11/01/27 15:52:54
(>>1の続き)
今回の研究は、子供の成長において、社会経済的な状況が大きな影響力を持っていることを
示している。今回の研究では、階層による違いがみられたことの原因については考察して
いないが、既存研究ではありとあらゆる要因が取り上げられている。例えば、子どもに対して
用いられる語彙の豊富さ(語彙が豊富なほどテストの成績は高くなる)、家庭にある書籍の数、
さらには、子どもに投げかけられる肯定的なコメントと否定的なコメントの比率といった
ものまでだ。例えば、3歳までに、高所得家庭の子どもは肯定的なコメントを平均で約50万回、
否定的なコメントを8万回聞かされるが、低所得家庭の子どもではこの比率が逆転するという。
シカゴ大学の経済学者でノーベル経済学賞を受けたJames Heckman氏らは、幼児教育への
投資を増やすべきだと提唱しているが、今回の研究で、より早い段階での改善が必要なことが
示されたことになる。(ひとつのモデルは、ニューヨークのハーレムで新米の親たちに子育て
スキルを教える『赤ちゃんカレッジ』だろう。)
たしかに、幼いうちに不平等を取り除いたとしても、遺伝子による、また別の種類の不平等は
生まれる。しかしそうした環境では少なくとも、親の誤った選択や低所得による制限を受けず
に、潜在的な知能を伸ばす子どもを増やすことはできるだろう。
(記事ここまで)