11/01/31 23:34:55
マウス胎児の体細胞を心筋細胞に直接変えることに成功したと、米スクリプス研究所とカリフォルニア大の
研究チームが31日、英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に発表した。
万能細胞の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作る際と同じ3、4種類の遺伝子を胎児の線維芽
(せんいが)細胞に導入するが、短期間だけ作用させてからさまざまな化合物やたんぱく質を加えて
培養することで、iPS細胞を経由せずに直接心筋細胞に変えたという。
iPS細胞は作るのに時間がかかり、スピードアップが課題となっている。また、盛んに増殖して多様な
細胞に変わる能力があるため、必要な細胞に変えた際、不要な細胞が一緒にできてしまったり、
がん化したりすることを抑える技術が求められる。
ヒトの大人の皮膚細胞などを心筋細胞に直接変えることができれば、iPS細胞を作ってから心筋細胞に
変える場合に比べ、速く、安全性が高い方法になる可能性があり、新薬開発や再生医療への応用が加速するという。
体細胞を違う種類の細胞に直接変えたとの研究報告は近年、国内外で相次いでおり、ヒトでは昨年11月、
カナダ・マクマスター大チームが皮膚細胞を血液の前段階の細胞に変えたと発表した例がある。
▽記事引用元 時事通信(2011/01/31-16:32)
URLリンク(www.jiji.co.jp)
▽Nature Cell Biology
「Conversion of mouse fibroblasts into cardiomyocytes using a direct reprogramming strategy」
URLリンク(www.nature.com)