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染色体やホルモンの異常により男女の判定が難しい性分化疾患で、
04年からの5年間に小児科などを受診した未成年者が少なくとも3000人いることが
日本小児内分泌学会などの実態調査で初めて分かった。
性分化疾患は医療者の間でも理解が不十分なため不適切な性別判断などが後を絶たないが、
同学会は国内の患者数が決して少なくないことを踏まえ、医療の質向上を進めたい考えだ。
性分化疾患とは、性器や性腺(卵巣、精巣)、染色体の性別が男女どちらかあいまいだったり、
異なって生まれてくる疾患の総称。調査では、これらの疾患を診ることの多い小児科などの
医師約1900人に04年1月から約5年間に診察した患者数を尋ねたところ、
回答した医師の勤める504医療機関で1727人が受診していた。
回収率などを基に推計すると、国内での受診者は0歳~10代で約2900~3000人、
成人を含めると最低でも5000~6000人になった。
ただし、小児期には見つかりにくい疾患があるうえに、
他科を受診したり本人だけで抱え込んでいる人もおり、
調査に携わった医師からは「実際の患者数はこの数倍はいるのでは」との声もある。
調査結果は9日まで大阪市で開かれた同学会学術集会で発表された。
また、学会は調査に合わせ、医療者向けの「手引き」を作成。
新生児期の診断手順や医療体制のあり方に加え、
告知の際には家族の心情に十分配慮することなどを明記した。
同学会性分化委員長の大山建司・山梨大教授は「これまで患者の実態が全く分からなかっただけに、
受診者の数を把握できた意義は大きい。患者が成長とともに抱える課題など、
今後さらに調査を続けたい」と話している。【丹野恒一】
毎日新聞 10月9日(土)19時35分配信
▽記事引用元 毎日JP
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