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◇iPS細胞で気管軟骨再生 福島医大がネズミ実験成功
福島医大医学部耳鼻咽喉科学講座(大森孝一教授)の研究チームは28日までに、
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って気管の軟骨を再生する実験に耳鼻咽喉分野で
世界で初めて成功した。
がんなどの治療で気管の軟骨を摘出した後は耳などの軟骨を移植している。
iPS細胞による軟骨は皮膚などから生成可能で、患者の身体的・精神的負担が
大きく軽減すると期待される。4月に米シカゴで開かれる耳鼻咽喉科学会で発表する。
■耳、鼻の軟骨に応用期待
実験は今泉光雅助手(33)らの研究チームが理化学研究所から高品質のマウスiPS細胞を入手し、
1000万個程度に増殖させて行った。プロセスは【図】の通り。iPS細胞をコラーゲンを含むジェル状の
物質に混ぜ、同講座が京都大と共同開発したスポンジ状の人工材料に染み込ませる。
その上で、軟骨への変化を促す特殊な液体に浸して約6週間培養。培養した人工材料を
実験用ネズミ5匹の気管に移植した結果、約4週間後に2匹で軟骨として再生したことを確認した。
気管の軟骨摘出は、甲状腺がんの手術などで行われる。県内では年間10~20例ほどあり、
摘出後は耳などの軟骨を移植するケースが多い。この場合は他の部分からの切除と気管への
移植の2回の手術が必要。iPS細胞を用いると少量の皮膚などから再生、移植が可能で、耳など
他の部分を傷付けずに済む。今後、別の動物で実験を重ねて再生技術を確立し、早期の人体への
応用を目指す。気管だけでなく、耳や鼻の軟骨の再生にも生かせる可能性があるという。
iPS細胞の培養技術はまだ十分に確立されていない。今泉助手は、国内の研究開発を
リードする理化学研究所で最先端の技術を習得、2年半前から実験に取り組んでおり、
「患者本人の細胞を使えば移植後の拒絶反応も原則ない。早い時期に臨床に生かせるよう
全力で取り組む」と話す。
日本気管食道科学会常任理事の平林秀樹獨協医科大耳鼻咽喉・頭頸部外科教授は
「気管の軟骨再生は技術的に困難で成功例はなく、画期的な研究だ。人への応用を待ちたい」
と評価。その上で「体の他の部分の軟骨を移植すると、時間の経過とともに溶ける場合が多い。
iPS細胞で行えばこうした問題もクリアされる可能性が高い」と注目している。
今泉助手は愛知県設楽町出身。福島医大卒。病院助手などを経て昨年4月から現職。
■※iPS細胞 皮膚など分化が進んだ体細胞に特定の遺伝子操作を行うことで、さまざまな
組織に成長する能力を持つようになった細胞で、再生医療の切り札として期待されている。
山中伸弥京都大教授が平成18年にマウスで、19年にヒトでの作製に成功したことを発表した。
ただ、移植後、悪性腫瘍に変化するなどの課題もある。
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▽記事引用元 福島民報
URLリンク(www.minpo.jp)
画像:iPS細胞による気管軟骨の再生プロセス
URLリンク(www.minpo.jp)