギーの取り出し方法などについて検証する。こうした
課題が解決されると実用化に向け大きく前進することになる。
板倉教授は「UCGを有効活用して産業誘致につなげることが地域振興につながる。今後、本格的な実証実験を
繰り返して、(国内の実情に合った)モデルをつりたい」と話している。
将来的には道内全域でUCGをはじめ、風力や太陽光など地域の特性を生かしたエネルギーのローカルネット
ワークを構築させる構想も描いている。
板倉教授は今回の研究成果を22日、三笠市民会館で開かれる石炭エネルギーシンポジウムで発表する。
(佐藤重伸)
▽実用化を目指して三笠市内で行われているガス化実験(板倉教授提供)
URLリンク(www.muromin.mnw.jp)
▽記事引用元 室蘭民報(2011年10月8日(土))
URLリンク(www.muromin.mnw.jp)