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全国約1千地点の地震計網で列島を監視し、
大地震が発生すると即座に周辺地域に警戒を促す気象庁の緊急地震速報。
東北地方太平洋沖地震でも発生から8秒後に発表され、被害軽減に貢献した。
しかし、東北地方のデータを提供する東北大地震・噴火予知研究観測センターの
地震計網は3割が超巨大地震でダウンし、適切な観測ができない状況に陥った。
余震活動が続く中、復旧はどうなっているのか。
センター長の海(うみ)野(の)徳(のり)仁(ひと)教授に19日、
電話で聞いた。(伊藤壽一郎)
「激しい揺れで最初は、2日前に起きた地震を引き金に、
想定されていた三陸沖地震が起きたと思った。
しかし揺れが長すぎて、違うぞ、これはもっと大変なことが起きたと感じた」
海野教授は、地震が発生した11日午後2時46分、
仙台の市街地を見下ろす青葉山中腹にある、観測センターの3階研究室にいた。
揺れが収まって屋外に飛び出すと、建物にはひびが入り、
地割れも発生していて研究室に戻れない。
東北大は、東北地方約100地点に設置した地震計のデータを
光ファイバー網で観測センターに集め、気象庁に送っている。
「システムは大丈夫か」。心配だったが建物の安全確認は午後5時ごろまでかかった。
「研究室に戻り、床に落ちたデータ受信用のコンピューターを引き起こして確認すると、
太平洋側を中心に、約30地点からデータが届かないトラブルが発生していた」。
このため、気象庁は11日午後8時、「東北地方の余震の速報が適切に出せなくなった」と
発表する事態に陥った。
「超巨大地震の余震活動は、大規模で長期間にわたるはず。
早く復旧して情報を届ける責任がある」
センター側の機器の復旧は進んだが、
東北各地に点在する地震計の動作確認作業は、困難を極めた。
「福島第一・第二原子力発電所の20キロ圏内や津波被災地の地震計には
まだ近づけないし、ほかの地点へ行くにも交通は大混乱。
海辺の観測所に常駐する研究員の安否も気にかかる」
少しずつ復旧作業を積み重ね、
19日時点の故障数はなんとか10地点前後までこぎつけた。
センター員約70人すべての無事も、18日に確認された。
「ようやくここまできたが、余震活動はまだ続く。
速報の精度を上げるため、故障地点数を1ケタまで持っていかなくては」
疲労の濃さを感じさせる声に、焦りもにじむ。
msn.(産経ニュース)
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