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【心理】「融合」と創造性 2重アイデンティティを持つ人は高い創造性発揮 蝶の研究者としてのナボコフを例に - 暇つぶし2ch1:星降るφ ★
11/02/04 14:42:19
「融合」と創造性:複数の世界を生かす人々
2011年2月 4日
Jonah Lehrer

作家ナボコフは、ハーバード大学博物館に勤務する蝶の研究者でもあった。[ウラジーミル・
ナボコフは、小説『ロリータ』で有名な作家。1899年生まれで、鱗翅目研究者としては、
ハーバード大学とコーネル大学の研究所で、シジミチョウの分類学的研究等を行なっていた]

最近、ナボコフが『Polyommatus blue』という蝶の進化に関して1945年に発表した仮説[旧
大陸から新大陸に移住したという仮説]が正しかったことが、遺伝子分析によって確かめられた。

科学史家のスティーヴン・ジェイ・グールドはナボコフの科学への関心を、彼の才能の希薄化
と見ていた。しかしナボコフ本人は、自分の才能は実際には、この2つの異なる分野が融合した
ものだという主張を、説得力をもって展開している―「芸術作品には、ある種の融合が存在
すると思う。それは2つのもの、詩の正確さと純粋科学の興奮との融合だ」

決して忘れてはならないのは、芸術作品とはつねに新たな世界の創造であるということだ。
ゆえにわれわれが第一にすべきことは、その新たな世界をできる限り詳細に調べ、全く新しい
もの―すでにわれわれが知っているどの世界とも明らかなつながりを持たないもの----として
アプローチすることだ。この新たな世界を詳細に調べ終えたとき、そのときになって初めて、
他のさまざまな世界、他の知的分野とのつながりを調べることが可能になる。

ナボコフにとっては、宇宙の全てが、解かれることを待っている複雑なパズルだった。小説で
あろうと、蝶の進化であろうと、チェスの問題であろうと、違いはなかった。

そして、「2重のアイデンティティ」とは、ナボコフだけに限られたものではない。ミシガン
大学の心理学者Jeffrey Sanchez-Burks氏が中心となって行なった研究(PDFファイル)は、
「2重のアイデンティティ」を持つ人々と創造性について研究している。

研究者たちによると、自分のことを「アジア人であり米国人である」、または(単なるエンジニア
でなく)「女性のエンジニアである」と認識している人は、高いレベルの創造性を発揮するという。

1つ目の実験で、研究チームは多くのアジア系米国人を集め、アジアと米国、両方の食材を使った
料理を考案するという課題を与えた。2つ目の実験では、女性エンジニアたちに新しいモバイル
通信デバイスを考案するという課題を与えた。

いずれの実験でも、自らの異なるバックグラウンドを同時に活用するのが上手な被験者のほうが、
どちらか一方のバックグラウンドしか利用できない被験者に比べて、高い創造性を示した(より
おいしい料理を考案したり、より良い通信機器をデザインした)。自身の社会的アイデンティティ
における多様性が、問題解決におけるアプローチの多様性につながっており、そのため思考が
より柔軟に保たれ、複数の創造的な戦略を試す能力において後者を上回ったのだ。

>>2以降に続く)

▽記事引用元  WIRED VISION
URLリンク(wiredvision.jp)
WIRED NEWS 原文(English)
URLリンク(www.wired.com)

▽画像  左側がオス、右側がメスという「雌雄モザイク」のモルフォチョウ標本。ハーバード
博物館に勤務していたナボコフのお気に入りだった。
URLリンク(img1.wiredvision.jp)
ナボコフは、収集した蝶の生殖器を葉巻箱で整理していた。
URLリンク(img2.wiredvision.jp)

▽関連 文中リンク(PDFファイル)
Connecting the Dots Within: Creative Performance and Identity Integration
ミシガン大学の心理学者Jeffrey Sanchez-Burks氏が中心となって行なった「2重のアイデンティティ」
を持つ人々と創造性についての研究


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