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脳の細胞再生成功、特殊なたんぱく質利用 名古屋市立大
2011年2月21日3時3分
病気などで失った脳の細胞を、脳内にある幹細胞から再生させることに、名古屋市立大の
グループがマウスで成功した。幹細胞が脳内で作り出した細胞は通常、未熟な状態のままだが、
特殊なたんぱく質を注射すると一人前の細胞に成長させることができた。
脳性まひや脳梗塞(こうそく)などの治療法の開発につながると期待される。
再生できたのは、脳の神経細胞を保護したり栄養を補給したりする「グリア細胞」の一種。
血流が減って酸素が不足し、この細胞が死ぬことで起きる「脳室周囲白質軟化症」(PVL)は、
子どもの脳性まひの一因とされている。
脳にはグリア細胞などを生み出す幹細胞があり、細胞が失われると、新しく作ろうとする。
だが、同大の澤本和延教授と大学院生の加古英介さんらがマウスやサルなどを調べたところ、
幹細胞から作られた細胞の多くは成長が途中で止まってしまい、
脳の機能回復につながらないことがわかった。
そこで、成長を促すたんぱく質をPVLのマウスに注射したら、未熟な細胞の成長が進み、
成熟した細胞が1.5倍に増えたという。
澤本教授は「脳の細胞は自然には再生しないとよく言われるが、人の手で再生を促せる
可能性を示せた」と話す。今後治療効果を詳しく調べ、サルでも同様の実験をする。
同大などでは、損傷した脳の細胞をiPS細胞を使って再生する研究が進められている。
移植した脳の細胞を生着させるには、未熟な状態で移植して体内で成熟させる必要が
あるといい、今回の技術の活用も見込まれるという。
成果は3月1日から都内で開かれる日本再生医療学会で発表される。(福島慎吾)
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▽記事引用元 asahi.com
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画像:傷ついた脳の細胞(グリア細胞)が再生する仕組み
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