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2放射線に強い微生物たち
2011年4月 6日
Brandon Keim
[この記事は、2009年7月8日に掲載した記事等を再編集したものです。]
Deinococcus peraridilitorisは、チリのアタカマ砂漠の土中で2003年に発見された。米航空宇宙局
(NASA)が火星シミュレーションに利用している場所だ。
Deinococcus peraridilitorisは、「世界で最もタフなバクテリア」としてギネスブックに認定された
同属のDeinococcus radioduransほど有名ではないが、同様のタフさを誇る。非常に乾燥して荒涼と
した低温、真空、干ばつに加えて、放射線に耐えることができる。
生存能力の鍵は、ゲノムの複製にある。ゲノムが損傷すると、別のゲノムから必要な部位を複製
できるのだ。
[Deinococcus radiodurans(デイノコッカス・ラディオデュランス)は、「放射線に耐える奇妙な果実」
という意味。1956年にオレゴン農業試験場で発見された。当時、食品保存の研究のために、牛肉の
缶詰にガンマ線を照射して滅菌する実験が行なわれていたが、その缶詰を保存していたところ、
いくつか腐って膨らんでしまったため、強い放射線に耐える細菌を単離した。
10Gy(グレイ)の放射線でヒトを、60Gyの放射線で大腸菌を殺すことができるが、D. radioduransは
5000Gyを浴びても死滅せず、1万5000Gyでも37%は生き残る。
放射線に耐える能力は、その強力なDNA修復機構によると考えられている。通常の生物はガンマ線を
放射してDNAを数百の断片に切断すると回復できずに死に至るが、D. radioduransは通常12-24時間
程度でDNAを復元する。
このDNA修復機構を獲得するに至った経緯は、乾燥に耐えるためという説がある。放射線に弱い変異株
は乾燥にも弱くなることが明らかとなっている。(Deinococcus radioduransは、高温、低温、乾燥、
低圧力、酸の環境下にも耐えることができる。放射性廃棄物などから金属を回収する用途に利用できる
のではないかと期待されている)
放線菌門やプロテオバクテリア、ユーリ古細菌の中にも、1万Gy程度の放射線に抵抗性を示すものが
それぞれ存在する。真核生物の中にも、菌類など比較的強い放射線に対して抵抗性を示すものがある]
Halobacterium NRC-1は、地球上でもっとも放射線耐性が強い生物で、約1万8000グレイの放射線に
耐えることができる(先述したように、人は10グレイの放射線で死ぬ)。これは、Deinococcus
radioduransの倍近い数字だ。
なお、緩歩動物(かんぽどうぶつ)と総称されるクマムシも、無代謝の休眠状態に入ると高温や乾燥の
ほか、高線量の紫外線、X線等の放射線に耐える。ヒトのX線致死線量は500レントゲンだが、クマムシ
は57万レントゲンまで耐え、(700匹中のうち3匹が)宇宙空間での生存実験にも耐えた]
▽記事引用元 WIRED VISION
URLリンク(wiredvision.jp)
▽画像
URLリンク(img2.wiredvision.jp)
(左)世界で最もタフなバクテリアDeinococcus radiodurans(Public Library of Science)
(右)チリのアタカマ砂漠(NASA)
URLリンク(img3.wiredvision.jp)
(左)地球上でもっとも放射線耐性が強い生物Halobacterium NRC-1(NASA)
(右)キノコ雲(米エネルギー省)
URLリンク(img2.wiredvision.jp)
クマムシ。体長は50マイクロメートルから1.7ミリメートル(Goldstein Lab)
▽文中関連記事 「地球最強の生物」クマムシ、宇宙でも生存可能
URLリンク(wiredvision.jp)