11/06/09 02:32:28.59 BE:862884746-2BP(1056)
マウスやヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作成効率を大幅に上げる遺伝子を、
京都大の山中伸弥教授らのチームが発見した。
この遺伝子には、がん化しやすい不完全なiPS細胞の増殖を抑える効果がある。
9日付の英科学誌ネイチャーに発表する。
Glis1(グリスワン)と呼ばれる遺伝子。
iPS細胞は、皮膚など既に分化した一般の細胞を、
受精卵の細胞同様に戻す「初期化」という工程を経て作られ、
初期化には4種類ほどの遺伝子を細胞内に入れる方法が用いられる。
前川桃子・京大助教(分子生物学)らは、産業技術総合研究所が蓄積した遺伝子のうち
約1400種を使い、他の遺伝子と組み合わせては細胞内に入れる作業を繰り返し、
Glis1遺伝子を見つけ出した。
Glis1は、他の初期化遺伝子の働きを促進したり、
初期化が不完全だった細胞の増殖を抑える働きもあるといい、
Glis1を使う方法では、できあがった細胞に占めるiPS細胞の割合が、
マウスで従来の約5倍、ヒトで約4倍にもなった。
従来の初期化遺伝子は、胚性幹細胞(ES細胞)で働く遺伝子群から発見されたのに対し、
Glis1は、卵子や初期の受精卵の中で強く働く遺伝子。
山中教授は「卵子にはES細胞にない秘密があると考えられてきたが、
Glis1は間違いなくその一つ。魔法の遺伝子を見つけた」と話している。【須田桃子】
毎日jp
URLリンク(mainichi.jp)
Nature
Direct reprogramming of somatic cells is promoted by maternal transcription factor Glis1
URLリンク(www.nature.com)