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◇ヒトの精子遺伝子は6億年変化していない
男性の精子産生に関与する遺伝子は6億年前から存在し、昆虫から哺乳類まで
あらゆる生物を通して精子の産生に限定的に必要とされる遺伝子であるようだという。
報告を行った米ノースウェスタン大学(イリノイ州)フェインバーグFeinberg医学部の
研究グループによると、Boule遺伝子と呼ばれる遺伝子の機能には進化の過程を通して
変化がみられないという。
今回の研究では、ショウジョウバエ、ウニ、ニワトリ、魚およびヒトの精子を比較。
また、雄のマウスからBoule遺伝子を除去すると、健康は維持されたが、精子が産生されなかった。
この研究はオンライン医学誌「PLoS Genetics(遺伝学)」に7月15日掲載された。
今回の研究は、男性不妊の解明や男性避妊薬の開発など、
ヒトの健康にさまざまな意味をもたらす可能性があるという。
「ヒトが精子を産生する能力が太古の昔からのものであり、その起源はおそらく6億年前の
動物の進化の黎明(れいめい)期にさかのぼることが初めて明確に示された。この知見から、
同大学助教授のEugene Xu氏は「あらゆる動物の精子産生は共通の原型をもつ可能性が
高いことが示される」と述べている。
また、Boule遺伝子はこれまでに発見されているヒトの精子特異的遺伝子の中で
最も古いものである可能性が高い。精子産生は自然淘汰を受けてきており、
精子に特異的な遺伝子は進化上、強い選択圧を受けて変化していく傾向があるという。
そのため、ヒトがこのBoule遺伝子を幅広い生物と共有しているという今回の知見は
「極めて驚くべきことである。これは種を超えて変化しなかった性特異的な要素の1つ。
あまりに重要であるため変化できないのだろう」とXu氏は述べている。
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▽記事引用元
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NIKKEI NETいきいき健康(URLリンク(health.nikkei.co.jp))