10/12/08 19:42:13
抗体DNAの仕組み解明 京大グループ
体内に入った外敵に合わせて抗体を作るDNAを組み換える「クラススイッチ」で、
DNAの切断に必須となる目印を、京都大医学研究科の本庶佑客員教授たちのグループが見つけた。
発がんの仕組みの解明や、アレルギー疾患の治療法の開発につながる成果という。
米国科学アカデミー紀要で7日発表する。
クラススイッチでは、リンパ球の一種のB細胞で、「糸巻きタンパク質」のヒストンに巻かれた
DNAが切断され、再びつなぎ合わされて、外敵に応じた抗体が作り出される。
しかし、DNAの切断の詳しい仕組みは分かっていなかった。
本庶客員教授たちは、マウスの細胞を使った実験で、DNAの糸巻き構造を緩める働きのある
複合タンパク質FACTが、ヒストンの特定の部分にメチル基をつけて(メチル化)、
DNA切断の目印としていることを突き止めた。
FACTの働きをなくすと、メチル化が抑えられ、DNAの切断が行われずにクラススイッチも
起こらないようになった。
本庶客員教授は「今回のDNA組み替えは、生殖細胞ができる際のDNA組み替えと仕組みが
よく似ており、遺伝子組み換えの仕組みは、あらゆる生物に共通だと考えられる。
遺伝子組み換えの誤りが原因となる疾患の研究につながるのではないか」と話している。
▽記事引用元 京都新聞【 2010年12月07日 08時55分 】
URLリンク(www.kyoto-np.co.jp)
▽プレスリリース
URLリンク(www.kyoto-u.ac.jp)
▽PNAS
「Histone3 lysine4 trimethylation regulated by the facilitates chromatin transcription complex is
critical for DNA cleavage in class switch recombination 」
URLリンク(www.pnas.org)