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クニマスどうする 調査・レッドリスト変更…異例で困惑(1/2ページ)
国のレッドリストで絶滅種に指定され、約70年ぶりに生息が確認された魚「クニマス」。
発見場所の西湖がある山梨県は「どれだけ生息するか分からないのに、むやみに捕獲して
よいものか」と調査の進め方に悩む。一方、レッドリストの見直し作業を進める環境省も、
本来生息しない西湖に人の手で運ばれた経緯をどう評価すべきか、頭を抱えている。
天皇陛下が「奇跡の魚」とたたえたクニマス。再発見された西湖での生息状況は、ナゾに
包まれている。過去に生息していた秋田県田沢湖での記録からは、冷たい水を好み、深い
場所に生息し、1~3月を中心に産卵するとされる。だが、クニマスの生息を確認した
京都大の中坊徹次教授は「西湖にいるクニマスは、個体数はもちろん、生息する水深なども、
よく分かっていない」と話す。
山梨県富士河口湖町は12月15日、役場内にプロジェクト準備チームを立ち上げた。
クニマスの保護にむけて環境省と西湖漁協の間を取り持つ狙いだが、「生業を営む中で
漁協は何ができるか」と町は慎重だ。
三浦保明組合長も「今はまだ何もしていない」。ただ、組合員の多くは話し合いの場を
設ける必要があると考えており、日程を調整中。西湖内でクニマスが多く生息する区域が
分かれば、禁漁区にすることも検討しているが、一方で「禁漁区を設けるとクニマスの
居場所を教えてしまうのでは」と懸念する声もある。
山梨県の横内正明知事は発見の知らせを聞いてすぐ、「まずは生態調査をしなければ
ならない」と、担当課に伝えた。しかし、網による捕獲調査について「実態が分からない中で、
むやみに捕れない」と県の担当者。「速やかにやりたいが慎重さも必要」と打ち明ける。
中坊教授は「捕獲でクニマスの生息状況を悪化させる恐れがある。まずは漁業関係者
から詳しい聞き取り調査をするべきだ」と指摘する。
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(つづく)