11/05/11 23:26:39.82
われわれはなぜ、憎悪されていた男が死んだときに、通りに集まって喜ぶのだろうか。その答えは、
脳とゲーム理論の関係にあるかもしれない。
ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)の、Tania Singer氏率いる研究チームは数年前、
『囚人のジレンマ』と関係した簡単な実験を行なった。
[囚人のジレンマは、「個々にとって最適な選択」が全体として最適な選択とはならない状況の例としてよく
挙げられる問題。古典的なモデルでは、2人の共犯者が逮捕され、警察から別々に取り調べを受け、それぞれ
同じ選択肢を与えられる―「自白する」(裏切り)か「黙秘する」(協調)かのどちらかだ。もし片方が裏切り、
他方が協調した場合、裏切った方は釈放され、協調した方は10年の刑を言い渡される。両方が協調した場合、
どちらも6ヵ月の刑となる。両方とも裏切った場合、2人とも5年の刑となる。どちらの容疑者も、相手が行なった
選択を知ることができない]
研究チームは、被験者の目の前で囚人のゲームを演じさせ、被験者らが2人の「囚人」について、強い意見を
持つようにした。
多くの場合、被験者は「裏切り者」に対して強い嫌悪感を抱き、信用のおけない嘘つきとみなすようになった。
続いてチームは、被験者をfMRI(機能的磁気共鳴画像)装置に入れ、囚人役の演者の手に、
痛みのある電気ショックを与えるのを見させた。
その結果、演者がショックを与えられたとき、すべての被験者の脳において、痛みにかかわる領域の活動が
活発になった。他者の痛みに対して、共感を覚えずにはいられなかったのだ。ところが、「裏切り者」の
演者にショックが与えられたときには、その活動はやや低下した。これは、「悪い社会的行動」をとった
他者に対して、人々の感じる同情が低下し、他者の痛みに対する関心が薄くなったことを示している。
本文>>2に続く
▽記事引用元 WIRED VISION(2011年5月 9日)
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