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H2Aロケット:受注増狙い大幅改良 3年後打ち上げ目標
文部科学省は、国産の「H2Aロケット」の打ち上げ能力を大幅に向上させる方針を固めた。
異なる高度に衛星2基の同時打ち上げを可能とするなど高機能・低価格化で欧露の「世界標準」ロケットと互角の
受注合戦に挑む。
01年の1号機以来、初の大幅改良で、宇宙航空研究開発機構と三菱重工業は近くプロジェクトチームを発足、
13年度の打ち上げを目指す。大きさは今と同じで、H2Aの名前は継続する。総事業費は161億円。
文科省は来年度予算で機体開発費など約22億円を概算要求する。
計画では、2段ロケットエンジンの燃焼と停止を繰り返す「再々着火」を実現。需要の多い観測衛星を
太陽同期軌道(高度500~1000キロ)の異なる高度に1基ずつ、エンジンを再燃焼しながら2基投入し、
1基当たりの打ち上げ費を3~4割減らす。
また、放送通信衛星などは静止軌道(同3.6万キロ)により近い軌道に投入。
衛星の軌道変更用の燃料が少なくでき、衛星の寿命を3~5年延ばせる。
H2Aは11日、米国のGPS(全地球測位システム)を補完する準天頂衛星「みちびき」を打ち上げ、
成功率は94.4%と世界水準に達した。打ち上げ時期の制限も漁業交渉の結果、来年度から撤廃される。
文科省は、これらに大幅改良が加わることで、価格面で商業衛星受注をほぼ独占する欧露に互角となるともくろんでいる。
一方で、1号機から10年経過し、開発当初の電子部品や材料の多くが製造中止で枯渇し、打ち上げ設備の
老朽化も深刻になっている。これらの改善にも着手する。
文科省は「海外のロケットも5~10年ごとに大幅改良している。部品メーカーの撤退や技術の断絶を食い止めたい」
と説明する。
毎日新聞
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