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小さな電池 好アシスト…探査機「はやぶさ」カプセル回収
過酷な条件耐え着陸地「発信」…パナソニック製
60億キロ・メートルの宇宙の旅から7年ぶりに帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。
太陽系の初期の姿をとどめる小惑星「イトカワ」の砂などが入っている可能性がある
耐熱カプセルの回収に、パナソニック製電池=写真=が大きな役割を果たした。
機械トラブルなどで帰還が3年も延びたが、地球着陸後に居場所確認のための電波信号を
正常に発信した。過酷な宇宙旅行後に実力を発揮しただけに「後継機にも搭載を」と期待が
高まっている。
(栗原公徳)
ガスメーターの電源などに利用されているリチウム一次電池で、一般に使われる電池では
最も劣化しにくく、低温でも使えるのが特徴だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)から
12年前の1998年、はやぶさへの搭載を打診され、単2サイズなど容量が異なる2種類の
リチウム一次電池を提供し、2003年の打ち上げの際に搭載された。
JAXAからパナソニックに再度連絡が入ったのは昨年2月。
当初、帰還まで4年の計画が7年に延びたため、電池が作動して電波信号が発信できるか
確かめてほしいとの依頼だった。
パナソニックの社内分社であるエナジー社の清水敏之チームリーダーらが着陸直前まで
1年以上にわたり、社内の研究所で計20回の性能試験を実施した。その結果、電池自体は
宇宙でも12年以上もつが、マイナス10度以上でないと作動しないことを確認した。
その結果を受け、JAXAは地球帰還前に、カプセル内にある装置をヒーター代わりに
遠隔操作で動かし、電池を0度まで温めることができた。
はやぶさのカプセルは着陸後、日本時間の6月14日午後4時8分に豪南部のウーメラ近郊の
砂漠で回収されるまで電波信号を発信し続けた。それを頼りに、JAXAはわずか半日で、
着陸予定地域の約2000平方キロ・メートルの広大な砂漠の中から、直径30センチの
小さなカプセルを見つけ出すことができた。
清水さんは「正常に動いたと聞いた時には、本当にホッとした。宇宙で7年間過ごしても
劣化せず、信頼性の高さを実証できた」と話している。
(2010年8月23日 読売新聞)
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▽記事引用元
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YOMIURI ONLINE(URLリンク(www.yomiuri.co.jp))配信記事
豪州の砂漠で回収された小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル(中央)=宇宙航空研究開発機構提供
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