05/01/13 08:40:31 6fHqvJpd
昨晩「幻の湖」を見た。
チマチマした箱庭劇のような邦画が多い中で
20年以上も前にこのように時空を超越した作品が
創られていたことに感激した。
鑑賞者の共感や感情移入を許さない迫真の演技もすばらしい。
通常の大衆映画の登場人物は鑑賞者に向けて演技する。
しかし「幻の湖」の登場人物は鑑賞者を完全に無視している。
従って、鑑賞者は映画から突き放され、不安定な位置におかれる。
鑑賞者が不安定な位置におかれたまま、映画の中の世界は
勝手にどんどん進む。
不安定感を不快に思うか、それとも不安定感を楽しむかは鑑賞者次第だ。
だが、仮に天上から神が人間世界を覗いたら、おそらくは「幻の湖」の
鑑賞者と同じような不安定感を感じるのだろう。