11/09/26 21:06:29.64
>>1の続き
研究チームは、PFs候補材料のカギとなる電子的特性を特定するために、バークレー研究所 放射光
実験施設Advanced Light Source(ALS)の Wanli Yang氏の助言を得て、軟X線吸収分光法を使うこと
にしたといいます。これにはALSのビームライン8.0.1が用いられました。
「Gaoは、イオンと電子がどこに存在し、どこへ移動していくのかを知りたがっていました。軟X線分光
法を使えば、この種の重要な情報を正確に得ることができるんです」とYang氏。
PANの電子構造と比較すると、Yang氏が取得したPFsの吸収スペクトルは一目で分かるほど目立つも
のでした。PANとの違いが最も大きいのは、炭素と酸素が結合した官能基(カルボニル基)を内包して
いるPFsだったといいます。
「私たちは実験上の根拠を得ましたが、自分たちが観察しているものが何なのか、それがポリマーの
導電性とどう関連しているのかを理解するためには、第一原理による理論的説明が必要でした」と
Yang氏。彼は、バークレー研究所 材料科学部門(MSD: Materials Sciences Division)の Lin-Wang
Wang氏にも研究に参加するよう呼びかけました。
第一原理計算によるシミュレーションで明らかになったのは、リチウムイオンがまず最初にポリマーと
相互作用し、その後でシリコン微粒子と結合するということでした。リチウム原子がカルボニル基を通
じてポリマーに結び付くとき、リチウム原子の電子がポリマーに渡されます。このドーピングプロセスに
よって、ポリマーの導電性が著しく向上し、シリコン微粒子への電子とイオンの輸送が促されると考えら
れます。
その後、この新型負極は、米国立電子顕微鏡センター(NCEM: National Center for Electron Microscopy)
で評価され、シリコン微粒子が膨張収縮を繰り返してもポリマーのバインダー性能が低下しないことが
確認されています。
今回のリチウムイオン電池負極開発は、合成、分析、シミュレーションの3分野でそれぞれ最先端のツ
ールを保有しているEETD、ALS、MSDが協力することで成功したユニークな研究事例であるといえるで
しょう。
引用終わり