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地球の金は隕石群が運んだ?
Rachel Kaufman
for National Geographic News
September 8, 2011
金に代表される貴金属は、およそ39億年前に地球へ襲来した大量の隕石群がもたらした
可能性がある。地球最初期の岩石層を分析したところ、隕石群の衝突によって地球の化学
組成が変化した証拠が初めて確認されたという。
◆マグマの塊に溶け込んだ初期の金
地球のマントルと地殻に貴金属が存在する事実を科学的に説明することは、実はそれほど
容易ではない。貴金属は地球の核を構成する鉄と結び付きやすい性質を持っているからだ。
およそ45億年前、誕生した直後の地球はマグマの塊であった。冷えるにつれて、密度の高い
物質が中心に向かって沈み込んで行き、最終的には鉄を主成分とする核が形成された。この
過程で、原始地球のマグマに含まれていた親鉄元素(鉄との親和性が高い元素)も核へと
移動したはずである。
実際、初期の地球とほぼ同一組成と考えられる隕石を分析した結果、現在の地球の核には
相当量の金が含まれていると推定されている。仮に地球表面を覆うと、厚さは4メートルにも
達するという。
研究に参加したイギリス、ブリストル大学のマシアス・ウィルボールド(Matthias Willbold)
氏は、「親鉄元素はすべて核に取り込まれたはずだ。しかし、現在の地球表面付近には金などの
貴金属が存在する」と話す。
その由来として今回指摘されたのが、地球形成から約6億5000万年後に襲来した大量の隕石群
である。
◆古い岩石から化学的な手掛かり
この仮説を実証するため、ウィルボールド氏の研究チームは、グリーンランドのイスア
緑色岩帯で採取された岩石試料の分析を行った。同地域の岩石は38億年前の海底に噴出した
溶岩と堆積岩からなり、隕石群の襲来時期に近い。ただし、同氏によると、元になった
マントルは約45億年前の地球形成時まで遡るという。
したがって、隕石の影響を受ける前の化学的な特徴が残っているはずだ。研究チームは、
イスア緑色岩帯の岩石と比較的年代が新しい岩石とを比較し、タングステンの同位体比に
違いがあることを突き止めた。
一般に形成年代が比較的新しい岩石にはタングステン184が多く含まれる。一方、イスアの
試料ではタングステン182の含有率が高かった。182は、太陽系誕生から約5000万年後までの
わずかな期間に生成されている。「タングステンの同位体比が変則的なのはイスアの岩石だけだ。
隕石群によって地球表面の組成が変化した証拠と考えている」。
隕石の襲来が地球にもたらした物質の量は、現在のマントル内物質の約0.5%に相当すると
推測されている。質量にすると約2000京トン(2000兆トンの1万倍)に達し、無視できる数字
ではない。
今回の研究結果は「Nature」誌9月8日号に掲載されている。
▽記事引用元 ナショナルジオグラフィック ニュース
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)
▽画像 アメリカ、カリフォルニア州のモハベ砂漠で夜空を駆けるふたご座流星群の流星(2009年撮影)
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)
Photograph by Wally Pacholka, TWAN