10/08/02 04:31:47
香川県内初の超小型人工衛星「KUKAI」を製作した香川大工学部の能見公博准教授のチームが、
宇宙で実験を行うためのロボットを新たに開発した。
「KUKAI」では親機と子機をつなぐ釣り糸に不具合が生じたため、
ロボットも宇宙で二つに分離して連結糸の巻き取り実験を行う。
8月に打ち上げられる宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測ロケット「S―520」で旅立つ予定といい、
能見准教授は「詳細なデータを収集し、より実用的な超小型人工衛星を作りたい」と意欲を見せている。
ロボットは円筒形で長さ30センチ、重さ7キロ。
真ん中で二つに分かれ、直径17センチの上部と同20センチの下部は
「テザー」と呼ばれる細い釣り糸で結ばれている。
ロケットから放出されたロボットは二つに分離し、宇宙空間に漂っている5~6分間、
リールを作動させて上部と下部を引き寄せたり、離したりを繰り返す。
JAXAは毎年1、2回の割合で、S―520を内之浦宇宙空間観測所
(鹿児島県肝付町)から発射しており、その都度、宇宙での実験を希望する
研究機関を公募している。
応募者が多いため順番待ちが続いており、香川大のロボットも2006年に申請し、3年越しで実現したという。
昨年1月に打ち上げられたKUKAIでは、実験開始前に親機と子機が分離しないよう、
金属製のピンでテザーをリールに固定。
そのせいで両機がうまく離れない事態に陥った。
今回は特殊な粘着テープを使用したほか、テザーの長さも約10メートルと2倍にした。
また、KUKAIで実験データのやり取りに使った無線通信は性能が悪く、
十分な情報を得られなかった。今回はJAXAの専用回線が使用できるため、
ロボットの詳細な動きを把握し、データを収集できるという。
能見准教授は「実験を成功させる自信はある。
何よりも今後、研究を前進させる大きな機会を得られた」と話す。
能見准教授のチームが開発したロボットの概要図(香川大提供)
URLリンク(osaka.yomiuri.co.jp)
▽記事引用元 : (2010年8月1日 読売新聞)
URLリンク(osaka.yomiuri.co.jp)
香川衛星開発プロジェクトSTARS
URLリンク(stars1.eng.kagawa-u.ac.jp)
JAVA/ISAS : S-520型ロケット
URLリンク(www.isas.jaxa.jp)