10/10/14 19:16:11
口や皮膚に水ぶくれができたり、角膜炎や脳炎になったりすることもある「単純ヘルペス」について、
原因ウイルスの感染を防ぐ薬剤を開発しマウスで効果を確認したと、
東京大や大阪大の研究チームが14日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
ウイルスに一度感染すると、風邪をひいたり年を取ったりして抵抗力が落ちたときに再び発症する。
初感染の防止は重要で、新薬の実現が期待される。
ヘルペスには単純ヘルペスのほか、水ぼうそうと同じウイルスが原因で起きる帯状ヘルペス(疱疹=ほうしん)がある。
単純ヘルペスウイルスがヒトなどの細胞に侵入する際は、ウイルス上にある糖たんぱく質Bと同Dが、
細胞側の表面にある窓口役のB受容体とD受容体にそれぞれ結合することで始まる。しかしB受容体が不明だった。
東大医科学研究所の川口寧准教授らは、このB受容体が「非筋肉ミオシン2A」の重鎖と呼ばれる物質であることを解明。
この物質は、細胞の中から表面に上がってきてウイルスの糖たんぱく質Bに結合するが、
薬剤の「ML-7」を投与すると細胞表面への浮上を防ぎ、結合を阻止できることが分かった。
単純ヘルペスウイルスに感染すると角膜炎になるタイプのマウスにML-7を点眼すると、
同ウイルスに感染させても、角膜炎を発症したり、死んだりする割合が大幅に低下したという。
時事通信(2010/10/14-02:07)
▽記事引用元 時事ドットコム
URLリンク(www.jiji.com)
▽Nature掲載論文Abstract
URLリンク(www.nature.com)