【物質科学】1秒間に30コマ測定できる「波長分散型軟X線吸収分光法」を開発 KEK・慶應大at SCIENCEPLUS
【物質科学】1秒間に30コマ測定できる「波長分散型軟X線吸収分光法」を開発 KEK・慶應大 - 暇つぶし2ch2:一般人φ ★
11/08/30 00:57:54.01
>>1続き

この波長分散型軟X線吸収分光法を、KEK放射光科学研究施設フォトンファクトリーの「BL-16A」に設置したより
高輝度のX線を発せさせられる装置「アンジュレータ」からの小さく絞られた強力な軟X線に組み合わせたのが、
今回の研究の成果だ。これによって、1秒間に30スペクトルという高速の連続測定が可能となり、触媒表面で起
きているような速い化学反応でも、一度の実験で最初から最後まで連続的に追跡できるようになったのである。

研究グループでは、今回の手法を用いて最も基本的な触媒反応の1つである一酸化炭素(CO)と酸素(O)の化学反応が、
イリジウムの表面で進行していく様子を追跡した(画像2)。イリジウム表面に1層以下の酸素を吸着させておき、
一酸化炭素を流すことで反応を起こしたものだ。反応前に見えていた酸素の素材を示すピークが、一酸化炭素
を流し始めると急激に減り、同時にCOを示すピークが成長。これは、CO+O→CO2という化学反応で酸素が使われて
しまうためだ。

▽画像2。イリジウム表面における酸素と一酸化炭素の反応中に測定した軟X線吸収スペクトルの時間変化。
URLリンク(j.mycom.jp)

実験は反応開始から約150秒で完全に酸素がなくなり、表面には一酸化炭素だけが残って終了となる。
この触媒反応のデータを解析すると、反応中のイリジウム表面での一酸化炭素と酸素の量が、時間とともに
どのように変化していくかを正確に見積もることが可能だ(画像3)。

▽画像3。温度の違いにおけるイリジウム表面の酸素と一酸化炭素の時間変化。

さらに、自動車に自動車に搭載されている触媒が有効に作動し始める温度(約300℃)に近い277℃では、すべて
の反応が10秒以内で終わってしまう。よって、1秒間に30コマという高速測定であればこそ、一酸化炭素と酸素の量
の変化をしっかりと追跡できたというわけである。この手法を駆使してさまざまな触媒反応の仕組みを解明する
ことで、より高性能な触媒の開発へとつなげていくことも可能というわけだ。

また、KEK放射光科学研究施設フォトンファクトリーのBL-16Aでは、「偏光スイッチング」技術を開発中だ。
同技術は、軟X線を含む光の波の性質を利用し、波の振動面が水平面内にある場合の水平偏光と、垂直面内の
垂直偏光の2種類を1秒間に何回も切り替えるという技術だ。水平と垂直の両方の偏光を使って測定した軟X線吸収
スペクトルを比較すると、表面の分子がどちらの方向を向いているか(配向)がわかるという仕組みである。
偏光スイッチングを波長分散型軟X線吸収分光法と組み合わせることで、反応中の分子の種類と量に加え、
分子の向きがどのように変化して反応が進んでいくのかまで知ることができるようになるというわけだ。

(以上引用ここまで)


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch