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万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)は、さまざまな細胞に分化できる能力を保つために必須とされた
「がん遺伝子」が働かなくても、分化する能力を失わないことを埼玉医大の奥田晶彦教授らが発見、8日付の
米科学誌セル・ステム・セルに発表した。このがん遺伝子は人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製にも密接に
関わっており、がん化のリスクが少なく、質の高いiPS細胞をつくるのにも役立つ成果という。
がん遺伝子は、京都大の山中伸弥教授がiPS細胞を最初につくったときに使った遺伝子の一つ「cMyc」。
現在はcMycを使わなくてもiPS細胞をつくることが可能になったが、作製効率が低下する。
奥田教授らは、薬剤によりcMycが働かないようにしたES細胞をつくって実験。通常の培養法では別の
種類の細胞に分化してしまい細胞死したが、細胞が分化するのを抑える薬剤を培養液に加えたところ、
ES細胞のまま増殖を続けた。
奥田教授は「cMycは分化を抑えていた。詳しく調べれば、ES細胞やiPS細胞の実用化を妨げる壁と
なっているがん化を克服できる可能性もある」としている。
▽記事引用元 産経新聞(2011.7.8 01:00 )
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
▽Cell Stem Cell
「 Indefinite Self-Renewal of ESCs through Myc-Max Transcriptional Complex-Independent Mechanisms」
URLリンク(www.cell.com)(11)00225-6