10/10/10 00:34:01
(>>1の続き)
■やさしい天敵は?
アメリカザリガニが増えるからといってオオクチバスを野放しにはできない。
減らした後はどうするか。山室教授らは環境研究所と共同で、他生物への影響が少なく
バスの代わりになる天敵を探っている。その第一候補がカメだという。
「もともと日本にいるカメなら、バスほどの害はないはず」
効果を試すため、水槽に水草とアメリカザリガニ七匹、カメ一匹を入れ、水草がどう減るかを観察した。
比較のため、ザリガニと水草の水槽、水草だけの水槽も設けた。
その結果、イシガメを入れた水槽が最も水草の減少が小さかった。
次にクサガメ、アカミミガメの順。ザリガニだけの水槽は四日で水草がほぼ全滅した。
カメには(1)ザリガニを食べる(2)動き回ることでザリガニに警戒させて行動を抑える-
の二つの効果があるという。アカミミガメは主に(1)、クサガメは(2)を示し、
イシガメは(1)(2)両方の効果があることが分かったという。
「日本固有のほうが、ザリガニを食べたり行動を抑えたりする効果があることが分かった」
と実験した同大学院修士課程二年の千谷久子さん。
一方で「アカミミガメとの競争や護岸工事で生息場所を奪われるなどして、
イシガメも減っている」と懸念する。
「固有の魚を守ろうとブラックバスだけを退治すると、アメリカザリガニが増える。
すると池の底にある藻を食べ、魚の産卵場所がなくなるなどして、
かえって数を減らすことにもなりかねない」と山室教授。
「個々の生物を守るというだけではなく、生態系の全体を考えた対策が必要」
と多様性保護の難しさを指摘する。
●記者のつぶやき
アメリカザリガニの色はエサや環境で青くも白くもなると知らなかった。
子どものころニホンザリガニだと思ったのは、小さくて赤くないアメリカザリガニだったらしい。
(引用ここまで)